Rod Stewart "Atlantic Crossing"
Rod Stewart "Atlantic Crossing [Collector's Edition] (2 CDs)" [Warner Bros. 8122 79868-4]
Disc I:
1. Three Time Loser 2. Alright for an Hour 3. All in the Name of Rock 'N' Roll 4. Drift Away 5. Stone Cold Sober 6. I Don't Want to Talk About It 7. It's Not the Spotlight 8. This Old Heart of Mine 9. Still Love You 10. Sailing
11. Skye Boat Song - The Atlantic Crossing Drum & Pipe Band
Disc II:
[Studio Outtake] 1. To Love Somebody 2. Holy Cow 3. Return to Sender
[Alternate Version] 4. Three Time Loser 5. Alright for an Hour 6. All in the Name of Rock 'N' Roll 7. Drift Away
8. Too Much Noise [Early Version of "Stone Cold Sober"]
[Alternate Version] 9. I Don't Want to Talk About It 10. It's Not the Spotlight 11. This Old Heart of Mine (Is Weak for You) 12. Still Love You 13. Sailing 14. Skye Boat Song
Rod Stewart のソロ第6作(1975) の Collector's Edition 。
Mercury から Warner Bros. へレーベルを移籍しただけでなく,アルバム・タイトル通り,大西洋を横断してアメリカで録音されたアルバム。
● "Reason To Believe: The Complete Mercury Studio Recordings (3 CDs)" [Mercury UICY-1216] -2002
Mercury 時代の楽曲は,↑ にまとめられているが,この "Atlantic Crossing" は,スタジオだけでなくバックで演奏するミュージシャンも総入れ替えしてレコーディングが行われている。
Disc I: 11. や Disc II: 14. に追加されているのは,バグパイプのバンドによる演奏をバッグに Rod が歌っている曲。せっかく大西洋を横断してアメリカへ行ったのに,またスコットランドに戻っている・・・?
Disc II: 1. は以前 ↓ に収録されたことがあるが,今回はストリングスがダビングされたバージョン。
◎ "Storyteller: The Complete Anthology 1964-1990 (4 CDs)" [WARNER WPCP-3510] -1990
新しいライナーノート(Sean Egan) によると,Tom Dowd をプロデューサに迎えたこのアルバムの録音は,Outtake として収録されている3曲から始まったのだそうだ。
Otis Redding や Arthur Conley, Wilson Pickett, Aretha Franklin にあこがれていた Rod のために Tom Dowd が用意したのは,The MG's の3人(Steve Cropper, Duck Dunn, Al Jackson 。ライナーでは Booker T. は含まれていなかったような書き方をしている。それらしきオルガンが聞こえるのだが?)。ところが,Los Angeles の Clover というスタジオで行われたセッションで,Rod が Steve Cropper 以外のメンバーの演奏に満足しなかったため,次に Tom Dowd が連れて行ったのが,Muscle Shoals Sound 。そのリズム・セクションを Rod が気に入ったことで,基本的なトラックのほとんどがそこで録音されたようだ。オリジナル・アルバムには,ほかに New York, Miami, Los Angeles, Memphis などのスタジオがクレジットされていたが,それらは主にストリングスやホーンなどをダビングするために使用されたらしい。曲によっては,ボーカル以外のほとんどが録音し直されたのではないかと思われるものがあるが・・・?
当時の Muscle Shoals のハウス・バンドは,Barry Beckett, Jimmy Johnson, David Hood, Roger Hawkins にリード・ギターは Pete Carr 。 Rod は特に Barry Beckett(先月,亡くなったらしい・・・R.I.P.) のアレンジャーとしての能力を高く評価していたそうだ。
結局,MG's とのセッションで録音された曲は,"This Old Heart Of Mine" が完成されてアルバムに収録された以外は,未完成のままお蔵入りしてしまう。今回初めて聴いた Lee Dorsey "Holy Cow" と Elvis Presley "Return To Sender" のカバーは確かにもう一つだけれども,Bee Gees が Otis Redding のために書いたという "To Love Somebody" の出来はそれほど悪くないのでは・・・?
アルバムとしてリリースされた曲の中では,当時 Faces とのツアーにサポート・メンバーとして参加していた Jesse Ed Davis との共作曲 "Alright For An Hour" や Steve Cropper との共作曲 "Stone Cold Sober" などオリジナル曲も素晴らしいけれども,それ以上の仕上がりなのが,カバー曲。何よりもまず選曲そのものが,いい。
● Dobie Gray "Drift Away: His Very Best" [Razor & Tie RE 2112-2] -1996
Dobie Gray "Drift Away" は,Neville Bros. やストーンズも歌っている名曲。
drift away-Dobie Gray @ Youtube
DRIFT AWAY [BY THE NEVILLE BROTHERS] @ Youtube
The Rolling Stones "Drift Away" @ Youtube
◎ Crazy Horse "Crazy Horse" [Reprise 1657504] -1971
Danny Whitten が書いた Crazy Horse "I Don't Want To Talk About It" は,ドラッグにまみれて死んでしまうような人間が作った歌だとはとても思えないほど,美しいラブソング。原曲でスライドを弾いているのは Ry Cooder,Rod のバージョンのスライド・ギターは Jesse Ed Davis。
◎ Gerry Goffin "It Ain't Exactly Entertainment (2 CDs)" [Air Mail Recordings AIRAC-1009] -2001
● 浅川マキ "灯ともし頃" [東芝EMI TOCP-6933]
"It's Not The Spotlight" は,作者の一人である Gerry Goffin も Muscle Shoals で録音している。浅川マキ with つのだ☆ひろ の日本語バージョンもある。
Gerry Goffin - It's Not The Spotlight @ Youtube
Maki Asakawa 浅川マキ - それはスポットライトではない @ Youtube
◎ Isley Brothers, The "This Old Heart Of Mine / Soul On The Rocks" [MOTOWN 017190-2] -2002
The Isley Brothers "This Old Heart Of Mine" は,ここではちょっとテンポを落として歌われているが,この15年後に Ronald Isley とデュエットしたアップテンポのバージョンもある。
This old heart of mine - Rod Stewart @ Youtube
Sutherland Brothers "Sailing" のカバーは,アルバム全体の締め括りとしては,これくらい仰々しいのもアリかな・・・とは思うが,この1曲だけを取り出して聴きたくなることは,ほとんど無い。感動的な名曲ではあるが・・・。
この後,Rod Stewart はアメリカに腰を落ち着け,ヒットを連発し続けるが,そのポップ過ぎる路線は,古くからのファンにしてみれば,軟弱としか思えないものだった。
この Collector's Editon のライナーには,
Some of his original fans did not like the change at all, but they were in a minority: Stewart proceeded to become more successful than ever.
とある。
自分自身が minority であることは,このブログのアクセスがたいして増えないことからも,十分自覚しているが・・・(^_^;)
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2009年7月9日 22時44分
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ぼくも ROM ってばかりで,コメントをつけることがほとんど無いのですが・・・・(^_^;)
"It's Not The Spotlight" は,このブログで最初の頃よくコメントを付けてくれていた「南部スレ1さん」に紹介してもらった Electric Flag で Buddy Miles が歌うバージョンがずっと気になっていて,中古ショップでのチェック・リストに入っております。
マッスル好きなロックオヤジでレス/アクセス無しのブログをしこしこやってますが、キム・カーンズのテイクを、imeemで入れてます。これも完璧なマッスル録音です。
http://whink.seesaa.net/article/121919104.html
↓ のページを書いておられる方ですね。
"Pete Carr/ Muscle Shoals Archives"「ピートとマッスル」
http://www.whink.net/denny/pete/index.html
↑ のページは,以前から非常に参考にさせていただいておりました m(_ _)m
"It's Not The Spotlight" は,もう一人の作者である Barry Goldberg のアルバムが久しぶり(?) に CD 化されましたね。
○ Barry Goldberg "Baryy Goldberg" [Micro Werks ]"
http://www.amazon.co.jp/Barry-Goldberg/dp/B0028SVQB4/
曲順が変更されているだけでなく,ボーナス・トラックも追加されているようなので,楽しみです。"Soothe Me" とあるのは,Sam Cooke のとは別の曲のようですが・・・(^_^;)
バリーのCD、2曲のボートラが気になります。しかしジャケのタイトル(ネーム)が大きくなっているのに違和感は残りますね。その前に、上記ロッドのdeluxe edition、知りませんでした。即注文しました。ご教示いただき深謝です。
"Atlantic Crossing" だけでなく,"Night on the Town" も Collector's Edition がリリースされてます。そちらは未入手ですが,クレジットは無いものの,たしかに Pete Carr のようなギターが聴こえますよね。