ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2009年07月30日(木)
Jody Williams "You Left Me in the Dark"
Jody Williams "You Left Me in the Dark" [Evidence ECD 26130-2]

1. You Left Me in the Dark 2. I Can't Get You Off My Mind 3. Don't Get Caught Sleeping in My Bed 4. She's Got a Spell on Me 5. I'll Be There 6. Good Things 7. What Kind of Gal Is That? 8. Hideout 9. Young Men Don't Know 10. Someone Else 11. I Make Money 12. Looking for My Baby 13. Nothing Can Change This Love 14. I've Been Watching You

1950〜60年代に Chess や Cobra など,シカゴでのブルース・セッションでギタリストとして活躍していた Jody Williams が,30年近いブランクの後,現役に復帰して発表した2作目のアルバム(2004)。Robert Jr. Lockwood (2. 5.) と Lonnie Brooks (4. 10.) がゲストとして参加している。
音楽業界から離れていた時期の仕事は,Xerox の technical engineer で,それを1994年に退職してから再び音楽に取り組む気持ちになったそうだ。

13. Nothing Can Change This Love が,Sam Cooke のカバー。名曲の一つだが,その割に取り上げられることが少ないのは,ここまで手放しでおめでたいラブ・ソングは,歌う側にテレがあるからだろうか・・・?
この Jody Williams のバージョンは,67歳という年齢もあって,即物的な色気抜きの,枯れた情愛のようなものが感じられる,渋いカバーになっている。

○ "Return of a Legend" [Evidence 26120] -2002
未入手だが,復帰第1作となった ↑ で再演されていた "Lucky Lou" が,Otis Rush "All Your Love" の元ネタになったと思われるインスト・ナンバー。再演バージョンのサンプルを聞くと,ドラムが均等なビートを叩いているので,それほど似ていないように聞こえるが,オリジナルのバージョンを聞くと,ソックリ。
◎ V.A. "Chess Blues Guitar: Two Decades of Killer Fretwork, 1949-1969 (2 CDs)" [CHESS/MCA MVCE-30013] -1998
Disc I: 21. Lucky Lou - Jody Williams
1957年5月の録音で,シングル(Argo 5274) としてリリースされている。セッションのメンバーは,
Jody Williams - guitar; Harold Ashby - tenor sax; Lafayette Thomas - organ; Willie Dixon - bass; Phil Thomas - drums.
ソングライターのクレジットは,Jody Williams 。
この "Chess Blues Guitar" 中では,ほかに 自身のボーカルによる "What Kind Of Gal Is That?" や Morris Pejoe "Tired Of Crying Over You",Bo Diddley "Who Do You Love?" でギターを弾いている。Bo Diddley とは近所づきあいをしていたらしい。

Otis Rush "All Your Love" の録音は1958年で,ミュージシャンは,
Harold Ashby - tenor sax; Jackie Brenston - bariton sax; Little Brother Montgomery - piano; Ike Turner - guitar; Willie Dixon - bass; Billy Gayles - drums.
ライターは Otis Rush となっている。てっきり Willie Dixon との共作としてクレジットされていると思っていたのだが・・・(^_^;)

ひょっとすると,Bob Dylan の "Beyond Here Lies Nothin'" は,"Lucky Lou" に歌詞をつけただけ・・・というつもりなのかもしれない。博識な Dylan なら,"All Your Love" に元ネタが存在していることを知っていたとしても,不思議ではない・・・?

2009年7月30日 21時40分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月29日(水)
"Shine A Light" DVD
DVD だと映画と違って,気になった場面をすぐにくり返してチェックできるのが,ありがたい。

本編が始まって最初に聞こえてくる曲が Muddy Waters "I Can't Be Satisfied" というのは,いったいだれのアイデアだろう・・・?
まあ,単なるダジャレ,あるいはオヤジギャグのような気もするが・・・(^_^;)

ほんのわずかだがリハーサルの場面を見ると,Chuck Leavell(Swamp Dogg だけでなく Sam Dees のセッションにも参加している) 抜きでストーンズのライブはありえないのではないかとさえ思えるが・・・?
コンサートの本番でも,Chuck なめのミック・・・というカットなどで Chuck Leavell が歌っているのははっきりと確認できるのに,エンドロールでのクレジットは,CHUCK LEAVELL Keyboards だけ。それなりのギャラは貰っているのだろうが,やはりちょっと可哀想な気がする。
同じように,ギターを弾いたりパーカッションを担当(ほとんど聞こえないが) しているように見える Blondie Chaplin もエンドロールでは,BLONDIE CHAPLIN Vocals としかクレジットされていないのは,なぜ・・・?
その一方で,画面にはほとんど登場しないのに,Tim Ries には Saxophone/Keyboards というクレジットがあるが・・・?

特典映像のうち 「メイキング」 には,エンドロールで流れる "Wild Horses" のインスト・バージョン(ミックがハーモニカ) を演奏している場面も収録されていた。
ロニー,ミック,キースが3人並んでアコギを弾いている場面("Factory Girl") も圧巻だった。次回のツアーではぜひアコースティック・セットを取り入れてもらいたい。
エンドロールの最後を締める,Keith Richards のアコースティックギターのみによる "Only Found Out Yesterday" という曲は,珍しく Written by Keith Richards とクレジットされていた。最近のキースにはアコギがよく似合う。

4曲だけだが,「マルチ・アングル」 も DVD だけでしか楽しめない大きな特長の一つ。
特に,チャーリーを中心としたアングルは,お宝物。"Some Girls" で画像が途切れたときには驚いたが・・・(^_^;)
神さま,仏さま,チャーリーさま・・・m(_ _)m
後光が射しているように見えるのは,ハゲているためだけではない。
キースがバスドラの中の眺めを Martin Scorsese に推薦している場面があったが,ぼくはあのバス・ドラムの中に入りたい・・・。
2009年7月29日 20時48分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月28日(火)
Swamp Dogg と Pete Carr
Swamp Dogg の Discography については詳細なサイトがあり,そちらを参考にさせていただきました m(_ _)m
JERRY WILLIAMS, JR. / SWAMP DOGG DISCOGRAPHY
http://www11.brinkster.com/groovies1/Swamp.html

Jerry Williams, Jr. という名前で singer, songwriter, A&R man, talent scout などとして New York など北部で活動していた人物が,Otis Redding に憧れて1969年ごろから南部に拠点を移し,Swamp Dogg という名前で singer や producer として残した作品のうち,1972年ごろまでのセッションに必ず参加していたのが,Pete Carr 。
ベースやドラム,キーボードなどのメンバーには多少の移り変わりがあるけれども,Pete Carr だけは,Swamp Dogg にかなり気に入られていたようだ。ただし,クレジットされている名前は,Pete (Beaver) Carr, Jesse (Beaver) Carr, Jesse Carr など,いろいろ。

アルバム単位では,次のような LP がある。
1969 Doris Duke "I'm A Loser" [Canyon 7704]
1970 Swamp Dogg "Total Destruction To Your Mind" [Canyon 7706]
1970 Raw Spitt "Raw Spitt" [Canyon 7710]
1970 Sandra Phillips "Too Many People In One Bed" [Canyon 7712]
1970? Irma Thomas "In Between Tears" [Fungus 25145]
1971 Doris Duke "A Legend In Her Own Time" [Mankind 200]
1971 Z.Z. Hill "The Brand New" [Mankind 201]
1971 Freddie North "Friend" [Mankind 204]
1971 Swamp Dogg "Rat On" [Elektra 74089]
1972 Swamp Dogg "Cuffed, Collared & Tagged" [Cream 9009]

はっきりとクレジットが確認できないものもあるが,Swamp Dogg が自身のアルバムで起用していることからも,この時期のプロデュース作には Pete Carr が間違いなく参加していると思われる。もちろん,それらしいギターの音も聞こえる。
Irma Thomas "In Between Tears" のリリースは1973年だが,録音はこの頃のはず。
カエルを踏み潰したような声で,慣れるまでは耳障りにしか聞こえないであろう,Swamp Dogg のソロ・アルバム以外は,サザン・ソウルの名盤として,一定の評価を得ている作品ばかり。
いずれの LP も,2on1やボーナス・トラックが追加されたかたちで CD 化されている。

● Doris Duke "I'm A Loser: The Swamp Dogg Sessions and More" [KENT CDKEND 242]
ミュージシャンなどのクレジットは,↓ のほうがはっきりしているかもしれない。↓ に追加されている Patti LaBelle & The Bluebelles(Nona Hendryx, Sarah Dash) は,New York 録音(1969) で Pete Carr は参加していないが・・・。
○ Doris Duke "Swamp Dogg Presents Doris Duke and Patti LaBelle and the Bluebells" [S.D.E.G. 1956]

◎ Swamp Dogg "The Excellent Sides of Swamp Dogg, Vol. 1" [S.D.E.G. SDE 1940]
↑ "Total Destruction 〜" と "Rat On" の2on1。

◎ Swamp Dogg "The Excellent Sides of Swamp Dogg, Vol. 2" [S.D.E.G. SDE 1946]
↑ "Cuffed, Collared 〜" と "Gag A Maggott" の2on1+1曲。後半の "Gag A Maggott" には Pete Carr は参加しておらず,Steve Alaimo がエンジニアで共同プロデュースの TK Studios, Miami 録音。

● Irma Thomas "Two Phases Of Irma Thomas" [S.D.E.G. 1963]

● Charlie Whitehead "Songs To Sing: The Charlie Whitehead Anthology 1970-1976" [KENT CDKEND 261]
↑ Raw Spitt などというニック・ネームは,ありがた迷惑でしかないと思うが・・・(^_^;)

◎ Sandra Phillips / Bette Williams "Swamp Dogg's Southern Soul Girls" [KENT CDKEND 288]
↑ 後半の Bette Williams はシングルしか残されていないシンガーだが,こちらにも Pete Carr が参加しているようだ。

● Z.Z. Hill "The Brand New Z.Z. Hill (+ Bonus Tracks)" [S.D.E.G. SDEG 1951]
◎ Z.Z. Hill & Freddie North "The Brand New Z .Z. Hill / Friend - Freddie North" [ace CDCHD 532]

これらのアルバムで聴ける Pete Carr のプレイには決定的な名演というものは無いが,一人でリズムとリードのパートを2トラック演奏しているような曲もあり,この Swamp Dogg のセッションで鍛えられたことが,後の大活躍につながっているような気がする。

2009年7月28日 21時05分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月25日(土)
The Broadway Sound Sessions
Sandra Wright / James Govan "The Broadway Sound Sessions" [Soulscape SSCD 7007]

1. Wounded Woman (Terry Woodford/Carl Lumbus/Frank Johnson)
2. Sha-La Bandit (Jesse Ferguson/Wade Davis)
3. I'm Not Strong Enough to Love You Again (Frank Johnson)
4. I Come Running Back (Bill Fair)
5. Lovin' You, Lovin' Me (Barbara Wyrick)
6. Man Can't Be a Man (Without a Woman) (Tom Brasfield/George Soule)
7. Midnight Affair (Dan Penn/Rick Hall)
8. I'll See You Through (I'll Be Your Shelter) (Homer Banks/Raymond Jackson/Carl Hampton)
9. Please Don't Say Goodbye (Bill Fair)
10. Jealous Kind (Robert Guirdy a.k.a. Bobby Charles)
11. Uphill Climb (Jerry Weaver)
12. Tell You About My Girl (Travis Wammack)
13. Starting All Over Again (Phillip Mitchell)
14. Oh What a Price (Ken Bell/terry Skinner)
15. Help Me, I'm in Need (George Jackson)
16. Love (I Thought I Would Never Find Love) (George Jackson)
17. Don't Give Up the Ships (Glen McDaniel/Willie McClain/James Little/Clarence Nelson)
18. You Left the Water Running (Rick Hall/Dan Penn/Oscar Frank)
19. We Had It All (Troy Seals/Donnie Fritts)

Quin Ivy が設立した Quinvy Studio を譲り受けて Broadway Sound Studio と改名し,そのオーナーとなった David Johnson がプロデュースした2枚のアルバムを収録した CD 。
Quinvy Studio の外見("Rare Soul From Alabama" のジャケ写) と比較すると,ただ看板を付け替えただけというのがよくわかる。

○ Sandra Wright "Wounded Woman" [UK Demon FIEND 138] 1.〜 9.
1974年に録音されたが,LP としてリリースされたのは1989年のこと{楽・p.248}。ネット上で検索していただくと,この CD のライナーを訳しておられる方もいらっしゃる。

せっかく Pete Carr のマニアの方にお越しいただいたので,あの「ピートとマッスル」サイト内の album index をたよりに手持ちの CD で Pete Carr がギターを弾いているアルバムを探して聴いていたら,いくつか index に入っていないものがあった。

ただし,そのほとんどは Swamp Dogg がらみで,彼のソロ・アルバムに★2つしか付けておられない Dennys さんにはあまりオススメできないかな・・・と思っていたところ,この CD があった。

Produced by David Johnson; Recorded at Broadway Sound; Engineered by David Johnson and Bill Fair
Rhythm Section: Bass - Lenny LeBlanc; Drums - Jimmy 'Be-Bop' Evans and Roger Clark; Keyboards - Clayton Ivey and Randy McCormick; Guitars - Pete Carr
The Muscle Shoals Horns: Harvey Thompson, Ronnie Eades, Charles Rose and Ben Cauley
Backing Vocals: Barbara Wyrick, Mary Gresham, Terry Woodford

Swamp Dogg の当時のプロデュース作に比べれば,彼独特のクサミを薄めてさらにポップにモダンにしたソウル・アルバムになっている。Stax の最後の悪あがきに巻き込まれてしまい,お蔵入りになってしまっていた LP だが,もし,当時リリースされていたら・・・。

SANDRA WRIGHT-please don't say goodbye @ Youtube
Sandra wright - I come running back @ Youtube
Sandra Wright - Midnight Affair - Modern Soul Magic @ Youtube

8. I'll See You Through (I'll Be Your Shelter) は,Luthur Ingram "I'll Be Your Shelter (In The Time Of Storm)" を改題したもの。同じ作者なのでパクリではない・・・(^_^;)
Backing Vocals にクレジットされている Mary Gresham は,当時の未発表曲が発掘され CD 化されていて,ひょっとすると,Pete Carr が参加している曲があるかも・・・?
● Mary Gresham "Voice From The Shadow: The Story Of A Muscle Shoals Soul Sister" [Soulscape SSCD 7008]


後半の James Govan は1982年の録音で,単独で CD 化されたこともある。
◎ James Govan "I'm In Need" [Over-Easy/Overture 30020-2] 10.〜 19.
Produced by David Johnson; Co-produced by Barry Beckett(10. 11.); Recorded at Broadway Sound; Engineered by David Johnson
Rhythm Section: Bass - David Hood and Bob Wray; Drums - Roger Hawkins and Roger Clark; Keyboards - Randy McCormick and Clayton Ivey; Guitars - Larry Brown, Travis Wammack, Jimmy Johnson and Ken Bell
The Muscle Shoals Horns: Harvey Thompson, Ronnie Eades, Harrison Calloway and Charles Rose
Backing Vocals: Cindy Richardson, Ava Aldridge and Marie Tomlinson

Pete Carr こそ参加していないが,Muscle Shoals Sound が楽しめる,名曲・好演・熱唱が目白押しの良盤。
2009年7月25日 23時30分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年07月22日(水)
Muscle Shoals Bands of the 60's Reunion
V.A. "Muscle Shoals Bands of the 60's Reunion" [Alabama Music Hall Of Fame AMHOF 1993-001]

The Mark Five with Dan Penn
1. Intro 2. Two Steps From The Blues 3. Ain't Nothin' You Can Do 4. I Got A Woman
The Del-Rays
5. Intro 6. Hot Toddy 7. Love Potion #9 8. Fortune Teller 9. Ya Ya
Hollis Dixon and The Keynotes
10. Intro 11. Big Boss Man 12. Kansas City 13. 40 Days
Terry Woodford and The Mystics
14. Intro 15. Susie Q 16. Satisfaction 17. Where Is My Little Girl
Mickey Buckins and The New Breed
18. Intro 19. Mustang Sally 20. Silly Girl
The Weejuns
21. Intro 22. Gimme Some Lovin' 23. Hey Baby 24. Gloria
Bobby Denton
25. Intro 26. A Fallen Star 27. Sweet and Innoccent
Travis Wammack & The Little Richard Band
28. Intro 29. Scratchy 30. Just A Little Bit

1960年代に Muscle Shoals を中心とした南東部一帯の community centers, high schools, National Guard armories, fraternity houses and military bases で活動していたバンドが,1992年に開いた同窓会コンサートの模様を記録したアルバム。
Intro とあるのは,M.C. によるそれぞれのグループの簡単な紹介。
Jimmy Johnson が Producer,David Johnson が Executive Producer としてクレジットされている。
アマゾンなどには出品されていないが,Alabama Music Hall of Fame のサイトのストアで購入できる。
Alabama Music Hall of Fame
http://www.alamhof.org/

いちばんの聴きものはやはり,トップ・バッターの The Mark Five における Dan Penn のボーカル。おそらく当時数え切れないほど歌ったであろう Bobby Bland や Ray Charles のおなじみのナンバーを貫禄十分に歌い上げている。
Intro での紹介には,Dan Penn and The Pallbearers という名前も出てくるが,ここでのメンバーは,Dan Havely - Trumpet; Johnny Sandlin - guitar; Jerry Carrigan - drums; Dan Penn - vocals; David Briggs - keyboards and Nobert Putnam - bass。
なぜかギターを弾いている Johnny Sandlin は,おそらく単なる助っ人か?
Jerry Carrigan, David Briggs, Nobert Putnam は,Fame の最初のハウス・バンドのメンバー。
● V.A. "The Muscle Shoals Sound" [Rhino R2 71517] -1993
↑ の Personnel は,→ MSRS.xls

二番手に登場する The Del-Rays は,Jimmy Johnson がリーダーだったバンド。Stax にシングルがある Del-Rays ではない。

続く Hollis Dixon というシンガーのバンドには,Donnie Fritts や Spooner Oldham,Roger Hawkins などが参加していたこともあったそうだ(『スウィート・ソウル・ミュージック』p.232)。Donnie Fritts と Spooner Oldham は,この CD でも演奏している。

Terry Woodford というシンガーのバンドでベースを弾いているのは,David Hood 。"Satisfaction" は,Otis ではなくストーンズ風だった。

Mickey Buckins は,The Fame Gang - The Third FAME Rhythm Section の一員として producer/arranger だった人物。

The Weejuns というグループは,M.C.で "I Spy" というシングルをリリースしたと紹介されていて,それは CD 化されているが,・・・。
○ V.A. "Psychedelic States: Alabama in the '60s, Vol. 2" [Gear Fab 192]

Bobby Denton というシンガーは「地元の有力政治家」になっているらしい(『スウィート・ソウル・ミュージック』p.211)。この "A Fallen Star" という曲のことも,そのページに書かれている。"Sweet and Innoccent" は,Rick Hall と Billy Sherrill が書いた Osmonds の曲。

◎ V.A. "It Came from Memphis (2 CDs)" [Manteca MANTDCD235] -2005
Travis Wammack は,この "Scratchy" が ↑ に収録されているように Memphis 出身らしいが,AMG で調べると,↓ のようなタイトルのアルバムがあった。
○ Travis Wammack "Memphis + Muscle Shoals = Travis Wammack" [Travis Wammack ]
The Little Richard Band とあるが,彼らは実際に Little Richard のツアー・バンドをしているそうだ。


Jimmy Johnson,David Hood,Johnny Sandlin,Jerry Carrigan,David Briggs,Nobert Putnam,Donnie Fritts,Spooner Oldham,Jimmy Evans などなじみのあるミュージシャンがいくつかのバンドに参加しているけれども,その他のメンバーは,すでにプロではない・・・?
ただ,演奏されている曲のほとんどは,彼らが現役時代リクエストされてくり返し演奏したと思われる '60 年代のヒット曲なので,体が覚えていて,たいしてリハーサルをする必要もなかったのでは・・・?

いかにも「同窓会」コンサートらしく,聴衆も含めて全員が和気藹々と楽しんでいる様子が伝わってきて,聴いているこちらのほうまで何となく楽しくなってくるような,ほのぼのとしたアルバムです (^^♪
2009年7月22日 00時03分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月21日(火)
Muscle Shoals Rhythm Section
Muscle Shoals Rhythm Section "Alabama Music Hall of Fame Presents Limited Edition CD" [Alabama Music Hall Of Fame]

1. Swampers (Muscle Shoals Rhythm Section) 2:41
2. Whiplash (Pete Carr) 3:35
3. MSS Down By The River (MSRS) 3:34
4. Pete's Song (Pete Carr) 4:07
5. Don't Bug Me Johnson (Barry Beckett) 3:44
6. Muscle Shoals (MSRS) 9:23
7. Beckett Cruisin' Jackson Highway (Barry Beckett) 4:55
8. What Goes Around Comes Around (Barry Beckett) 3:13
9. 3614 Jam (Roger Hawkins) 4:01
10. Inner Tube (David Hood) 3:58

アマゾンなどには出品されておらず,Limited Edition ともあるが,現在でも Alabama Music Hall of Fame のサイトのストアで購入できるようだ。
Alabama Music Hall of Fame
http://www.alamhof.org/

日アマでも,MP3ミュージックとして入手できるようになった。
タイトルは異なっているが,内容は同じ。
○ The Muscle Shoals Rhythm Section "The Hall of Fame Album" [Lucky Dawg/Malaco ]


Members of the Muscle Shoals Rhythm Section playing on all cuts are:
 David Hood - Bass; Roger Hawkins - Drums; Jimmy Johnson - Guitar; Barry Beckett - Keyboards
Additional Players are:
 Pete Carr - Guitar; Mickey Buckins - Guitar; Lenny LeBlanc - Guitar
 Randy McCormick - Keyboards
The Muscle Shoals Horns play on "Swampers"
 Charles Rose - Trombone; Harrison Calloway - Trumpet; Ronnie Eades - Baritone Sax; Harvey Thompson - Tenor Sax
Horn のアレンジは Harrison "Cap" Calloway,Producer としてクレジットされているのは David Hood/MSRS (3. 8. のみ Roger Hawkins/MSRS),Engineer は Jerry Masters (3. 8. のみ Steve Melton/Greg Hamm)。
Exec. Producers として David Johnson や Jimmy Johnson などの名前もある。
それらのクレジットの最後は,
Special thanks to: Jerry Wexler for giving us the chance to earn "Respect."
 Rick Hall for early recognition as his Fame Gang.

録音時期などは明記されていないが,Alabama Music Hall of Fame に殿堂入りした1995年にそれを記念して制作されたアルバムらしい。
Pete Carr のギターや,おそらく Randy McCormick が弾いていると思われるシンセを中心としたサウンドで,残念ながら,マニア以外におすすめできるような内容ではない。The MG's や The Meters のインスト・アルバムに比べると,どうしても聴き劣りがしてしまう。ちょうど,Hi のリズム・セクションが同じような内容のアルバムをリリースしていたのを思い出してしまった。
◎ Hi Rhythm "On The Loose" [HI HILO 170] -1976
Pete Carr のギターは結構聴けるが,シンセのふにゃふにゃした音は・・・(^_^;)


Alabama Music Hall of Fame のストアで購入できる CD としては,↓ のほうがオススメ。
● V.A. "Muscle Shoals Bands of the 60's Reunion" [Alabama Music Hall Of Fame AMHOF 1993-001]
The Mark Five で Dan Penn が歌う "Two Steps From The Blues","Ain't Nothing You Can Do","I Got A Woman" を聴くことができる。
2009年7月21日 00時02分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年07月20日(月)
Looking Back
ブルースの Otis Rush からゴスペルの The Soul Stirrers まで,いろいろなジャンルのさまざまなシンガーによってカバーされている名曲 "Looking Back" (Brook Benton/Belford Hendricks/Clyde Otis)。
最初にヒットしたのは,Nat King Cole のバージョン(1958, Black Singles: 2, Pop Singles: 5)。
Nat King Cole-Looking Back @ Youtube

◎ Nat King Cole "The Very Best Of Nat King Cole" [Capitol/EMI 09463 59324 2 3]
↑ のベスト編集盤には,Sam Cooke がカバーした "(I Love You) For The Sentimental Reasons" や,Aaron Neville が自身のスタンダード・アルバムのタイトル曲にした "Nature Boy" なども収録されている。むか〜しは,こういうのを聴いて楽しめるようになったらオシマイだ・・・と思っていたような音楽だが,最近は・・・(^_^;)

◎ Dinah Washington & Brook Benton "The Two of Us" [Verve 314 526 467-2]
1960年4月,New York 録音。Brook Benton との連名になっているアルバムだが,この曲は Dinah Washington が一人で歌っている。
Brook Benton が一人で歌っているバージョンもある。
◎ Brook Benton "Rainy Night In Georgia (2 CDs)" [Double Pleasure DP 21502]
1962年リリースの LP "Singing the Blues" の収録曲?

◎ "Sam Cooke's SAR Records Story (2 CDs)" [SAR/abkco 2231-2]
SAM COOKE AND SOUL STIRRERS - LOOKING BACK @ Youtube
1964年1月,United Recording Hollywood 録音。Sam Cooke が歌っているわけではなく,プロデューサとしてスタジオ内の Clif White や Jimmie Outler に指示を出している。

◎ Roy Hamilton "Warm Soul (+ Bonus Tracks)" [Poker DECKCD 104]
1963年4月,New York 録音。Roy Hamilton の MGM 時代の作品集。ヒット曲こそ無いが,タイトルどおり "Warm" な Roy Hamilton の歌声を楽しむことができる。

◎ Clarence Frogman Henry "The Best Of Clarence Frogman Henry" [Chess/MCA CHD-9346]
1964年2月,New Orleans 録音。The Band がカバーした "Ain't Got No Home"(1957, Black Singles: 3, Pop Singles: 20) でおなじみのシンガー。↑ の CD のブックレットには,ビートルズといっしょの写真も掲載されている。そのキャプションは,In 1964 Clarence "Frogman" Henry opened 18 dates for the Beatles.

◎ Carla Thomas "Carla" [Atlantic 7 82340-2]
1966年,Memphis 録音。Carla Thomas の3rd アルバム。ソロでは最大のヒットとなった "B-A-B-Y" (Black Singles: 3, Pop Singles: 14) が収録されている。ブルースの "Red Rooster" やカントリーの "I'm So Lonesome I Could Cry" なども聴くことができる。

◎ Joe Simon "Monument Of Soul" [Sound Stage 7/Shout! RPMSH 222]
1968年リリースのシングル[Sound Stage 7 2622]。Sound Stage 7 時代(1966-1972) の Joe Simon の編集盤。"Teenager's Prayer","(You Keep Me) Hangin' On","The Chokin' Kind" などのヒット曲のほか,Penn/Oldham の名曲の一つ "Nine Pound Steel" のオリジナルも収録されている。

● Otis Rush "Right Place, Wrong Time" [edsel ED CD 220]
リリースは1976年だが,録音は1971年。Otis Rush は,この曲をかなり気に入っているようだ。
◎ Otis Rush "Blues Live!" [VIVID VSCD-3025]
1975年,来日時のライブ録音。日比谷の野音で客席にいたが,ほとんど記憶に残っていない・・・(^_^;)
◎ Otis Rush "Live In Europe" [Evidence ECD 26034-2]
1977年,ヨーロッパでのライブ録音。
◎ Otis Rush "Any Place I'm Going" [HOB 51416 1343 2]
1998年リリースのスタジオ録音。Willie Mitchell と Otis & Masaki Rush 夫妻のプロデュース。前作に続いて Sam Cooke のカバー "Laughin' And Clownin'" が収録されている。
◎ Otis Rush "Chicago Blues Festival 2001" [P-Vine PCD-24222]
2001年,シカゴでのライブ録音。

● Conway Twitty "Looking Back: the very best of the MGM recordings (2 CDs)" [MGM/rpm RPMD 246]
1972年リリースのアルバム収録曲。

◎ Ted Taylor - V.A. "Sound City Soul Brothers: --/Reuben Bell/Eddie Giles" [Soulscape SSCD 7005]
1975年頃の録音? ↑ の CD に初めて収録された未発表曲。Wardell Quezerque のプロデュース。
このアルバムについては,『楽ソウル』 に詳細な解説(p.290) がある。

◎ Irma Thomas "A Woman's Viewpoint: The Essential 1970s Recordings" [KENT CDKEND 260]
1981年?リリースのシングル[RCS 1013]。"Safe With Me" という,Muscle Shoals Sound や Malaco Studio,Sea-Saint Studio などで録音されたアルバムにも収録されているが,この曲がどのスタジオで録音されたかは・・・?
↑ の CD では Penn/Oldham の "A Woman Left Lonely" や,さらに Donnie Fritts も加わって書かれた "Zero Willpower" を聴くことができる。

◎ Bobby "Blue" Bland "You've Got Me Loving You" [MCA MCAD 22008]
1984年,MCA での最後のアルバム。この翌年,Malaco に移籍し,"Members Only" がリリースされる。

● Johnny Adams "Man of My Word" [ROUNDER 2155]
1998年2〜4月に Ultrasonic Studios, New Orleans で録音されたアルバム。Johnny Adams が亡くなったのは,同年9月のこと。

◎ Bobby Womack "Back To My Roots" [Right Stuff 72434-98584-2-8]
1999年リリースの,タイトルどおり「ルーツ」にもどって,ゴスペルやゴスペル風の曲を歌っている作品。
アルバムのオープニングは J.W. Alexander のナレーションで,SAR の思い出話を語っている。
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2009年07月19日(日)
Otis Rush "Right Place, Wrong Time"
Otis Rush "Right Place, Wrong Time" [edsel ED CD 220]

1. Tore Up (Ralph Bass/Ike Turner)
2. Right Place,Wrong Time (Otis Rush)
3. Easy Go (Otis Rush)
4. Three Times A Fool (Otis Rush)
5. Rainy Night In Georgia (Tony Joe White)
6. Natural Ball (Albert King)
7. I Wonder Why (Mel London)
8. Your Turn To Cry (G.Caple/Deadric Malone)
9. Lonely Man (Milton Campbell/Bob Lyons)
10. Take A Look Behind (Otis Rush)

「歌」で泣きたいときに聴くのが Wilson Pickett "Back In Your Arms" なら,「ギター」で泣きたいときの定番曲が,この Otis Rush のアルバムのラストに収録されている "Take A Look Behind"。

タイトルが変更され自作としてクレジットされているが,Nat King Cole のヒット曲 "Looking Back" (1958, Black Singles: 2, Pop Singles: 5) のカバー。Brook Benton/Belford Hendricks/Clyde Otis 作の,数多くのシンガーによって歌われている名曲。
Looking back over my life, .... 自分の人生を振り返ってみて,I'll never make the same mistake again. と,歌っているわけだが,拙い経験から言うと,同じ過ちを決してくり返さない人間にはお目にかかったことがない。もちろん,ぼく自身も含めて・・・(^_^;)
Otis Rush は,この曲をライブでのレパートリにしていて,"Looking Back" というオリジナルのタイトルで演奏されているアルバムもあり,今年リリースされたばかりの ↓ にも収録されていた。
◎ "Chicago Blues Festival 2001" [P-Vine PCD-24222] -2009
おそらく Otis Rush 自身,実生活で何度も I'll never make the same mistake again. と誓ったことがあるにちがいない。
それらの,いくつかある Otis Rush のバージョンの中でも,ギターの泣かせ方,きしませ方が最高なのは,この "Right Place, Wrong Time" に収録されたスタジオ・バージョンのように思う。

このアルバムは,Otis Rush が Atlantic 傘下の Cotillion から,Fame 録音の1st LP "Mourning in the Morning" を出した後,Capitol と契約して録音(1971) したものだがなぜか発売されず,これらの楽曲が日の目を見るのは,その5年後に P-Vine がリリースした LP まで待たなければならなかった。

Personnel: Otis Rush - vocals, guitar; Doug Killmer - bass; John Kahn - bass; Bob Jones - drums; Fred Burton - rhythm guitar; Mark Naftalin - piano; Ira Kamin - organ; John Wilmeth - trumpet; Ron Stallings - tenor sax; Hart McNee - alto sax

Produced by Nick Gravenites and Otis Rush
Recorded at Wally Heider's Studio, San Francisco, Feb., 1971
Originally P-Vine PLP-702 (Bullfrog LP 301) Released: 1976

前作の "Mourning in the Morning" と共通しているのは,Mark Naftalin(The Paul Butterfield Blues Band) とプロデューサの Nick Gravenites(Big Brother & the Holding Company,Electric Flag)。
前作とは違って,Otis Rush 自身もプロデュースに加わっているためか,歌もギターもさらにテンションが高くなっている。
バックのサウンドは Cobra 時代のドス黒さに比べるとどうしても軽く聴こえてしまうが,Otis Rush の歌もギターも快調そのもの。アルバム単位での最高傑作という高い評価を受けているのも,うなずける内容。

曲名が Otis Rush の人生そのもののような "Right Place, Wrong Time" とか,バラード・シンガーとしての実力を見せつけてくれた "Rainy Night In Georgia"(Tony Joe White が書いた Brook Benton のヒット曲) などもお気に入り。


この Otis Rush も Sam Cooke のファンで,2曲もカバーしているアルバムがある。
● "Ain't Enough Comin' In (Japanese version)" [THIS WAY UP PHCR-1248] -1994
3. Somebody Have Mercy
11. Ain't That Good News
2009年7月19日 00時29分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月18日(土)
Otis Rush "Mourning In The Morning"
Otis Rush "Mourning In The Morning" [ATLANTIC 7 82367-2]

1. Me (Mike Bloomfield/Nick Gravenites)
2. Working Man (Mike Bloomfield/Nick Gravenites)
3. You're Killing My Love (Mike Bloomfield/Nick Gravenites)
4. Feel So Bad (Chuck Willis)
5. Gambler's Blues (King & Taub)
6. Baby I Love You (Ronnie Shannon)
7. My Old Lady (Mike Bloomfield/Nick Gravenites)
8. My Love Will Never Die (Otis Rush)
9. Reap What You Sow (Paul Butterfield/Mike Bloomfield/Nick Gravenites)
10. It Takes Time (Otis Rush)
11. Can't Wait No Longer (Mike Bloomfield/Nick Gravenites)

Recorded at Fame Recording Studios, Muscle Shoals, Alabama, early 1969
Engineered by Micky Buckins
Produced by Mike Bloomfield and Nick Gravenites
Originally released as Cotillion 9006 in 1969

Otis Rush の Fame 録音。Nick Gravenites(Janis Joplin が歌うはずだった "Buried Alive In The Blues" の作者) が書いたオリジナルのライナーノートの最初の1節は ↓
This is Otis Rush's very first album. Otis has been cutting single records for over fourteen years, his first record being his biggest seller; I Can't Quit You, Baby.

プロデューサもエンジニアも新しいため,いわゆる Fame の音とはかなり違って聴こえる。1969年の3月には Roger Hawkins たちは Fame から出て行ってしまうので,1月か2月の録音か?
AMG によると,Micky Buckins がアルバム単位でエンジニアを務めたのは,これが最初らしい。同じ年に ↓ のエンジニアとしてもクレジットされている。
◎ Lou Johnson "Sweet Southern Soul" [water water 132]
録音も同じ頃に行われたようだが,↑ のプロデューサは Jerry Wexler & Tom Dowd 。

Personnel: Otis Rush - guitar & vocals; Aaron Varnell and Joe Arnold - tenor sax; Ronald Eades - baritone sax; Gene "Bowlegs" Miller - trumpet; Jimmy Johnson and Duane Allman - guitars; Jerry Jemmott - bass; Barry Beckett and Mark Naftalin - keyboards; Roger Hawkins - drums.
Micky Buckins のように,そのまま Fame Gang として Fame に残るメンバーのほか,独立組にも居残り組にも属さない Gene Miller や Jerry Jemmott もセッションに参加している。

さて,表題のアルバムで Duane Allman はどれくらいギターを弾いているでしょうか・・・?
彼のアンソロジーに収録されているのは ↓ の1曲だけだが,もっと多いような・・・?
◎ Duane Allman "Duane Allman Anthology vol.2 (2 CDs)" [POLYDOR 831 445-2 Y-2]
Disc I - 4. You Reap What You Sow


Otis Rush は,この後 Capitol と契約しアルバムを録音するものの,お蔵入りにされてしまう。それを発掘して LP として最初にリリースしたのは,日本の P-Vine だった。
● Otis Rush "Right Place, Wrong Time" [edsel ED CD 220]
LP が廃盤になったあと,輸入盤の CD でしか聴くことができなかったが,最近,紙ジャケでリイシューされたようだ。
Nick Gravenites と Otis Rush が共同でプロデュースし,Otis Rush のスタジオ録音での最高傑作として評価の高いアルバム。
2009年7月18日 09時56分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月15日(水)
Wilson Pickett "Hey Jude"
Wilson Pickett "Hey Jude" [MMG AMCY-67]

1. Save Me (George Jackson/Dan Greer)
2. Hey Jude (John Lennon/Paul McCartney)
3. Back in Your Arms (George Jackson/Raymond Moore/Melvin Leakes/Larry Chambers)
4. Toe Hold (Isaac Hayes/David Porter)
5. Night Owl (Don Covay)
6. My Own Style of Loving (George Jackson/Raymond Moore/Melvin Leakes)
7. A Man and A Half (George Jackson/Raymond Moore/Melvin Leakes/Larry Chambers)
8. Sit Down and Talk This Over (Bobby Womack/Wilson Pickett)
9. Search Your Heart (George Jackson/Raymond Moore)
10. Born to Be Wild (Mars Bonfire)
11. People Make the World (Bobby Womack)

Wilson Pickett の数ある名曲の中でいちばん好きなのが,このアルバムに収録されている "Back In Your Arms"。この曲を聴きながら,どれほど涙にくれて枕を濡らしたことか・・・(T_T)
George Jackson/Raymond Moore/Melvin Leakes/Larry Chambers の共作による,悲痛なラブ・バラード。

マニアの間で有名な Thomas Bailey のカバー・バージョンがあるけれども,シングルではなく CD で聴いてしまったためか,ちょっと評判倒れの印象があった。シャウトの量はともかく,シャウトの質では Wilson Pickett の方がはるかに上・・・というのが,個人的な感想。
◎ V.A. "King's Serious Soul: Too Much Pain" [KENT CDKEND 194] -2001
1. Wish I Was Back (In Your Arms Again) - Thomas Bailey

表題のアルバムは,1969年にリリースされたものだが,録音場所やミュージシャンについて謎が多い。
オリジナルのライナーには,すべて Fame で録音されたようにクレジットされているが・・・?
Recorded at Fame Studios, Muscle Shoals, Ala.
Recording engineer: Rick Hall
Produced by Rick Hall & Tom Dowd

ネット上にある ジャズ・ディスコグラフィー・プロジェクト の Atlantic Records のセッション・リストによると,
http://ja.jazzdisco.org/
5. 7. 8. 11. は1968年9月19日(A) に Memphis, TN で,2. 9. は11月27日(B) に Muscle Shoals, AL で,残る 1. 3. 4. 6. 10. は12月3日(C) に Muscle Shoals, AL で録音されたことになっている。
実際,A セッションの4曲は,ドラムが右トラック( B と C は左) に収録されているなど,サウンドにちがいがある。ただ,その3回のセッションに参加しているミュージシャンはすべて同じということになっている・・・?
Gene "Bowlegs" Miller (trumpet); Andrew Love and James Mitchell (tenor saxes); Barry Beckett (piano), Duane Allman and Jimmy Johnson (guitars); Jerry Jemmott (bass); Roger Hawkins (drums)

A セッションのうち,11. People Make The World のギターは,明らかに,作者である Bobby Womack なのだが・・・?

● Wilson Pickett "A Man And A Half (2 CDs)" [ATLANTIC/RHINO R2 70287] -1992
2. 4. 7. が収録されている ↑ のベスト編集盤にもセッション・データが掲載されているのだが,それによると,A セッションの 7. の Personnel は,Gene "Bowlegs" Miller (trumpet); James Mitchell and Aaron Varnell (tenor saxes); Barry Beckett (keyboards); Bobby Womack and Jimmy Johnson (guitars); David Hood (bass); Roger Hawkins (drums).
B セッションの 2. と C セッションの 4. の Personnel は,Gene "Bowlegs" Miller and Jack Peck (trumpet); James Mitchell, Aaron Varnell and Joe Arnold (tenor saxes); Barry Beckett (piano); Marvell Thomas (organ); Duane Allman and Jimmy Johnson (guitars); Jerry Jemmott and David Hood (bass); Roger Hawkins (drums); The Sweet Inspirations (background vocals).

そして,A セッションも Fame 録音だが Arranged and Produced by Tom Dowd で,B と C のセッションは Produced by Rick Hall ということになっている。
どうやら,このデータがいちばんもっともらしいように思えるが・・・?
2009年7月15日 21時57分 | 記事へ | コメント(5) | トラックバック(0) |
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2009年07月14日(火)
Wilson Pickett "I'm In Love"
Wilson Pickett "I'm In Love" [Collectables COL-CD-6334]

1. Jealous Love 2. Stagger Lee 3. That Kind of Love 4. I'm in Love 5. Hello Sunshine 6. Don't Cry No More 7. We've Got to Have Love
8. Bring It on Home to Me
9. She's Lookin' Good 10. I've Come a Long Way

Wilson Pickett が "Bring It On Home To Me" を歌っている CD 。
Bobby Womack がセッションに参加しているが,ギター(左) は最初に少し聴こえるだけだし,声も聴こえない。オリジナルの "Bring It On Home To Me" では Lou Rawls のコーラスが印象的だったのだが,この Wilson Pickett のバージョンでは,Yeah - Yeah というレスポンスの部分も後で Pickett 自身がダビングしているようだ。
Bobby Womack は,この時点ではまだ Sam Cooke の曲を演奏したり歌ったりすることに抵抗を感じていたのだろうか?

1968年にリリースされ,Tom Dowd と Tommy Cogbill のプロデュースによって American Studio で録音されたアルバム。
バックのミュージシャンは,Bobby Womack と,ハウス・バンドである Gene Chrisman, Tommy Cogbill, Bobby Emmons, Bobby Woods, Reggie Young に,曲によっては King Curtis を中心としたホーン・セクション(Gene "Bowlegs" Miller, Bob Taylor, Charles Chalmers, Floyd Newman) や女性コーラス,ストリングスが加わっている。

Sam Cooke の未亡人と結婚してしまったことで強烈なバッシングを受け都落ちしてきた Bobby Womack と,Stax でトラブルを起こして追い出されてきた Wilson Pickett が出会って生まれた楽曲には,傑作が多い。嫌われ者同士ということでよほど馬が合ったのだろうか・・・(^_^;) もちろん,その二人だけの手柄ではなく,American Studio のハウス・バンドの連中による素晴らしいバックアップがあったればこそ・・・だけれども・・・。。
特に,Reggie Young のギターが絶妙で,"I'm In Love" や "I've Come A Long Way" などのスローなバラードでの Bobby Womack との二本のギターのからみは,何度聴いてもゾクゾクする。

Bobby Womack は,ギターだけでなく曲作りでも活躍していて,1. は King Curtis,7. は Wilson Pickett との共作で,4. 10. は単独の作品。10. には,The Valentinos として発表したバージョンがある。

この時代の作品をアナログ盤で集めておられる方ならよくご存知のように,当時の LP はステレオとモノラルの2通りの仕様で発売されることが多く,この LP にも S と M があった。
CD 化の際にはステレオ・ミックスが採用される場合がほとんどで,表題の CD もステレオだが,このアルバムはモノラルで CD 化されたことがある。

Wilson Pickett "I'm In Love (+4)" [east west japan AMCY-937]

11. Jealous Love [Single Version]
12. I've Come a Long Way [Single Version]
13. Let It Come Naturally [Previously Unreleased]
14. Gospel Jam - Believe I'll Run On [Hidden Track]

"I'm In Love" などのスローな曲では,二本のギターが右(Reggie) と左(Bobby) にはっきりと分離されたステレオ・バージョンの方が感動的だが,アップテンポのジャンプ・ナンバーの迫力は,歌と演奏がひとかたまりになって押し寄せてくるモノラル・バージョンの方が圧倒的に上。そのサウンドは,当時,同じスタジオで録音されていた Goldwax の一連の名曲を髣髴とさせる。

このモノラル・ミックスが収録されている CD は廃盤になっているようだが,1. 10. の Single Version と未発表曲(George Soule 作の "Let It Come Naturally") や,トラック・リストに表示されていないジャム・セッション(ゴスペル風の "Believe I'll Run On") も収録されているので,オススメ。
2009年7月14日 20時00分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月13日(月)
Donnie Fritts 来日
Donnie Fritts の来日が決定した。

ドニー・フリッツ&ザ・デコイズ Japan Tour 2009
http://toms-cabin.com/DonnieF2009/


● Donnie Fritts "Prone To Lean" [east west japan AMCY-2605] -1974
● Donnie Fritts "Everybody's Got a Song" [Oh Boy OBR-017CD] -1997
● Donnie Fritts "One Foot In The Groove" [Learning Man Records LMR-01] -2008
● Donnie Fritts "One Foot In The Groove(+1)" [Muskrat/Vivid Sound RATCD-4291]

正直なところ2作目までの Donnie Fritts なら,彼のボーカルだけに関して言えば,お金を貰っても聞きたくなるような代物ではなかったが・・・(^_^;)

3作目 "One Foot In The Groove" の彼の歌は,下手は下手なりに頑張っているという様子がうかがえて,好感が持てた。
生死の境をさまようような経験をしたあと生き長らえたことで,Donnie Fritts 本人が歌を歌えることに喜びを感じているようだ。

Ronnie Milsap が彼の曲をカバーしたのは,そのあたりが耳にとまったからではないか・・・という気がする。
● Ronnie Milsap "Then Sings My Soul (2 CDs)" [Star Song/EMI 5099924225526]
2009年7月13日 19時33分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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Freddie Scott "Mr. Heartache"
Freddie Scott "Mr. Heartache: The Best of the Columbia Recordings Plus!" [Kent CDKEND 314]

1. Lonely Man 2. Giving You My Heart 3. Blow, Wind 4. My Arms Aren't Strong Enough 5. One More Time Before I Go 6. I'm Too Far Gone (To Turn Around) 7. Just One Love 8. It's Been Like This (All of My Life) 9. Sing, Girl 10. I'll Try Again
11. Don't Let It End [Columbia 43316, 1965]
12. Mr. Heartache [Columbia 43112, 1964]
13. One Heartache Too Many [Columbia 43112, 1964]
14. Come Up Singing [Columbia 43316, 1965]
15. Forget Me If You Can [Columbia 43623, 1966]
16. One Iddy Biddy Needle (And a Little Bit of Thread) [Columbia 43623, 1966]
17. Let It Be Me 18. For Your Love 19. Spanish Harlem
20. Bring It on Home to Me
21. Everything I Have Is Yours
22. Laura
23. There Goes My Heart

Freddie Scott の歌う "Bring It On Home To Me" が収録されている CD 。
Sam Cooke の影響を大きく受けているシンガーではあるけれども,歌い方そのものはディープだがバックのサウンドがかなりポップなので,どちらかというとハーレム・スクエアよりもコパのほうが好き・・・という人にオススメ。

1.〜 10. は,1965年リリースの "Lonely Man"[Columbia CL 26601CS 9460] の収録曲。Clyde Otis のプロデュース。ジャケ写は,この CD と同じポートレイト。
11.〜 16. は,Columbia 時代の未 LP 化のシングル盤。
17.〜 20. は,1967年リリースの "Are You Lonely For Me"[Shout 501] の収録曲。そのアルバムのその他の曲は,↓ で CD 化済み。プロデューサは Bert Berns
● Freddie Scott "Cry To Me - The Best Of Freddie Scott" [COLUMBIA CK 65241]
21.〜 23. は,"Lonely Man" の前作 "Everything I Have Is Yours" [Columbia CL 22581CS 9058] の収録曲。タイトル曲は Billy Eckstine のカバー。スタンダード曲が多く収録されたアルバム。

この CD を聴いて,Freddie Scott のポップな側面を気に入った人には,この時代の前の,さらにポップなアルバムも CD 化されているので,オススメ。
◎ "Freddie Scott Sings and Sings and Sings" [Collectables COL-CD-5413]
Pop のチャートでは最大のヒットだった "Hey Girl"(1963, Pop Singles: 10) が収録されている。
Hey Girl-Freddy Scott-1963 @ Youtube

『楽ソウル』でシングル・レビュー(p.109) されている "You Got What I Need"(1968, Black Singles: 27) も Youtube にアップされていた。
Freddie Scott - You Got What I Need @ Youtube
2009年7月13日 00時02分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月12日(日)
We Are The Jackson 5
The Jackson Five "We Are The Jackson 5 featuring Michael Jackson" [Hallmark 311232]

1. Big Boy
2. You've Changed
3. We Don't Have to Be over 21 (To Fall in Love)
4. Michael the Lover
5. Stormy Monday
6. Saturday Night at the Movies
7. The Tracks of My Tears
8. A Change Is Gonna Come
9. Lonely Heart
10. Boys and Girls, We Are the Jackson 5
11. We Are the Jackson Five
12. My Girl
13. Soul Jerk
14. Under the Boardwalk

もちろん,Jackson 5 にも Michael Jackson にも何の思い入れも無いが,"A Change Is Gonna Come" を歌っているということで,取り寄せたアルバム。ぼくが購入したときには送料込みでもわずか¥542だったが,最近のマイケル・ジャクソン・バブルで値上がりしている。さすがに,King of Pop と呼ばれるだけのことはあるが,その内容は・・・(^_^;)

2. You've Changed は,Motown からのデビュー・アルバム "Diana Ross Presents the Jackson 5" にも収録されているようだが,要するに Motown からデビューする前のデモ録音集。

1. Big Boy は,Motown 以前に Steeltown というローカル・レーベルからリリースされた曲。
◎ V.A. "In Perfect Harmony: Sweet Soul Groups 1968-77" [KENT/Ace CDKEND 219] -2003
↑ に収録されたバージョンを聴いていたが,バックの音が全然違う。
"In Perfect Harmony" のバージョンには,S.D.E.G. Redords というクレジットがある。つまり,リリースされたバージョンには Swamp Dogg が関わっている・・・?
Motown やその他のレーベルからも同じような内容の The Jackson 5 and Johnny "In the Beginning" とか "Beginning Years 1967-1968" などというタイトルのアルバムがリリースされていて,それには,AMG で調べると Executive Producer として Swamp Dogg の名前がクレジットされていた。

ただし,それらの同じような内容のアルバムには,"A Change Is Gonna Come" は収録されていない。ボーカル・トラックを残してバック・トラックを入れ換えるのが得意な Swamp Dogg でも,どうしようもなかったか・・・?
そんな風に思えるほど,この "A Change Is Gonna Come" の出来はよくない。ひょっとすると Allen Klein が許可しなかったからかもしれないが,それも当然・・・と思えるほど,ひどい。子供たちがリビング・ルームで遊びながら歌っているのをそのまま録音したのかも・・・(^_^;)

そのほか,"Stormy Monday","Tracks of My Tears","My Girl","Under the Boardwalk" など有名曲のカバーも,ファンなら喜ぶかもしれないが・・・(^_^;)

これなら,The Osmonds のアルバムのほうがよっぽど楽しめる。
● Osmonds, The "The Singles" [BR Music BX 548-2] -2002
● Osmonds, The "The Osmonds/Homemade" [7T's GLAM CD 57] -2008
2009年7月12日 10時05分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月09日(木)
Rod Stewart "Atlantic Crossing"
Rod Stewart "Atlantic Crossing [Collector's Edition] (2 CDs)" [Warner Bros. 8122 79868-4]

Disc I:
1. Three Time Loser 2. Alright for an Hour 3. All in the Name of Rock 'N' Roll 4. Drift Away 5. Stone Cold Sober 6. I Don't Want to Talk About It 7. It's Not the Spotlight 8. This Old Heart of Mine 9. Still Love You 10. Sailing
11. Skye Boat Song - The Atlantic Crossing Drum & Pipe Band

Disc II:
[Studio Outtake] 1. To Love Somebody 2. Holy Cow 3. Return to Sender
[Alternate Version] 4. Three Time Loser 5. Alright for an Hour 6. All in the Name of Rock 'N' Roll 7. Drift Away
8. Too Much Noise [Early Version of "Stone Cold Sober"]
[Alternate Version] 9. I Don't Want to Talk About It 10. It's Not the Spotlight 11. This Old Heart of Mine (Is Weak for You) 12. Still Love You 13. Sailing 14. Skye Boat Song

Rod Stewart のソロ第6作(1975) の Collector's Edition 。
Mercury から Warner Bros. へレーベルを移籍しただけでなく,アルバム・タイトル通り,大西洋を横断してアメリカで録音されたアルバム。
● "Reason To Believe: The Complete Mercury Studio Recordings (3 CDs)" [Mercury UICY-1216] -2002
Mercury 時代の楽曲は,↑ にまとめられているが,この "Atlantic Crossing" は,スタジオだけでなくバックで演奏するミュージシャンも総入れ替えしてレコーディングが行われている。

Disc I: 11. や Disc II: 14. に追加されているのは,バグパイプのバンドによる演奏をバッグに Rod が歌っている曲。せっかく大西洋を横断してアメリカへ行ったのに,またスコットランドに戻っている・・・?
Disc II: 1. は以前 ↓ に収録されたことがあるが,今回はストリングスがダビングされたバージョン。
◎ "Storyteller: The Complete Anthology 1964-1990 (4 CDs)" [WARNER WPCP-3510] -1990

新しいライナーノート(Sean Egan) によると,Tom Dowd をプロデューサに迎えたこのアルバムの録音は,Outtake として収録されている3曲から始まったのだそうだ。
Otis Redding Arthur Conley, Wilson Pickett, Aretha Franklin にあこがれていた Rod のために Tom Dowd が用意したのは,The MG's の3人(Steve Cropper, Duck Dunn, Al Jackson 。ライナーでは Booker T. は含まれていなかったような書き方をしている。それらしきオルガンが聞こえるのだが?)。ところが,Los Angeles の Clover というスタジオで行われたセッションで,Rod が Steve Cropper 以外のメンバーの演奏に満足しなかったため,次に Tom Dowd が連れて行ったのが,Muscle Shoals Sound 。そのリズム・セクションを Rod が気に入ったことで,基本的なトラックのほとんどがそこで録音されたようだ。オリジナル・アルバムには,ほかに New York, Miami, Los Angeles, Memphis などのスタジオがクレジットされていたが,それらは主にストリングスやホーンなどをダビングするために使用されたらしい。曲によっては,ボーカル以外のほとんどが録音し直されたのではないかと思われるものがあるが・・・?
当時の Muscle Shoals のハウス・バンドは,Barry Beckett, Jimmy Johnson, David Hood, Roger Hawkins にリード・ギターは Pete Carr 。 Rod は特に Barry Beckett(先月,亡くなったらしい・・・R.I.P.) のアレンジャーとしての能力を高く評価していたそうだ。

結局,MG's とのセッションで録音された曲は,"This Old Heart Of Mine" が完成されてアルバムに収録された以外は,未完成のままお蔵入りしてしまう。今回初めて聴いた Lee Dorsey "Holy Cow" と Elvis Presley "Return To Sender" のカバーは確かにもう一つだけれども,Bee Gees が Otis Redding のために書いたという "To Love Somebody" の出来はそれほど悪くないのでは・・・?

アルバムとしてリリースされた曲の中では,当時 Faces とのツアーにサポート・メンバーとして参加していた Jesse Ed Davis との共作曲 "Alright For An Hour" や Steve Cropper との共作曲 "Stone Cold Sober" などオリジナル曲も素晴らしいけれども,それ以上の仕上がりなのが,カバー曲。何よりもまず選曲そのものが,いい。

● Dobie Gray "Drift Away: His Very Best" [Razor & Tie RE 2112-2] -1996
Dobie Gray "Drift Away" は,Neville Bros. やストーンズも歌っている名曲。
drift away-Dobie Gray @ Youtube
DRIFT AWAY [BY THE NEVILLE BROTHERS] @ Youtube
The Rolling Stones "Drift Away" @ Youtube

◎ Crazy Horse "Crazy Horse" [Reprise 1657504] -1971
Danny Whitten が書いた Crazy Horse "I Don't Want To Talk About It" は,ドラッグにまみれて死んでしまうような人間が作った歌だとはとても思えないほど,美しいラブソング。原曲でスライドを弾いているのは Ry Cooder,Rod のバージョンのスライド・ギターは Jesse Ed Davis。

◎ Gerry Goffin "It Ain't Exactly Entertainment (2 CDs)" [Air Mail Recordings AIRAC-1009] -2001
● 浅川マキ "灯ともし頃" [東芝EMI TOCP-6933]
"It's Not The Spotlight" は,作者の一人である Gerry Goffin も Muscle Shoals で録音している。浅川マキ with つのだ☆ひろ の日本語バージョンもある。
Gerry Goffin - It's Not The Spotlight @ Youtube
Maki Asakawa 浅川マキ - それはスポットライトではない @ Youtube

◎ Isley Brothers, The "This Old Heart Of Mine / Soul On The Rocks" [MOTOWN 017190-2] -2002
The Isley Brothers "This Old Heart Of Mine" は,ここではちょっとテンポを落として歌われているが,この15年後に Ronald Isley とデュエットしたアップテンポのバージョンもある。
This old heart of mine - Rod Stewart @ Youtube

Sutherland Brothers "Sailing" のカバーは,アルバム全体の締め括りとしては,これくらい仰々しいのもアリかな・・・とは思うが,この1曲だけを取り出して聴きたくなることは,ほとんど無い。感動的な名曲ではあるが・・・。

2009年7月9日 22時44分 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
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2009年07月06日(月)
Allen Klein (1931-2009)
Allen Klein が亡くなった。

<訃報>アレン・クラインさん 77歳=米音楽マネジャー ビートルズ解散要因に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090706-00000025-maiall-musi

彼が創始した abkco のサイトは,↓
http://www.abkco.com/

そもそも,Allen Klein がこの業界に入り込んできたのは,Sam Cooke のマネージャになったことがきっかけだった。
John Lennon が Allen Klein を信用してしまったのは,彼が Sam Cooke のマネージャという肩書きを持っていたからで,Allen Klein によると,初めて会ったとき John は,"If you can understand Sam Cooke's music, you can understand mine." と言ったのだそうだ。
そのあたりの事情は,『Mr.Soul サム・クック 』 (ダニエル・ウルフ 著, 石田泰子 訳, 加藤千明 訳 ブルースインターアクションズ 刊) pp. 345-346 にくわしい。


死者に鞭打つつもりはさらさら無いが,これをきっかけに RCA 初期の Sam Cooke の楽曲や,London 時代の Rolling Stones の未発表音源などが公式にリリースされることを期待したい・・・m(_ _)m
2009年7月6日 18時51分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年07月05日(日)
Bob Dylan "Together Through Life"
Bob Dylan "Together Through Life (2 CDs + DVD)" [Sony SICP 2250-2]

Disc I:
1. Beyond Here Lies Nothin' 2. Life Is Hard 3. My Wife's Home Town 4. If You Ever Go To Houston 5. Forgetful Heart 6. Jolene 7. This Dream Of You 8. Shake Shake Mama 9. I Feel A Change Comin' On 10. It's All Good

Disc II:
Theme Time Radio Hour is hosted by Bob Dylan
Tonight's Episode: Freinds & Neighbous

DVD
Roy Silver - The Lost Interview

Bob Dylan の新作。
大好きな Bryan Ferry が,Dylan のカバー集 "Dylanesque" をリリースしたことをきっかけに,Dylan の過去の作品を中古ショップなどでボツボツと発掘してきて,やっと,リアル・タイムでの新作に追いつくことができた・・・。

前作の "Modern Times" で,"Rollin' And Tumblin'" なども含めて All Songs Written by Bob Dylan とクレジットして顰蹙を買ったためか,今回はストーンズもカバーしている "I Just Want To Make Love To You" を改作した "My Wife's Home Town" には Willie Dixon のクレジットがある。
Bob Dylan - My Wife's Home Town @ Youtube

しかし,1曲目の "Beyond Here Lies Nothin'" も Otis Rush "All Your Love" の改作としか聴こえない・・・(^_^;)
Bob Dylan- Beyond Here Lies Nothin' (Together Through Life) @ Youtube
OTIS RUSH - All Your Love @ Youtube
もちろん,その曲にはさらに Jody Willimas "Lucky Lou" という元ネタがあって,Johnny Jones のバンドがカバーしているバージョンがあり,「タンタ,タララララ」というリフは,Sam Cooke "Summer Time" の Keen バージョンでも聴けるのだが・・・。
Summertime/Sam Cooke- Keen Records @ Youtube

結局のところ,Willie Dixon にしたところで,これを自作としてしまうのは図々しいわけで・・・(^_^;)
今回の Dylan の新作には,Special thanks to the estate of Willie Dixon というクレジットもある。この "estate" という表現は強烈な皮肉のようにも思えるが・・・?
まあ,恥を知らない Led Zeppelin に比べると,よっぽどマシか・・・(^_^;)

ほかにも,元ネタが思い浮かぶような曲はいくつかあるが,個人的に最も気になるのは Sam Cooke "A Change Is Gonna Come" のアンサー・ソングのようにも聴こえる ↓
Bob Dylan- Feel A Change Comin' On (Together Through Life) @ Youtube

Disc II には,Rolling Stones "Neibors" も収録されているけれども,Disc Jockey としての Bob Dylan が聴きもの。どの程度の放送原稿を元にしゃべっているのだろう・・・?

この CD がチャートで1位を記録したというのは,不思議な気がする。いったいどういう人がこれを聴いて楽しんでいるのだろう?
ヒットするということ,ポップであるということ・・・を改めて考えさせてくれるアルバムだった。
2009年7月5日 19時39分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2009 |
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2009年07月04日(土)
Google Analytics 集計
昨年末から,Google Analytics という無料のアクセス解析ツールを利用していて,これが結構おもしろく,多少は更新の励みになっている。6月に入って,また元のペースに戻ってしまったが・・・(^_^;)

2009年上半期(2009/01/01〜2009/06/30) の集計は,以下の通り。
*ベージビュー数・・・18,827
*セッション数・・・・13,332
*ユニークユーザー・・・4,987
「ページビュー」というのは文字通りの意味で,ブラウザでページが表示された回数。「セッション」は,このブログを見始めてから見終わるまでの1回の訪問。1セッションあたり1回のページビューというのがほとんどだが,1セッションで30ページビューというアクセスもあった。「ユニークユーザー」は,期間内に訪れた重複のない実際の人数。

Google Analytics の「ベンチマーク」による「同様のサイズのサイトすべて」との比較では,惨憺たる結果なのだけれども,扱っている内容が内容なので,まあこんなもんかな・・・と・・・(^_^;)

トップ・ページ以外のタイトル別のコンテンツで,ページビュー([ ]) が多かったのは,↓
2009年7月4日 09時38分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| CHEAP TALK |
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2009年07月02日(木)
Lattimore Brown "Nobody Has To Tell Me"
Lattimore Brown "Nobody Has To Tell Me" [Soulscape SSCD7018]

1. I'm Not Through Lovin' You 2. I've Got Everything (My Baby Needs) 3. I Know I'm Gonna Miss You 4. Little Bag Of Tricks 5. It's Such A Sad, Sad World 6. Shake And Vibrate 7. Cruise On, Fanny (Cruise On) 8. Nobody Has To Tell Me (You Were Meant For Me) 9. It's Gonna Take A Little Time 10. Please, Please, Please
11. Otis Is Gone (Parts 1&2) 12. So Says My Heart
13. Every Day I Have To Cry Some
14. Don't Trust No One 15. Bless Your Heart (I Love You) 16. Boo Ga Lu Sue 17. It Hurts Me So Bad
18. I Wish I Felt This Way At Home
19. Yak-A-Poo
20. Sweet Desiree
21 I Will

Sam Cooke にカバーされた "Somebody's Gonna Miss Me" を作って歌い,"Otis Is Gone" という,Otis Redding の追悼曲を歌っているシンガー。

● Lattimore Brown "Little Box Of Tricks" [AIM 1507] -2006
以前この時代の楽曲が CD 化されたことはあるが, ↑ に比べると−1+5曲。
−1 はおそらく 4. と同じテイクのモノ・バージョンなので,これから初めて Lattimore Brown を聴くという人には,圧倒的にコチラの CD をオススメしたい。

+5 は,『楽ソウル』 pp.20-21 で紹介されていた,Renegate 時代のシングル曲と,なぜか AIM の CD には収録されていなかった Arthur Alexander "Every Day I Have To Cry Some"

ライナー(John Ridley, Red Kelly) も充実していて,録音場所やミュージシャン,再発見の際のエピソードなど,おもしろい話が満載なので,AIM の CD を持っている人にもオススメ。
He[Lattimore Brown] remembers listening to the King Biscuit Hour and the Grand Ole Opry on the radio and singing gospel in a local church group....
ラジオで Blues と Country を聴き,教会で Gospel を歌うというのは,当時の R&B/Soul singer に共通の経験だったようだ。


これで,この Lattimore Brown の作品も,ほとんどが CD で手軽に楽しめるようになった。
● V.A. "Ernie's Record Mart" [EXCELLO/ace CDCHD 684]
 [Zil 9005, 1960] - "It Hurts Me So" / "Get Plenty Troubles"
 [Zil 9006,1960] - "Chick Chick Chicky Chick" / "Always My Love"
 [Excello 2196, 1961] - "Somebody's Gonna Miss Me" / "Darling Dear"

● V.A. "The Rich Records Story: Music City, Motor City & The Big Easy" [SPV 49742 CD]
 [Duchess 1002, 1961] - "Teenie Weenie" / "Night Time Is The Right Time"
 [Duchess 1007, 1961] - "What Have I Done Wrong" / "Only I Can Tell The Story"
 [Duchess 1015, 1962] - "Say What" / "A Mistaken Prayer"

● Lattimore Brown "Nobody Has To Tell Me" [Soulscape SSCD7018]
 [SS7 2553, 1965] - "I'm Not Through Lovin' You" / "I've Got Everything (My Baby Needs)"
 [SS7 2562, 1965] - "I Know I'm Gonna Miss You" / "Little Bag Of Tricks"
 [SS7 2575, 1966] - "It's Such A Sad Sad World" / "Shake And Vibrate"
 [SS7 2586, 1967] - "Cruise On Fannie (Cruise On)" / "Nobody Has To Tell Me"
 [SS7 2598, 1967] - "It's Gonna Take A Little Time" / "Please Please Please"
 [SS7 2606, 1967] - "Otis Is Gone Part 1" / "Part 2"
 [SS7 2616, 1968] - "So Says My Heart" / "Everyday I Have To Cry Some"
 [Seventy-Seven 77-106LP, 1977]
  "Don't Trust No One" / "Bless Your Heart" /"Boo Ga Lou Sue" / "It Hurts Me So Bad"
 [Renegade 101, 1970] - "Yak-A-Poo" / "I Wish I Felt This Way At Home"
 [Renegade 1201,1970] - "Sweet Desiree" / "I Will"

● V.A. "Curiosities - The Ace (Ms.) 70s Singles & Sessions (2 CDs)" [WestSide WESD 208]
 [Ace 3012, 1975] - "Warm And Tender Love" / "You Don't Know Like I Know"

"THE !!! BEAT" 出演時の映像も DVD 化されている。口パクの曲もあるが・・・(^_^;)
[SHOW 3]
 3. I Got You 4. I'm Not Through Loving You
 9. What'd I Say - with Etta James, Esther Phillips, Roscoe Shelton & Gatemouth Brown
[SHOW 16]
 7. I Know That I'm Gonna Miss You 8. Treat Her Right
[SHOW 19]
 8. Little Bag Of Tricks
2009年7月2日 20時00分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2009 / BEST 10 CDs in 2009 |
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