ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年12月29日(土)
In The Studio
O.V. Wright "The Complete O.V. Wright On Hi Records, Vol.1: In The Studio (2 CDs)" [Hi/Cream HEXD 47]

Disc 1
1. Rhymes
2. Without You

Disc 2
[Bonus demo tracks]
10. A Fool Can't See The Light
11. I'm Gonna Be A Big Man Someday

O.V. Wright が Hi Records に所属していた1976〜9年の間にリリースされた3枚のアルバム(Disc 1: "Into Something (Can't Shake Loose)" + "The Bottom Line" Disc 2: "We're Still Together") に,シングルのみだった曲(Disc 1: 1. 2.) とボーナス・トラック(Disc 2: 10. 11.) を追加して CD 化されたアルバム。

http://www.amazon.com/Complete-O-V-Wright-Records-Vol/dp/B00000JWSI/
↑米アマゾンには在庫もあるようなのに,日アマゾンでは取り扱われていない。コード(B00000JWSI) は世界共通のはずではなかったか?

この "The Complete 〜 On Hi Records" のシリーズのうち,Otis Clay も 米アマゾンだけらしい。Ann Peebles や Syl Johnson,Quiet Elegance は日アマゾンでも扱われているのに,なぜなんだろう?
● Otis Clay "The Complete Otis Clay On Hi Records (2 CDs)" [Hi/Cream HEXD 49]
http://www.amazon.com/Complete-Clay-Hi-Records-Otis/dp/B00004S2QY/

● Ann Peebles "The Complete Ann Peebles on Hi records Vol.1: 1969-1973 (2 CDs)" [Hi/Cream HEXD 55]
● Ann Peebles "The Complete Ann Peebles on Hi records Vol.2: 1974-1981 (2 CDs)" [Hi/Cream HEXD 56]

◎ Don Bryant "The Complete Don Bryant on Hi Records (2 CDs)" [Hi/Cream HEXD 50]
◎ Syl Johnson "The Complete Syl Johnson on Hi Records (2 CDs)" [Hi HEXS 51]
● Quiet Elegance "The Complete Quiet Elegance on Hi Records" [Hi/Cream HILO 185]


今のところ,Hi 時代のスタジオ録音の編集盤 CD として入手しやすいのは,↓ くらいのようだ。
◎ O.V. Wright "That's How Strong My Love Is" [Hi/Cream HI UK CD 108]

1. Into Something (Can't Shake Loose)
2. I Feel Love Growin'
3. Precious Precious
4. The Time We Have
5. You Gotta Have Love
6. Trying To Live My Life Without You
7. Medley: God Blessed Our Love / When A Man Loves A Woman / That's How Strong My Love Is
8. The Bottom Line
9. I Don't Do Windows
10. That's The Way I Feel About Cha'
11. Your Good Thing Is About To End
12. Let's Straighten It Out
13. I Don't Know Why
14. No Easy Way To Say Goodbye
15. A Little More Time
16. Since You Left (These Arms Of Mine)
17. A Long Road
18. Rhymes
19. A Fool Can See The Light
20. I'm Gonna Be A Big Man

1.〜 7. が "Into Something (Can't Shake Loose)",8.〜 17. が "The Bottom Line" で,3枚目の "We're Still Together" が1曲も収録されていないが,シングルの片面と当時は未発表だったボーナストラック2曲が追加されている。


2007年12月29日 08時50分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/563/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年12月28日(金)
O.V. Wright Live
O.V. Wright "O.V. Wright Live" [Sony/Cream SRCS 6558]

1. I'd Rather Be Blind Crippled And Crazy (5:32)
2. Ace Of Spades (3:51)
3. Eight Men And Four Women (4:15)
4. Precious Precious (6:35)
5. Love And Happiness (6:56)
6. God Blessed Our Love (6:41)
7. When A Man Loves A Woman (2:34)
8. That's How Strong My Love Is (4:41)
9. You're Gonna Make Me Cry (2:09)
10. Into Something (Can't Shake Loose) (7:25)

1979年9月に東京で行われたコンサートを録音したアルバム。1992年に CD 化された日本盤で,解説(森島繁美) と歌詞・対訳(竹田幸可) が付いている。歌詞にはモノローグや MC の部分も掲載されているのがありがたい。
"God Blessed Our Love" の冒頭部の語りには,スタジオ録音には無い以下のような部分が追加されていた。
... While she's looking toward heaven, I'm trying to ease my hand in her pocket book. That's the only way I can get some money from her. Because oh little sister is sure stingy.
O.V. Wright は決して聖人君子などではなくドラッグの常習者だったというのは有名な話だし,その売買や窃盗の罪などでも警察のお世話になったことがあるらしいが・・・(^_^;)
Charles Neville は,O.V. や Clarence Carter,Johnnie Taylor のツアーにサイドマンとして加わっていたとき,O.V. に曲を盗まれたと言っている。(『魂の宿る街ニューオーリンズから―ネヴィル・ブラザーズ自伝』p.355)

この CD は,既に廃盤になってしまっているが,現時点でも ↓ の輸入盤で聴くことができる。
◎ "The Complete O.V. Wright On Hi Records, Volume 2: On Stage (Live In Japan)" [Hi/Cream HILO 169]

日本盤 CD とは違って,6. 〜 9. までのメドレーが1つのトラックにまとめられていたり,各トラックの長さが微妙に異なっていたりするが,内容は同じのようだ。
ただ,ジャケットは日本盤の写真(Kinichi Nishimura) の素晴らしさには遠く及ばない。裏ジャケに使われていた,スポットライトの逆光に浮かぶ O.V. の後ろ姿をとらえた写真も印象深いものだった。

英文ライナー(Dennis Lyons) には,日本の聴衆について,an appreciative audience that may not always have understood the words, but who obviously felt the feeling と書かれている。たしかに,"God Blessed Our Love" のモノローグに付け加えられた・・・同棲中の女性に毎晩お祈りをさせ,そのスキに彼女の財布からお金を抜き取る・・・というような部分をその場で聞き取って理解できたオーディエンスはほとんどいなかっただろうし,ぼくも気がつかなかった。ただ,それでも,そのメドレーの最後に追加された "You're Gonna Make Me Cry" を聴きながら,あぁ,それはコッチのセリフだよ,O.V.。アンタがオレを泣かすんじゃないか・・・などと思いながら流した涙を後悔することは無い。あの Archie Brownlee 師でさえ,酒に溺れて体を壊してしまうような人間 だったわけだし・・・。
もちろん,だからと言って,酒やドラッグに逃避することが決して良いことだとは思わないが・・・(^_^;)

このライブで,今でも記憶に残っているのは,ドラムの近くにいたホーンセクションの一人がドラマーの方を向いて「走るなよ!」という風にタクトを振るような仕草をしていたこと。当時は,大好きな Howard Grimes に対して何をえらそうに指図しているのだと,そのホーン・プレイヤーに腹が立ったことをよく覚えている。しかし,残された録音を冷静な耳で聴いていると,ナマ特有の荒々しさとは別に,わずかではあるがもたつきがあったり,間を持たせるためか,妙に手数が多いように感じてしまうことも確か。
ただし,リズム面での多少のもたつきがあっても,サウンド全体としては,当時の Hi がストリングスやコーラスなどの過剰な装飾が加えられて甘ったるくなりすぎていたのに比べるとはるかにシンプルで,好感が持てる。

Hi の看板スターだった Al Green を初め,O.V. や Otis Clay も,この時代のライブ録音が日本だけで行われたのはなぜだろう?
Willie Mitchell は,アラの目立つライブを録音してリリースするのを嫌うほど,完璧主義者だったのだろうか?

2007年12月28日 23時40分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/562/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年12月22日(土)
Soul Classics
O.V. Wright "Soul Classics: original backbeat recordings" [Back Beat/MCA UICY-1186]

1. Don't Let My Baby Ride
2. I Was Born All Over
3. Ace Of Spades
4. I Can't Take It
5. Afflicted
6. When You Took Your Love From Me
7. A Nickel And A Nail
8. Don't Take It Away
9. I've Been Searching
10. He's My Son (Just The Same)
11. Lost In The Shuffle
12. Please Forgive Me
13. Ghetto Child
14. Eight Men Four Women
15. What Did You Tell This Girl Of Mine
16. What About You
17. Why Not Give Me A Chance
18. I'll Hate Myself Tomorrow
19. Blowin' In The Wind
20. Pledging My Love
21. You're Gonna Make Me Cry
22. He Made Woman For Man
23. Slow And Easy
24. I'm Going Home (To Live With God)

例の O.V. BOX に手が出ず,指をくわえてみているだけしかないソウル・ファンにオススメの CD が,この "Soul Classics" 。
まあ,ぼくは以前に出たボックス・セットを持っているのだが・・・。
◎ "8 Men And 4 Women" [MCA PCD 1451]
◎ "Nucleus Of Soul" [MCA PCD 1452]
● "A Nickel And A Nail - and - Ace Of Spades" [MCA PCD 1453]
◎ "Memphis Unlimited" [MCA PCD 1454]
◎ "Treasured Moments" [MCA PCD 1455]
最近,ベタベタと節操なく貼り付け始めた商品リンクをクリックして注文してくれる人が増えれば買い換えるかもしれないが・・・(^_^;)

この "Soul Classics" は,アマゾンではいくら探しても見つからなかったのだが,"ベスト・オブ・O.V.ライト"というタイトルで登録されていた。
2003年にリリースされた日本編集盤で,解説(鈴木啓志) と歌詞・対訳が付いている。
O.V. Wright の BackBeat 時代の編集盤はほかにもいくつかあるが,この CD では "A Nickel and A Nail - and - Ace Of Spades" と "Memphis Unlimited" のアルバムがほぼ LP の曲順のまま収録されていて,特に "A Nickel 〜" は全曲収められているのが大きな特長と言える。
この2枚のアルバムについては,やはりアナログ時代に耳になじんだ曲順で聴くほうが,落ち着いて楽しめる。
その他のアルバムやシングルのみだった曲も,重要な作品はほぼ網羅されていて申し分の無い選曲。Sam Cooke と共通するレパートリである "Blowing In The Wind" が聴けるのもうれしいところ。

この CD には入っておらずボックスセットに含まれている曲に,"Ace Of Spades" の Melvin Carter バージョンがあるが,かつて日本盤 LP などに収録されていたバージョンについては,既に CD 化されている。
◎ "8 Men 4 Women" [MCA MCAD-20547]
2. Ace Of Spades
ボックスセットにはあと2バージョン収録されているらしい。そのうちの1つは前のボックスセットに収録されていたものと同じはずなので,残る1つが気になるところだが・・・。

新しいボックスセットに追加収録された Goldwax のシングルも,もちろん CD 化済み。
◎ "The Goldwax Story vol. 1" [KENT CDKEND 203]
5. That's How Strong My Love Is
● "The Goldwax Story vol. 2" [KENT CDKEND 225]
19. There Goes My Used To Be

Hi でのシングルも CD 化されているので,わざわざボックスセットに収録する意味が無いような気もするが・・・(^_^;)
◎ "The Complete O.V. Wright On Hi Records, Volume 1: In The Studio (2 CDs)" [Hi/Cream HEXD 47]
Disc 1: 2. Without You


Backbeat 時代の O.V. Wright の編集盤 CD として次にオススメなのが ↓。
◎ "Giant of Southern Soul 1965-75" [Connoisseur VSOP CD 353] -2001

2. Poor Boy
3. Gone For Good
5. Fed Up With The Blues
6. Heartaches, Heartaches
9. I'll Take Care Of You
18. Drowning On Dry Land
19. I'd Rather Be Blind Crippled And Crazy
22. What More Can I Do (To Prove My Love To You)
23. Henpecked Man
24. Nobody But You

全25曲のうち,"Soul Classics" と重複しない曲が10曲収録されている。
この CD はシングル中心の選曲で,ほぼ年代順に曲が並べられているのが特長。チャートのデータも記載されていて,英文ライナー(Ray Ellis) が付いている。


Backbeat 時代の編集盤で最も古いのが ↓。
◎ "The Soul Of O.V. Wright" [MCA MVCM-398]

4. I'm Gonna Forget About You
5. Everybody Knows (The River Song)
7. Don't Want To Sit Down
14. Monkey Dog
17. Motherless Child

収録曲は18と少ないが,上記2枚の CD には含まれていない曲が5曲ある。
手元にあるのは,オリジナルの英文ライナー(Bill Bentley) に日本語解説(二井洋輔) と歌詞が付いた日本盤。


以上,3枚の編集盤 CD と旧ボックスセットに収録された曲目の 簡単なリスト( OVonBB.xls ) を作ってみたので,ご参考までに・・・。
2007年12月22日 08時33分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/561/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年12月20日(木)
Keep Movin' On
Sam Cooke "Keep Movin' On (Hybrid) [SACD]" [ABKCO 95632]

1. Good News
2. Rome (Wasn't Built In A Day)
3. Meet Me at Mary's Place
4. Basin Street Blues
5. Cousin of Mine
6. Tennessee Waltz
7. Falling in Love
8. When a Boy Falls in Love
9. Good Times
10. Shake
11. Yeah Man
12. It's Got the Whole World Shaking
13. The Riddle Song
14. I'm Just a Country Boy
15. Try a Little Love
16. There'll Be No Second Time
17. Another Saturday Night
18. Sugar Dumpling
19. That's Where It's At
20. You're Nobody 'til Somebody Loves You
21. (Somebody) Ease My Troublin' Mind
22. A Change is Gonna Come
23. Keep Movin' On

最近,TV で流れているウルフルズの新しいアルバムの CM を見て,苦笑している Sam Cooke のファンも多いのでは?
そのアルバムのタイトルは,「KEEP ON, MOVE ON」。
そっくりそのままというわけではないが,Sam Cooke のアルバム・タイトルをパクッた? 発売日が Sam Cooke の命日である12月11日の翌日というのも,たまたまか?
ネット上で読めるインタビューではそういう話は出ていないようだけれども,単なる偶然の一致とは思えないのだが・・・。
ウルフルズのトタ松くんと言えば,ソロ・アルバムで Sam Cooke の曲をカバーし,「もしもサム・クックの歌を聴いていなかったら,ぼくはそもそも歌うたいになろうなどとは思わなかっただろう」などと健気なことをことを書いているシンガーなので,天国の Sam Cooke も苦笑いしているのではないか・・・?
● トータス松本 "Traveller" [Capitol TOCT-24938]

Sam Cooke のタイトルを借用するに値する内容かどうか気になる方は,ウルフルズの公式サイトから試聴をしてみてはいかが・・・(^_^;)
http://www.ulfuls.com/


この "Keep Movin' On" は,2001年に通常盤の CD,2003年に SACD[Hybrid] 盤がリリースされたアルバム。
タイトル曲は未発表だったが,この CD に収録されているそのままの形でテープが残されていたそうだ。Sam Cooke の没後 RCA から何枚も編集盤が出されていたのに,それらに収録されなかったのが不思議な曲。イントロから全体に渡ってフルートがフィーチャーされたポップな小品といった感じの曲だが,聴けば聴くほど味わいの増す佳曲。

8. と 15. は,1959年に録音されたボーカル・トラックにオーケストラをオーバー・ダブした曲だけれども,それ以外は,1963〜4年に録音されている。
14. と 18. は,当時 RCA との新しい契約を交渉中だったためか,SAR でのレコーディングに使用していた United Recording スタジオで,Clifton White: Guitar と Earl Palmer: Drums はおなじみだが,Glen Campbell: Guitar,James Bond: Bass,Ray Pohlman: Bass に,Arranger, Conductor は Jimmie Haskell という一味違ったバンドによる録音。
その他は,いつもの RCA のスタジオで,Rene Hall がアレンジのほとんどを担当して録音されている。

1. 2. 3. 6. 7. 9. 13. 17. 22. は,Sam Cooke の生前最後のオリジナル・アルバムである↓に収録されていた曲。
● "Ain't That Good News (Hybrid) [SACD]" [ABKCO 98992]

3. 10. 11. 12. 14. 20. 21. 22. は,Sam Cooke の没後最初に出された編集盤 LP "Shake" に収録されていた曲。( 3. と 22. は,"Ain't That Good News" と重複)


Sam Cooke のファンに一度は試していただきたいのが,1964年3月25日から最後のセッションとなった11月16日までに収録された曲を,録音順に聴くこと。
11. Yeah Man (3月)
20. You're Nobody 'til Somebody Loves You (4月)
21. (Somebody) Ease My Troublin' Mind (4月)
5. Cousin of Mine (8月)
19. That's Where It's At (8月)
10. Shake (11月)
12. It's Got the Whole World Shaking (11月)

ギターに Bobby Womack が参加しているのが,それ以前の録音との大きな違い。
これらの曲を聴いていると,Sam Cooke が,この後作り出そうとしていた音楽が,おぼろげながらでも見えてこないだろうか・・・?


2007年12月20日 22時30分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / CDs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/560/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年12月17日(月)
The Atco Sessions 1969-72
Lulu "The Atco Sessions 1969-72 (2 CDs)" [ATCO/Rhino 8122-79948-8]

イギリス出身のアイドル歌手だった Lulu がアメリカに渡り,1969年に Muscle Shoals で録音し,1970年にリリースされたアルバム "New Routes" が,ついに CD 化された。しかも,Atco での2枚目 LP "Melody Fair" や,シングルのみでリリースされた曲に未発表だった曲まで収録されているという,ありがたい CD 2枚組の Collector's Edition 。
曲目リストと試聴はコチラ ↓ 。
www.woolworthsdownloads.co.uk

Lulu が Atco と契約したのは,当時の夫だった Maurice Gibb の The Bee Gees が Atco に所属していたためではなく American Studios で録音され,Atlantic からリリースされた Dusty Springfield の LP と同じようなアルバムを作りたかったかららしい。
◎ Dusty Springfield "Dusty in Memphis [Deluxe Edition]" [RHINO R2 75580]

Micky Most のポップなプロデュースを嫌い,Ray Charles にあこがれてアメリカにやってきた Lulu だが,デビュー・ヒットが The Isley Bros. の "Shout" だっただけあって,イギリスでもかなりディープな選曲のアルバムを残している。
● Lulu "Most Of Lulu / Lulu's Album" [EMI 7243 5 38850 2 1]

Micky Most と言えば,Jeff Beck に "Love Is Blue"(ポール・モーリアの「恋は水色」) をやらせたことで有名なプロデューサなので,嫌われて当然という気もするが・・・(^_^;)


Disc 1 の 1.〜 11. が,LP "New Routes" というタイトルのアルバムに収録されていた曲。Muscle Shoals Sound Studios で録音され,Personnel として,おなじみの 4人組(Jimmy Johnson,Barry Beckett,David Hood,Roger Hawkins) に加えて,Eddie Hinton,Cornell Dupree,Duane Allman というギタリストがクレジットされている。
Jerry Wexler,Tom Dowd,Arif Mardin という Atlantic の重鎮三人がかりのプロデュースで,曲によって追加されている豪華なストリングスや分厚いホーン・セクションは,クレジットは無いが,おそらく New York でダビングされたと思われる。
ホーンとラテン系のパーカッションが加わったファンキーな,5. Feelin' Alright で聴ける,おそらく Cornel Dupree のギターも New York でオーバーダブされたのでは・・・?

6. Dirty Old Man は,Duane Allman の "Anthology" に収録されており,Duane Allman がギターを弾いていることははっきりしているが,それ以外に Duane が参加しているのは,11. だけのようだ。1. や 9. などのスライド・ギターはおそらく Eddie Hinton で,Eddie はほかにもアコギなども担当しているはずで,ライナーには Eddie も含めた5人組が Muscle Shoals Rhythm Section の The main quintet として紹介されている。
その Eddie Hinton がソング・ライティングにも参加しているのは,3. と 10. の2曲。10. Where's Eddie は,Bonnie Bramlett の熟女バージョンが,↓ に収録されている。
● V.A. "Testifying - The Country Soul Revue" [CASUAL LOUPE009CD]

"New Routes" というアルバム全体を通して聴くと,三人がかりでプロデュースしているためか,散漫な印象を受けてしまう。良く言えば,バラエティーに富んでいるとも言えるわけだが・・・(^_^;)


2枚目のアルバムだった "Melody Fair" には,ホーン(5人編成の The Memphis Horns) やコーラス(The Sweet Inspirations など) のクレジットがあり,すべて Miami の Atlantic South-Criteria Studios で録音されたようだ。こちらも Atlantic の重鎮三人がかりのプロデュースで,"New Routes" に比べるとまとまりが感じられるが,シングルカットされた Bee Gees の "Melody Fair" の B 面が Doris Duke のカバー "To The Other Woman (I'm The Other Woman)" であることからも想像できるように,もう一つ的が絞りきれていないような印象は否めない。結局,このアルバムもたいしたセールスをあげることは出来ず,Lulu と Atco の契約が延長されることはなかった。

↓ の CD には,14. I Don't Care Anymore と 20. To The Other Woman のオリジナルが収録されている。
● Doris Duke "I'm A Loser: The Swamp Dogg Sessions and More" [KENT CDKEND 242]

"Melody Fair" で演奏をしている Rhythm Section は,The Dixie Flyers 。
'60 年代末に Sounds Of Memphis スタジオのハウス・バンドだった5人のミュージシャン(Jim Dickinson, Charlie Freeman, Mike Utley, Sammy Creason,Tommy McClure) を Jerry Wexler が引き抜いて Miami まで連れて来たわけだが,彼らが録音に参加しているアルバムとしては,↓ が紹介済み。
● Bettye Lavette "Take Another Little Piece Of My Heart" [Varese Sarabande 302 066 708 2]
● Esther Phillips "The Country Side of Esther Phillips/Set Me Free" [Collectables COL-CD-6841]

もちろん,Aretha Franklin のバックでも演奏していて,その "Spirit in the Dark" セッション時のアウトテイク "My Way" が ↓ にも収録されていた。
◎ Aretha Franklin "Rare & Unreleased Recordings from The Golden Reign of The Queen of Soul (2 CDs)" [Atlantic/Rhino 8122-79970-3]
ちなみに Aretha は,この次のアルバム "Young, Gifted and Black" で,Lulu の "Oh Me Oh My (I'm A Fool For You Baby)" をカバーしている。

The Dixie Flyers は,この後 Miami から Los Angeles へ向かい,最初のソロ・アルバムをリリースしたばかりの Rita Coolidge のツアーバンドとして雇われ,2作目のスタジオ録音にも参加することになる。


Disc 2 には,シングル盤のみでリリースされた曲や未発表だった曲が収録されている。大半が The Dixie Flyers による演奏で,こちらも聴き応え十分。


Lulu の公式サイト の Biography には,James Brown の次のようなコメントも掲載されているので JB のファンも一度聴いてみてはいかが・・・?
The first time I heard you sing, Lulu, I knew we were born in the same pond.
2007年12月17日 21時35分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/559/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年12月11日(火)
Shake, Rattle & Roll
Arthur Conley "Sweet Soul Music / Shake, Rattle & Roll" [Collectables COL-CD-7632]

1. Sweet Soul Music
2. Take Me (Just As I Am)
3. Who's Foolin' Who
4. There's A Place For Us
5. I Can't Stop (No No No)
6. Wholesale Love
7. I'm A Lonely Stranger
8. I'm Gonna Forget About You
9. Let Nothing Separate Us
10. Where You Lead Me
11. Shake, Rattle & Roll
12. I've Been Loving You Too Long (To Stop Now)
13. Love Got Me
14. A Change Is Gonna Come
15. Hand And Glove
16. Ha! Ha! Ha!
17. You Don't Have To See Me
18. Baby What You Want Me To Do
19. I'll Take The Blame
20. Keep On Talking

Arthur Conley の1枚目のアルバム "Sweet Soul Music"(1.〜 10.) と2枚目 "Shake, Rattle & Roll"(11.〜 20.) を2on1にした CD 。どちらもリリースされたのは1967年。"Sweet 〜" のほうはリマスターされた単独の日本盤 CD もあるが,"Shake, 〜" の全曲が聴けるのは,この CD だけのはず。
この CD には,All songs (1-20) produced by Otis Redding というクレジットがあるけれども,3. 7. などの Stax 録音は Jim Stewart,2. 5. などの Fame 録音は Rick Hall がプロデュースしたようだ。11. 以降の "Shake, 〜" に収録されている曲は,すべて Jimmy Johnson がエンジニアの Fame 録音で Otis のプロデュース。

2. Take Me (Just As I Am) は1966年10月3日の録音らしいのだが,やはり Spencer Wiggins よりも後に録音されたのだろうか? この Arthur Conley のバージョンは,Spencer やヒットした Solomon Burke のバージョンに比べると,少々迫力に欠けるかもしれないが・・・(^_^;)


Arthur Conley は,Sam Cooke になりたかった Otis Redding が Sam Cooke のように育てようとしたシンガー。声質や歌唱法においては,師匠である Otis よりもはるかに Sam に近い。
Arthur Conley のレパートリには,この CD に収録されている曲以外にも Sam Cooke のレパートリ(自作でないものも含む) と共通する曲がかなりある。

● "Sweet Soul Music: The Best Of Arthur Conley" [Ichiban/soul classics SCL 2105-2]
7. Let's Go Steady
10. A Whole Lotta Woman
13. Get Yourself Another Fool
20. They Call the Wind Maria

● -- & The Sweaters "Recorded LIVE in Amsterdam" [Blue Shadow WBB-003]
2. You Send Me
6. Another Saturday Night
7. Twisting The Night Away
11. Bring It On Home To Me
12. (What) A Wonderful World
14. A Change Is Gonna Come
↑ と同梱の DVD には,"Nothing Can Change This Love" をピアノ弾き語りで歌う場面も収録されていた。

◎ V.A. "Atlantic Unearthed: Soul Brothers" [Atlantic/Rhino R 77625]
4. Rome (Wasn't Built In A Day)
↑ 1967年に Fame で録音されたが未発表だった曲。


2007年12月11日 00時12分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/558/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年12月09日(日)
Having A Party featuring Louis Williams
The Ovations "Having A Party featuring Louis Williams" [POLYDOR/P-Vine PCD-1203]

1. "Having A Party" Medley
2. Your Love Is Like A Song To Me
3. Born On A Back Street
4. Touching Me
5. My Nest Is Still Warm(My Bird Is Gone)
6. You Send Me
7. Under The Banana Tree
8. Don't Look Back
9. I Can't Believe It's Over
10. A Change Is Gonna Come
11. Don't Say You Love Me
12. I'm In Love
13. Just Too Good To Be True

1973年に MGM からリリースされたアルバムに,シングル盤のみで発売されていた3曲(11.〜 13.) をボーナストラックとして追加した CD 。日本語解説(鈴木武彦) 付き。
The Ovations featuring Louis Williams と表示してあるように,ほとんど Louis Williams のソロ・アルバム。

Sam Cooke のソックリさんとして定評のある Louis Williams だが,Sam Cooke を直接カバーした曲は少なく,このアルバム中の3曲(1. 6. 10.) 以外には,MGM での前作 "Hooked On A Feeling" に ゴスペル時代のカバー "Medley: Were You There / Touch The Hem Of His Garment" があるくらい・・・?
DVD だと,"The !!! Beat Vol.6" に Otis Redding の紹介の後に歌う "Twisting The Night Away" が収録されている。

ただし,Sam Cooke 調の曲となると,このアルバム中の "Touching Me" を初めとして数え切れない・・・(^_^;)
6. You Send Me の途中,「オレは Sam Cooke じゃない。オレはオレの歌い方で歌う・・・」と言った後の歌い方も,どうしようもなく Sam Cooke ・・・。

録音は,Sounds of Memphis スタジオで Hi のミュージシャンを使って行われており,Mabon Hodges のギターがなかなかの "A Change Is Gonna Come" も悪くはないが,このアルバムのハイライトはやっぱり 1. "Having A Party" Medley 。
プロデューサである Dan Greer が,Goldwax 時代に George Jackson とのコンビで発表した "Good Times" と同様のスタジオ・ライブ風のアレンジが決まりすぎるくらいに決まっていて,素晴らしい。
● George & Greer: V.A. "The Goldwax Story vol. 2" [KENT CDKEND 225]


8. Don't Look Back は,Mick Jagger が Peter Tosh と歌っているバージョンが最近 "The Very Best Of Mick Jagger" に収録されたが,オリジナルはもちろん The Temptations 。
12. I'm In Love は,Bobby Womack 作の Wilson Pickett の曲とは,同名異曲。解説によると,11.と 12. は,Quin Ivy がらみの Muscle Shoals 録音らしい。

この CD は廃盤になっているが,Barbara & The Browns の Sounds Of Memphis 時代の録音を CD 化してくれた英 KENT が,"Hooked On A Feeling" との2on1に未発表曲も追加して CD 化してくれることを期待したい。


Louis Williams がこの後 XL からリリースした楽曲は,"Sweet Thing" [XL/Vivid VSCD-016] として CD 化されている。ただ,それ以降は日本公演を行ったりもするが表舞台からは消え,Bobby Womack のアルバムにゲスト・ボーカルとして参加したのが最後・・・?
◎ Bobby Womack "resurrection" [Pony Canyon PCCY-00686]
4. Don't Break Your Promise (Too Soon)

その曲でギターを弾いているのは,Keith Richards と Ronnie Wood で,ドラムは Charlie Watts 。Louis Williams の声は少ししか聴くことができず,主に Bobby Womack とからむボーカルは,Rod Stewart 。


2007年12月9日 11時51分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/556/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月27日(火)
A Change Is Gonna Come
Solomon Burke "A Change Is Gonna Come" [ROUNDER CD 2053]

1. Love Buys Love 2. Got To Get Myself Some Money 3. Let It Be You And Me 4. Love Is All That Matters 5. Don't Tell Me What A Man Won't Do For A Woman
6. A Change Is Gonna Come
7. Here We Go Again 8. It Don't Get No Better Than This
9. When A Man Loves A Woman

1986年に Rounder からリリースされたアルバム。プロデュースは Scott Billington と Solomon Burke 自身。バックのバンドは全曲共通で,Dr.John や Neville Bros. などのアルバムにも参加している New Orleans の腕利きのスタジオ・ミュージシャン。

"A Change Is Gonna Come" は7分33秒もの長尺バージョン。シンプルで単調なリズムをバックにボソボソとつぶやくような歌い方が延々と続くアレンジで,いささか盛り上がりに欠ける。アルバム・タイトルになっているが,全体の構成からすると,中休みにしか聴こえない・・・(^_^;)

● Solomon Burke "Proud Mary-The Bell Sessions" [SUNDAZED SC 11079]
↑ で CD 化された,1970年の Muscle Shoals 録音がゴリゴリのサザン・ソウル仕立てだったのに比べると,個人的には,全く物足りない。

ただし,もう一つのソウル・クラシックである "When A Man Loves A Woman" では,初めからシャウトしまくっていて,聴き応え十分。
その他の収録曲も,Paul Kelly(1. 3.),Dan Penn / Spooner Oldham(4. 8.),Jimmy Lewis(5.) という定評のあるソング・ライターが新作を提供していて,こちらも十分楽しめる。1曲目の 1. Love Buys Love などは,全盛期の '70 年代 Hi Sound を髣髴とさせて,お気に入り。

おもしろいのは,Solomon Burke の自作というクレジットのある2曲(2. 7.)。収録されている曲の中では,この2曲が最も若々しく聴こえる。特に 7. Here We Go Again は,よく出来たゴキゲンな New Orleans Funk の傑作。バンドの連中に好きなように演奏させておいて適当に歌詞を付け,クレジットだけはきっちり自分のものにした・・・のかも・・・(^_^;)

それほど素晴らしいバック・バンドのメンバーは,以下の通り。
Renard Poche - guitars
Craig Wroten - keyboards
David Barard - bass
Herman V. Ernest III - drums and percussion

The Windfall Horns:
Bill "Foots" Samuel - alt, tenor and baritone saxophones
Terry Tullos - trumpet and flugelhorn
Ernie Gautreau - valve trombone

2007年11月27日 22時46分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/555/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月26日(月)
The Voice Of Black America
Various Artists "Change Is Gonna Come: The Voice Of Black America 1963-1973" [KENT CDKEND 270]

1. A Change Is Gonna Come - Otis Redding
2. We're A Winner - The Impressions
3. When Will We Be Paid - The Staple Singers
4. Blues For Mr Charlie Pt 2 - Lou Gossett, Paul Sindab, Joe Lee Wilson & Little Butter
5. Only In America - The Drifters
6. Stay With Your Own Kind - Patrice Holloway
7. The Ghetto - Homer Banks
8. And Black Is Beautiful - Nickie Lee
9. I Don't Want Nobody To Give Me Nothing (Open The Door I'll Get It Myself) Pt 1 - James Brown
10. Message From A Black Man - The Spinners
11. Forty Acres And A Mule - Oscar Brown Jr.
12. Have You Ever Seen The Blues - Yaphet Kotto
13. Oh Lord, Why Lord - Parliament
14. We Are Neighbours - The Chi-Lites
15. I Was Born Blue - Swamp Dogg
16. The Prayer - Ray Scott
17. Cryin' In The Streets Pts 1 & 2 - George Perkins and The Silver Stars
18. Free At Last - Jackie Day
19. George Jackson - J.P. Robinson
20. Run Charlie Run - The Temptations
21. Someday We'll All Be Free - Donny Hathaway
22. The Revolution Will Not Be Televised - Gil Scott-Heron
23. To Be Young, Gifted And Black - Nina Simone

今年,英 KENT/Ace からリリースされたコンピレーション。そのテーマは "The Voice of Black America" 。
アルバムの冒頭を飾り,全体のタイトルにもなっている "A Change Is Gonna Come" は Otis Redding のバージョン。このアルバムを編集しライナーを書いている Tony Rounce は Sam Cooke のオリジナルを使いたかったようだが,We were contractually unable to use Cooke's original recording in this compilation, .... ということなので,例によって Allen Klein が許可しなかったらしい。もちろん,Otis のカバーも Sam のバージョンに勝るとも劣らない出来映えであることは言うまでも無いが・・・。

こういうコンピ盤の楽しみは,耳慣れている曲が前後の曲との関係でいつもとは違った味わいで楽しめることと,新しい出会い・発見があること。
今回は,ラップの元祖のような 11. Forty Acres And A Mule - Oscar Brown Jr. と 12. Have You Ever Seen The Blues - Yaphet Kotto がおもしろかった。しゃぺっている内容がほとんど聞き取れないのは情けないが・・・(^_^;)

掘り出し物として大きな収穫だったのは,7. The Ghetto 。
Homer Banks / Bonnie Bramlett / Bettye Crutcher というクレジットのある曲だが,作者の一人である Homer Banks がギターの弾き語りで歌うデモ・バージョン。収録曲の中で,この CD で初めて公表されたのは,この曲だけ。
Delaney & Bonnie や Staple Singers のバージョンで耳にしていたが,同じタイトルで Donny Hathaway の大名曲があるため,こちらは影が薄いように感じていたのだけれども,この Homer Banks の弾き語りバージョンで,かなりイメージがアップされた。
◎ Delaney & Bonnie "Accept No Substitute" [ELEKTRA/Collector's Choice CCM-283-2]
◎ The Staple Singers "Soul Folk in Action" [STAX/Fantasy SCD-8561-2]

Ace Records の公式サイト で,この CD の Related Releases として紹介されているアルバム(未入手のものがかなりある) はどれも素晴らしいのだが,なぜか ↓ の2枚が抜けている。
◎ V.A. "Vietnam Through The Eyes Of Black America 1966-73: A Soldier's Sad Story" [KENT CDKEND 226] -2003
◎ V.A. "Vietnam Through The Eyes Of Black America 1962-72: Does Anybody Know I'm Here?" [KENT CDKEND 245] -2005


CD のブックレットには掲載されているし,その趣旨からすると,この2枚のほうがはるかに関連が深いように思うのだが・・・。

2007年11月26日 20時43分 | 記事へ | コメント(4) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/554/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月25日(日)
The Modern Gospel Jewelry
Various Artists. "The Modern Gospel Jewelry: A Change Is Gonna Come" [P-Vine PCD-2125]

The Violinaires
1. Crucifixion 2. Today 3. All The Way  4. Tomorrow May Be Too Late
Bill Moss & The Celestials
5. Can You Use Me (Just As I Am) 6. I Don't Want To Do Wrong
Brooklyn Allstars
7. We Need God 8. Glory To His Name 9. Serving The Lord 10. Trying To Get Home
Albertina Walker & The Caravans
11. Nobody Like Jeses
Earnest Franklin
12. I'm Your Child
The Soul Stirrers
13. Strength, Power And Love 14. The Year King Uzziah Died 15. I'm Thankful 16. Lead Me To Calvary
The Hopson Family
17. Jesus Gave Me Water
Roscoe Robinson
18. I'm A Soldier For The Lord 19. Life Is Like A Mountain Railroad 20. Do It Right Now
Clarence Fountain
21. Save A Seat For Me
The Meditation Singers
22. Good Old Gospel Music 23. A Change Is Gonna Come

1980年に2枚組 LP としてリリースされたものを,1989年に CD 化したアルバム。日本語解説(佐藤修) と歌詞付き。
このアルバムを編集し解説を書いておられる佐藤氏は,SAM's record shop のマスター。「 70 年代サザン・ゴスペル界でのメジャー・レーベルであったジュウェルのリッチなソースを使ってのモダン・ゴスペルのアンソロジー」
CD 化の際に1曲削除されたが,その Soul Stirrers の曲は ↓ に収録されている。
◎ The Soul Stirrers "The Heritage" [JEWEL/P-Vine PCD-2525]

アルバム・タイトルになっている "A Change Is Gonna Come" を歌っているのは,The Meditation Singers 。
'70 年代の録音だが,Laura Lee が参加していることになっていて,ちょっと低めのハスキーな声が Laura だと思われる。
佐藤さんの解説によると,この録音は Andre Williams がプロデュースし,デトロイトの United Sound Studio で行われたそうだ。
その Andre Williams の ↓ は,入手済み。
◎ Andre Williams "Movin' On With... Greasy & Explicit Soul Movers 1956-1970" [Vampi CD 073]

"Rolling Stones: Artist's Choice" に収録されているシンガーで,↑ のアルバムにもストーンズがアイデアを借用させていただいたと思われるような曲がいくつか収録されている。
中古ショップで,この人の CD を何度か発見したこともあるのだが,そのアルバムのジャケットには,ぼくのように純情な人間がレジに持っていくのはちょっとためらわれるようなエロい爺さんが写っていたので,手が出ない・・・(^_^;)

この CD は廃盤になっているが,『ブルース&ソウル・レコーズ 68号』 の付録 CD にもこの Meditation Singers の "A Change Is Gonna Come" は収録されている。
● V.A. "SAM-thing You Got: Blues & Soul Records (No.68)" [P-Vine PCD-9997]


その他の収録曲では,Bill Moss & The Celestials の 5. Can You Use Me (Just As I Am) が大好きで,当時 LP も買った記憶がある。
そのタイトルからはソウルの名曲のいくつかをすぐに連想することができるし,サウンド自体もゴスペルというよりはディープ・ソウルそのもの・・・???


1990年には,この "The Modern Gospel Jewelry" の Vol.2 もリリースされている。日本語解説(佐藤修) 付き。
ジャケ写は,The Original Five Blind Boys Of Mississippi だが,もちろんもう Archie Bownlee 師はいない。

◎ Various Artists "The Modern Gospel Jewelry Vol.2: Stand Up For Jesus" [P-Vine PCD-2175]

The Original Five Blind Boys Of Alabama
1. Morning Train 2. Everybody's Going Somewhere
Bronner Brothers
3. Hold On To God's Unchanging Hand 4. The Same Man Of Galilee
The Original Five Blind Boys Of Mississippi
5. You Ought To Been There 6. I'm Going With Jesus 7. I'm Just Another Soldier 8. Do It Right Now
The Harmonizing Four
9. Yes, God Is Real
The Meadowlark Singers
10. Run To Jesus
The Might Stars Of Harmony
11. Jesus Prays 12. He Watches Over Me
Otis Clay
13. When The Gates Swing Open
The Relatives
14. Speak To Me
Silver Gate Quartet Featuring Alexander Taylor
15. I'm Going Down In Jesus Name Travelling Echoes 16. Stand Up For Jesus 17. Walk In Gethsemane 18. When Jesus Came 19. Looking And Seeking
Willie Moganfield
20. Serving The Lord 21. I Can't See Why
2007年11月25日 21時27分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/553/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月17日(土)
The Best of King Curtis
King Curtis "The Best of King Curtis" [Capitol CDP 7243 8 36504 2 2]

1. Night Train 2. One Mint Julip 3. Soul Twist 4. Soul Serenade 5. Honky Tonk 6. Slow Drag 7. Hide Away 8. Strollin' Home 9. Sister Sadie 10. Tanya 11. Summer Dream 12. Hung Over 13. Bil Bailey 14. More Soul
15. Shake
16. A Change Is Gonna Come

"A Change Is Gonna Come" のインスト・カバーとして真打ち登場とも言えるのが,この King Curtis のバージョン。
Atlantic と契約する直前の Capitol 時代の作品。

この CD はベスト盤で,2曲しか Sam Cooke の曲が収録されていないけれども,Sam Cooke の死後 Sam Cooke の曲ばかりを集めたアルバム ↓ がある。1965年3月の New York 録音。
○ King Curtis "Hits Made Famous By Sam Cooke" [Capitol ST 2341]
Side A
1. Ain't That Good News 2. Bring It on Home to Me 3. Having a Party 4. Good Times 5. You Send Me 6. Shake
Side B
1. Tennessee Waltz 2. Chain Gang 3. A Change Is Gonna Come 4. Cupid 5. Send Me Some Lovin' 6. Twistin' the Night Away

その LP のジャケット裏に使用された写真をおそらく人工着色したものが,新装リマスター盤の "Live At The Harlem Square Club" のジャケットとして流用された。

Sam Cooke の曲ばかりを集めたアルバムとしては,コレ以外には,The Supremes と Lou Rawls のアルバムがあるくらいか・・・?
● The Supremes "We Remember Sam Cooke" [MOTOWN MOTD-5495]
● Lou Rawls "Bring It on Home" [Capitol ST-479]

残念ながら,この "Hits Made Famous By Sam Cooke" は単独では CD 化されていないが,↓ の編集盤に全曲が収録されている。
○ King Curtis "Blow Man, Blow! (3 CDs)"
http://music.barnesandnoble.com/search/product.asp?z=y&EAN=790051156701&itm=14

↑ は,ず〜っとウィッシュ・リストに入れてあるのだけれども,未入手。以前,中古ショップで手頃な値段のものを見つけたという知り合いから音だけはいただいたが・・・(^_^;)


表題の CD に Personnel としてクレジットされているメンバーは,以下の通り。
King Curtis - tenor saxophone, saxello
Billy Butler and Cornell Dupree - guitars
George Stubbs or Paul Griffin - piano
Ernie Hayes or Paul Griffin - organ
Jimmy Lewis, Jimmy Tyrell or Chuck Rainey - electric bass
Ray Lucas - drums
2007年11月17日 11時55分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/552/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月16日(金)
Bigger & Better
David Newman "Bigger & Better / The Many Facets of David Newman" [Atlantic/Rhino R2 71453]

1. Yesterday 2. And I Love Her 3. The Thirteenth Floor
4. Ain't That Good News
5. A Change Is Gonna Come
6. For Sylvia

7. Shiloh 8. We're A Winner 9. Children Of Abraham 10. Headstart 11. Chained No More 12. The Funky Way To Treat Somebody 13. Sylvia 14. That's All

1954年から12年間に渡って Ray Charles のバンドに所属し,リーダーとして録音に参加した David Newman が,Atlantic で1968年と69年にリリースしたアルバムを2on1にした CD 。どちらも New York 録音。

1.〜 6. の "Bigger & Better" というアルバムで Sam Cooke の曲を2曲(4. 5.) 採り上げている。
Bernard Purdie に Chuck Rainey(el. bass),Richard Davis(bass) というリズム・セクションはアルバム全体で共通しているが,1. 2. のギターは Billy Butler で,3.〜 6. は Eric Gale 。ホーン・セクションには A.F.O. の Melvin Lastie の名前も見える。
4. 以外にはストリングスが加えられていて,1. 2. のビートルズ・ナンバーは甘ったる過ぎて,ちょっと・・・(^_^;)
サックスからフルートに持ち替えた 3. からジャズ色が強くなり,4. のように Jazzy 過ぎるビートも正直,ちょっと・・・(^_^;)
5. A Change Is Gonna Come は,それらに比べればオーソドックスなカバーで,十分楽しめた。こういうスローな曲でも Bernard Purdie のドラミングは,聴いていてため息が出るほど素晴らしい。

7.〜 14. の "The Many Facets of David Newman" というタイトルのアルバムでも,8. 10. 12. 13. で Bernard Purdie と Chuck Rainey のコンビが演奏している。
Curtis Mayfield(8.) や Stevie Wonder(13.) の曲を採り上げているが,こちらでは一部の曲しかストリングスが使われておらず,ポップ色が薄れたジャズっぽいアルバムになっている。
2007年11月16日 21時08分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/551/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月14日(水)
A Change Is Gonna Come
Jack McDuff "A Change Is Gonna Come / Double Barreled Soul" [Atlantic/Collectables COL-CD-6246]

1. Down in the Valley
2. A Change Is Gonna Come
3. Hot Cha
4. What'd I Say
5. No Tears
6. Gonna Hang Me up a Sign
7. Minha Saudade
8. Same Old Same Old
9. Can't Find the Keyhole Blues
10. But It's Alright 11. Sunny 12. Esperanto 13. Duffin' Round 14. More Head

基本的に,人間の肉声を中心に聴いているので,こういうインスト物にはあまり興味は無いのだが,"A Change Is Gonna Come" をカバーし,それをアルバムのタイトルにまでしているということで,取り寄せてみた。

この Jack McDuff という人物は,ソウル・ジャズの分野ではオルガン(Hammond B-3) の名手として有名で,George Benson を発掘(?) したことでもよく知られているらしい。

その George Benson を含むバンドのリーダーとして録音していた Prestige から Atlantic に移籍した第1作(1966) と第4作(1968) を2on1にしたのが,この CD 。
Cornel Dupree がギターを弾いている曲もあるが George Benson はおらず,Bernard Purdie など New York のセッション・マンたちをバックに録音されている。

1.〜 9. が,"A Change Is Gonna Come" と名付けられたアルバム。
全体的な印象としては,Booker T. & The MG's をアダルトでムーディーにした感じで,ゴージャスではあるが十分ソウルフルでファンキーな演奏が楽しめる。
特に,Bernard Purdie のドラム(1. 2. 4. 6.) が聴いていてホレボレするほど素晴らしい。


10.〜 14. は,"Double Barreled Soul" というタイトルで,1968年にリリースされた David "Fathead" Newman との共演作。
その David Newman にも,"A Change Is Gonna Come" をカバーしたアルバムがあった。
● David Newman "Bigger & Better / The Many Facets of David Newman" [Atlantic/Rhino R2 71453]
2007年11月14日 22時06分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/550/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年11月04日(日)
Make It Funky!
V.A. "Make It Funky! (メイク・イット・ファンキー!)" [Sony Pictures TSDD-37306]

2004年4月27日に New Orleans で行われたコンサートの模様を中心に,N.O. の音楽や文化について簡潔に分かりやすく説明してくれるインタビューや過去の映像なども収録してある素晴らしい DVD 。

ちょうど,ブルースへのトリビュート・コンサートを DVD 化した "Lightning in a Bottle" の New Orleans 版にあたるが,アチラが劇場で公開され DVD 化も早かったのに比べると,コチラの扱いはちょっと軽すぎるように思う。内容的には全く遜色はないと思うのだが・・・。

コンサートの出演者は,以下の通り。
Irvin Mayfield,Kermit Ruffins,Troy Andrews,Dirty Dozen Brass Band,Big Sam's Funky Nation,Monk Boudreaux,Allen Toussaint,Jon Cleary,Irma Thomas,Lloyd Price,Ivan Neville,Earl Palmer,Bonnie Raitt,The Neville Brothers,Walter Washington,Snooks Eaglin,George Porter,Jr.,Keith Richards ...

コンサート以外にインタビューのみで登場するのは Ahmet Ertegun や Cosimo Matassa など,こちらも充実している。

Allen Toussaint は John Cleary との連弾を皮切りに,Irma Thomas,Lloyd Price,Bonnie Raitt などのバックでピアノを弾いているし,"Fortune Teller" や "Working in the Coalmine" などを歌って大活躍している。

Keith Richards が歌っているのは,Fats Domino の "I'm Ready" 。Snooks Eaglin の直後の出演というのはちょっと荷が重いような気もする (^_^;) が,ボーカルもギターもなかなか快調で,出来としては上の中くらい・・・(甘い?)。
KEITH RICHARDS - I'm Ready
http://www.youtube.com/watch?v=Sdt8IFiKjO0

後ろでギターを弾いているのは,Johnny Adams のバッキングでおなじみの Walter "Wolfman" Washington で,もう一本のギターは Danny "Kootch" Kortchmar 。Walter Washington はソロで Robert Parker の "Barefootin'" を歌い,ジミヘンばりに歯弾きを披露している。ベースは,Willie Weeks 。
Steve Jordan といっしょにドラムを叩いているのは,なんと Earl Palmer 。鼻に酸素吸入のチューブを付けているのが痛々しいが,スティックさばきは衰えていないようだ。
その Steve Jordan や ピアノの Ivan Neville など,バンド仲間がバックアップしてくれていることも,キースがリラックスできている原因か?
コンサートでは "The Things That I Used To Do" も歌ったらしい。それも聴いてみたいが・・・。


アメリカでは2005年に DVD 化されていたのだけれどもリージョン1固定で,日本盤がなかなか発売されず,やきもきしていたところ,やっと見ることができただけに感激もひとしお。
New Orleans の音楽への入門用としても最適だと思うのに,最近発売されたガイド・ブック ↓ に掲載されていないのは何故・・・?

■ 『ニューオーリンズ・ミュージック・ガイド・ブック』 (P-Vine BOOks)
http://www.amazon.co.jp/dp/4860202163/

せっかくコメントをいただいたのに申し訳ないが,『フォーク・ミュージック U.S.A.』(鈴木 カツ監修) とこの本が並んでいると,どうしてもコチラを手にとってしまう・・・(^_^;)
『フォーク・ミュージック』 の方はほとんど未踏の世界なので,これ以上,手を広げるのはさすがにツライ。

DVD "Make It Funky!" が紹介されていないのは玉に瑕だが,それを除けば,この 『ニューオーリンズ・ミュージック・ガイド・ブック』 は,素晴らしい内容の本です。

「主要スタジオ・ミュージシャン人名録」(pp. 268-271) には,Sam Cooke のバックで演奏したことのあるミュージシャンがかなり含まれていて,Sam Cooke と New Orleans Music の深いつながりを改めて認識させられた。

Earl Palmer: Drums,John Boudreaux: Drums,June Gardner: Drums,Chuck Badie: Bass,Frank Fields: Bass,Edgar Blanchard: Guitar,Red Tyler: Saxophone,Melvin Lastie: Trumpet 。

そして,この「人名録」にはリスト・アップされていないけれども,忘れてはならないのが Harold Battiste, Jr. で,彼はピアニストとしてだけでなくソング・ライターとして,曲も Sam Cooke に提供していた。
2007年11月4日 10時17分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/549/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年10月29日(月)
Lonely Just Like Me: The Final Chapter
Arthur Alexander "Lonely Just Like Me: The Final Chapter" [Hacktone R2-271932]

1. If It's Really Got To Be This Way 2. Go Home Girl 3. Sally Sue Brown 4. All The Time 5. Lonely Just Like Me 6. Every Day I Have To Cry 7. In The Middle Of It All 8. Genie In The Jug 9. Mr. John 10. Johnny Heartbreak 11. There Is A Road 12. I Believe In Miracles
Live on Fresh Air, 1993
13. Introduction
14. Go Home Girl
15. "You kinda want to get paid"
16. Genie In The Jug
17. "I think that's how they heard me"
18. You Better Move On
19. "I started in the church"
20. Every Day I Have To Cry
The Hotel Demos
21. Solitary Man
22. Johnny Heartbreak
23. Genie In The Jug
24. Lonely Just Like Me
Live at the Bottom Line, 1991
25. Anna
The Hotel Demos(?)
26. Glory Road

http://www.myspace.com/arthuralexander

1993年に Elektra Nonesuch から American Explorer シリーズの1枚としてリリースされた "Lonely Just Like Me" (1.〜 12.) にボーナス・トラックを追加してリイシューされた Arthur Alexander のアルバム。
シールドを破って出てきたのが何ともチープな紙ケースで,それに裸の CD がはさみこまれていたので少しがっかりしたが,付録(?)が豪華だった・・・(^_^;)

オリジナルのものと新たに追加されたライナーノートに,詳細な録音データは当然としても,生写真風のポートレイト(内1枚には Dan Penn や Donnie Fritts の姿も・・・) のほか,興味深い資料も含まれていた。

当時の American Explorer シリーズ販促用のチラシ(縮刷版?) には Keith Richards のコメントが引用されていた。
Arthur Alexander の歌がイギリスの the beat-group generation にとってどのような意味を持っていたか? という問いに対してキースは,When the Beatles and the Stones got their first chances to record, one did "Anna," the other did "You Better Move On." That should tell you enough. と答えている。

葬儀の際に配布されたと思われるパンフレットの縮刷版も付いていて,そこに Pallbearers ( Dan Penn の最初のグループ名だが,もちろんここではその本来の意味「棺の付添い人」で使われている) として名前が挙げられているのは,Dan Penn や Donnie Fritts,Spooner Oldham など・・・。

収録曲のうち 1.〜 12. は,オリジナルの "Lonely Just Like Me" と同じ内容だが,曲順が一部変更されている。今回の順序が,プロデューサである Ben Vaughn の最初に意図したもの。
主なミュージシャンは,Spooner Oldham,Dan Penn,Donnie Fritts,Reggie Young,Mike Leech,Gene Chrisman。

13.〜 20. はアルバムの完成後,亡くなる約1ヶ月前に出演したラジオ番組を録音したもの。貴重なインタビューも含まれている。バックは Ben Vaughn を中心としたバンド。
葬儀のパンフには,His father played Gospel Songs on the guitar. と書かれていたが,インタビュー中で Arthur Alexander は,old blues guitarist だったと言っている。教会ではゴスペルを演奏していたかもしれないが,彼の父親は,週末になると近辺の安酒場で Blues を演奏するセミプロのボトルネック・ギタリストだった。ただ,お金にはならず,Arthur がギターや音楽に興味を持ち始めても,I never made a nickel playing music, and I don't want you taking that path. と言って,ギターに触らせなかったらしい。
インタビュー中には,著作権関連の話題もあり,細かなニュアンスまでは分からないが,Arthur が pay me と言っているのはよく聞きとれた。
当時,版権を持つ出版社との新しい契約についての話し合いが進んでいたようで,この約1ヵ月後に倒れたのは出版社とのミーティングの最中だった。新しく Ben Vaughn によって書かれたライナーによると,
Apparently, he wasn't feeling well during the meeting, but stayed put until the last piece of paper was signed, and then collapsed.

21.〜 24. は,アルバムの収録に入る前にホテルの一室で録音されたデモ。
21. は,Neil Diamond の曲で,Arthur 本人は彼の曲をアルバム中でも歌いたかったらしい。この CD のトラック 26 (パッケージやライナーには表記されていない) にも,やはり Neil Diamond の "Glory Road" という曲の鼻歌(?)が収録されている。その曲は,Sound Stage 7 から "Cry Like A Baby" とのカップリングでリリースされた(1969) ことがあり,↓ で CD 化されている。
◎ "The Monument Years" [ace CDCHD 805] -2001
Neil Diamond と言えば,あの "The Last Waltz" でのゲスト出演くらいしか接点はなかったのだが,中古ショップでのチェック・リストにまた追加が・・・(^_^;)


25. は,1991年9月に New York の The Bottom Line で録音されたもの。Donnie Fritts がエレピ,John Tiven がアコギでバックアップ。
Elektra の関係者がこの演奏に感銘を受けたことから,復活アルバムの企画が始まった。


取り立てて美声と言うわけではないし,さして声量があるわけでもなく,節回しが華麗なわけでもなければ,激しくシャウトしたりするわけでもない・・・それでも,この Arthur Alexander の歌が深く心にしみこんでくるのはなぜだろう・・・?

2007年10月29日 21時20分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / BEST 10 CDs in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/548/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年09月28日(金)
Yellow Moon
The Neville Brothers "Yellow Moon" [A&M 395 240-2]

1. My Blood 2. Yellow Moon 3. Fire and Brimstone
4. A Change Is Gonna Come
5. Sister Rosa
6. With God on Our Side
7. Wake Up 8. Voo Doo
9. The Ballad of Hollis Brown
10. Will the Circle Be Unbroken 11. Healing Chant 12. Wild Injuns

Brian Eno を師と仰ぐ Daniel Lanois がプロデュースした Neville Brothers の代表作 (1989)。Eno も録音に参加し,Keyboards や Sound Effects,Vocals というクレジットがある。
Neville Bros. が本来持っている民俗的なメッセージ性の強い音楽が Daniel Lanois の手によってポピュラー・ミュージックとしての完成度を高められ,ソウルやロックなどというジャンルを超えた,大衆音楽の歴史に残る傑作になっている。
Carter Family がオリジナルで,Staple Singers のバージョンも有名という,Country Gospel と Black Gospel に共通するレパートリーである "Will the Circle Be Unbroken" など,全ての曲が素晴らしいのだが,このアルバムのハイライトは個人的には,やっぱり "A Change Is Gonna Come"。ここでの Aaron Neville の歌声は,掛け値なしに美しい。来たるべき A Change に対する熱烈な願望と敬虔な祈りが込められている。
ゴスペル・フィーリングにあふれた歌ではあるが,内容は必ずしもゴスペル(福音)的ではない。
It's been too hard living, but I'm afraid to die. Because I don't know what's up there beyond the sky.
空のかなたに何があるのか分からない・・・つまり「天国」など無いということを知っている Sam Cooke は,
Then I go to my brother, and I say "Brother, help me please." ・・・と,神や教会ではなく同胞に救いを求めているのだから・・・。

続く "Sister Rosa" は,現実となった Change の一つについて歌われている。
公民権運動の中でもエポック・メイキングな事件であり,Martin Luther King, Jr. 牧師が表舞台に立つきっかけともなったバス・ボイコット運動は決して偶発的なものではなく,起こるべくして起こった必然的な運動であったことは,『ロックを生んだアメリカ南部』 の著者である James M.Vardaman の近著(↓)にもくわしい。(第三章 「運動」の始まり)
◇ 『黒人差別とアメリカ公民権運動―名もなき人々の戦いの記録』ジェームス M.バーダマン


当時,U2 の Bono に紹介されて,New Orleans で録音中の Daniel Lanois に会いに来ていた Bob Dylan は,このアルバム中で自分の歌を歌う Aaron Neville を激賞している。
 「アーロン・ネヴィルがわたしの作品を二曲も――「ホリス・ブラウンのバラッド」と「神が味方」――歌っているのに驚いた。なんというめぐりあわせだろう。アーロンは世界でも有数のシンガーで,体つきは戦車のようにたくましいが,天使のような声,迷える魂を救うことができる声を持っている。体が声に似合っていない。外見についてはこれくらいにしよう。アーロン・ネヴィルの歌は,狂った世界に正気を呼びもどせそうなくらい,深く精神に語りかける。こんなふうに高いレベルのアーティストがわたしの作品を歌っているのを聞くといつも驚かされる。長いあいだ遠いところへ行ってしまっていても,こんなふうに歌われて歌がふたたび近いところへもどってくることがある。」
   (『ボブ・ディラン自伝』菅野ヘッケル 訳,pp. 217-8)
↑ の本を読むきっかけも,『ロックを生んだアメリカ南部』で,そのエピローグ「都市という荒野で歌うディラン」中に,Bob Dylan が Robert Johnson に大きく影響を受けたという記述があったから。

John Hammond, Sr. から手渡された,発売前の "King of the Delta Blues Singers" のアセテート盤を Dylan が聴く場面は,感動的ですらある。(pp.348-357)
Bob Dylan と Robert Johnson の共通のファンはもちろん,どちらか一方のファンにも,ぜひ一読をお勧めしたい。

 「あのときロバート・ジョンソンを聞かなかったとしたら,大量の詩のことばがわたしのなかに閉じこめられたままだった。わたしはきっと,それを文字に置きかえる自由と勇気を持てなかっただろう。」(p.357)
↑ 『ロックを生んだアメリカ南部』にも引用されている(p.283) 部分だが,Robert Johnson に影響を受けた Bob Dylan の歌う "Blowin' In The Wind" を聴いて,Sam Cooke は "A Change Is Gonna Come" を書いている。

favorite singers として Muddy Waters と John Lee Hooker の名前を挙げ,Howlin' Wolf の "Little Red Rooster" をカバーしている Sam Cooke だが,Robert Johnson は聴いていなかった・・・?
2007年9月28日 21時40分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/544/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年09月17日(月)
The Retrospective 1925-1950
Various Artists "Roots N' Blues: The Retrospective 1925-1950 (4 CDs)" [Sony SRCS 5963〜6]

1992年にリリースされたアルバムの日本盤。
帯には,↓ とある。
 アメリカン・ミュージックのルーツと新たな発見や驚きが詰まったコレクション。
 CD 4枚組,約5時間に及ぶ全107曲は,年代順に並べられており,
 アメリカの歴史を歌の中に託してきたミュージシャンやシンガー達に
 スポットライトをあてた記念碑的作品である。

米盤 のような縦長ではなく標準サイズのケースで,240ページ以上に及ぶブックレット(解説の日本語訳,日本語解説[三井徹],対訳[藤沢睦美]付の歌詞) が付いている。オリジナルの英文解説は Pete Welding と Lawrence Cohn で,Lawrence Cohn は曲目解説も執筆している。
当時,税込定価 \10,000 で,「生産限定盤」という表示があるが,とある中古ショップにて \5,250 で入手。
カセット・テープ版 が安価で流通しているようだし,一部の曲はダウンロードで購入可能のようだが,個人的には,ありがたい掘り出し物だった (^_^)v

黒(レイス・ミュージック) も白 (ヒルビリー) も,聖(宗教歌) も俗(世俗曲) も,声楽も器楽も,有名も無名も,男も女も・・・というように,種々雑多な楽曲が詰め込まれていて初めて聴く曲が多いのに,どこかで聴いたことのあるような懐かしい感じがするのは,日ごろ耳に馴染んでいるストーンズなどの洋楽が,これらの音楽に強く影響を受けているからだと思われる。

三井徹さんの日本語解説は「'52 年と '92 年 〜 2つの選集」というタイトル。'92 年の選集はもちろんこのボックス・セットで,'52 年の選集は ↓ 。
○ V.A. "Anthology Of American Folk Music (6 CDs)"

その解説によると,・・・1920年代に入って,アメリカ南部の民俗的な音楽を録音して販売することがビジネスとして成立することに気付いたレコード会社が,南部で出張録音するようになり,'52 年の選集は 1927 〜 35 年の8年間に発売されたレコード(78回転盤) を84曲集め,「南部の民俗音楽が職業化,産業化によって変化していく前の,あるいは過渡期の音をとどめた」ものであるのに対して,'92 年の選集では 1925 〜 50 年の間に録音された曲(一部は未発表)を集め,「民俗音楽がいっそう商業性を帯びていったこと,南部の工業化を反映していったことが,また黒人が北部の都市に移住することによる変化」がほぼ順を追ってたどられている。
ただし,収録内容の期間が短く曲数も少ないとはいえ,'52 年の選集 "Anthology Of American Folk Music" の価値はいささかも減じるものではなく,Columbia 系列 の音源を集めた "The Retrospective" とは異なり,Harry Smith という一個人のコレクションであるためレーベルの制約が無いという大きな特長もある。
そもそも,この "The Retrospective" 自体が "Anthology Of American Folk Music" の存在なくしては成立し得なかったものであることは,曲目解説の最後に,次のように書かれていることからも分かる。
 制作者の献呈:民俗学者,映画製作者,人類学者,幻視家のハリー・スミスへ。
 ぼくらはみんなあなたに教えてもらった。

その "Anthology Of American Folk Music" は以前から中古ショップでのチェック・リストには入っているものの,まだ入手していないのだが,HMV のキャンペーンやポイントを利用して購入しようかと考えていたところ,最近 ↓ のような本が発行されたので,どちらを先に買うべきか悩んでいる。
● 『アラン・ローマックス選集-アメリカン・ルーツ・ミュージックの探求 1934-1997』みすず書房
  ロナルド・D・コーエン (編集), 柿沼 敏江 (翻訳)

帯には,かつて初期 Roxy Music で Bryan Ferry と二枚看板を張っていた Eno が,次のような賛辞を寄せている。
 アラン・ローマックスがいなければ、ブルースの爆発も R&B の運動もなかっただろう。
 そして、ビートルズもローリング・ストーンズもヴェルヴェット・アンダーグラウンドも存在しなかっただろう。

サンプル CD が付いているのはありがたいのだがそこそこ高価な本なので,どちらも購入するとなるとちょっとキツイ。
ただ,この本も "Anthology Of American Folk Music" も二つとも買って,その埋め合わせに昼飯抜きの期間を作ればダイエットになり,夏太りも解消できるかな・・・などと,相も変わらずツマラナイことを考えている今日この頃であります・・・(^_^;)
2007年9月17日 13時02分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/543/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年08月22日(水)
There Is Always One More Time
Johnny Adams "There Is Always One More Time" [ROUNDER 1166-11581-2]

1. I Feel Like Breaking up Somebody's Home ( I )
2. Happy Hard Times
3. I'll Only Miss Her When I Think of Her
4. I Don't Know
5. Lovers Will ( II )
6. One Foot in the Blues ( VIII )
7. Even Now ( IX )
8. Body and Fender Man ( III )
9. There Is Always One More Time ( V )
10. Walking on a Tightrope ( IV )
11. I Don't Want to Do Wrong ( III )
12. Lot of Living to Do ( VII )
13. Wish I'd Never Loved You at All ( III )
14. But Not for Me ( VI )
15. Never Alone ( IX )

Johnny Adams の Rounder 時代の編集盤。
最初のアルバムの1曲目で始まり,遺作となったアルバムのラストの曲で終えるという構成になっているが,途中は必ずしも年代順に収録されているわけではない。
Rounder でのアルバムについて駆け足で紹介しておくと,・・・

◎ I "From the Heart" [ROUNDER CD 2044] -1984
 彼の唯一の Sam Cooke カバー "Laughin' and Clowin'" が収録されている。
● II "After Dark" [ROUNDER CD 2049] -1986
 2曲も John Hiatt のカバーが収録されているので,彼のファンにオススメ。
 Penn/Moman の "Do Right Woman - Do Right Man" も採り上げられている。
◎ III "Room with a View of the Blues (+1)" [ROUNDER CD 2059] -1988
 Lowell Fulson の曲で始まる Blues のアルバム。
 ピュアな Blues ファンには,コレがベストとする人も多い。
◎ IV "Walking On A Tightrope: The Songs Of Percy Mayfield" [ROUNDER CD 2095] -1989
 タイトルの通り Percy Mayfield の作品集。オーソドックスな Blues ファン向け。
● V "Johnny Adams Sings Doc Pomus: The Real Me" [ROUNDER CD 2109] -1991
 Doc Pomus の作品集ではあるが,11曲中7曲は Mac "Dr.John" Rebennack との共作。
◎ VI "Good Morning Heartache" [ROUNDER CD 2125] -1993
 ライナーによると,This is Johnny Adams' first Jazz Record 。
◎ VII "The Verdict" [ROUNDER CD 2135] -1995
 Harry Connick, Jr. のピアノ伴奏のみで歌う曲が2曲収録されている。
 Jazz 路線の延長上にある作品集。
◎ VIII "One Foot In The Blues" [ROUNDER CD 2144] -1996
 タイトル曲の作者は,Dan Penn / Jonnie Barnett / Carson Whitsett 。
 Jazz と Blues の中間,かなり Blues 寄りの作品集。
● IX "Man of My Word" [ROUNDER 2155] -1998

2. Happy Hard Times 第5作セッション時の未発表曲。
3. I'll Only Miss Her When I Think of Her ゲスト参加した Alvin "Red" Tyler のアルバム(1985)の曲。
4. I Don't Know ゲスト参加した Ruth Brown のアルバム(1997)の曲。


Rounder 時代の編集盤としては,ほかに ↓ もある。
● "The Great Johnny Adams BLUES Album" [ROUNDER 11661-2182-2] -2005
● "The Great Johnny Adams R & B Album" [ROUNDER 11661-2183-3] -2006


Rounder からリリースされているが,↓ は RIC/RON 時代の作品集。
◎ "I Won't Cry" [ROUNDER CD 2083] -1991
2007年8月22日 20時25分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/542/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年08月21日(火)
Man of My Word
Johnny Adams "Man of My Word" [ROUNDER 2155]

1. Even Now
2. It Ain't the Same Thing
3. This Time I'm Gone for Good
4. Going Out of Mind Sale
5. Now You Know
6. Up and Down World
7. I Don't Want to Know
8. Man of My Word
9. You Don't Miss Your Water
10. Bulldog Break His Chain
11. It Tears Me Up
12. Looking Back
13. Never Alone

1998年にリリースされた Johnny Adams の遺作。
Rounder 時代のオリジナル・アルバムとしては9作目。"Good Morning Heartache"(1993) や "The Verdict"(1995) の Jazz 路線が Soul ファンには不評だったためか,あるいは Johnny Adams 本人が望んだのか,前作の "One Foot In The Blues"(1996) は,ちょっぴり Jazzy ではあるが比較的オーソドックスな Blues アルバムで,その後 Memphis で録音するという企画もあったらしい。
体調面を考慮したため,このアルバムも New Orleans で録音されてはいるが,Rounder 時代のアルバムの中では,ピュアな R&B/SOUL ファンに最も気に入ってもらえる内容になっていると思う。
バンドは Walter "Wolfman" Washington や George Porter, Jr. などの N.O. 勢が中心ではあるが,Memphis から Michael Toles ( 7. 8. 10. でギター・ソロ) やホーン・セクションを呼び寄せている。ドラムの Donnell Spencer, Jr. はライナーによると,Prince や Chaka Khan とツアーしたこともあるベテランらしい。


収録曲の中では,まず Memphis Soul のクラシックである 9. You Don't Miss Your Water や 11. It Tears Me Up が目に付く。どちらも,期待通りの出来。

5. Now You Know は,ライナーによると Little Willie John のカバーということで,調べてみると CD 化されていたが,手持ちの CD とのダブリが多く,さすがにこの1曲だけのために購入するのはちょっと・・・(^_^;)
○ Little Willie John "All 15 of His Chart Hits 1953-1962" [KING ]

● "The Later KING Sessions: Heaven All Around Me" [ace/KING CDCHD 1221] -2009
Little Willie John の歌に比べるといささか分が悪いように感じてしまうが・・・(^_^;)

7. I Don't Want to Know は,Sonny Landreth のスライド・ギターが印象的だった Bobby Charles のカバー。
◎ Bobby Charles "Secrets Of The Heart" [STONY PLAIN SPCD1240] -1998

8. Man of My Word は,アルバム・タイトルにもなっているが,ライナーでは Robert Cray が歌っているように書かれているものの,AMG で調べる限りでは見当たらなかった。
He's a man of his word. 「彼は約束を守る,誠実な男だ」という表現は辞書にもよく掲載されている。しかし,I'm a man of my word. という言い回しはあまり使われないのではないかと思っていたけれども,AMG で調べると,"Man of My Word" というタイトルのアルバムが結構あった。謙虚を美徳とする我々日本人には理解しにくい表現の一つか・・・(^_^;)

12. Looking Back には Brook Benton / Belford Hendricks / Clyde Otis というクレジットがあり,Dinah Washington のバージョンが有名らしいが,それは未聴。ただ最初はアレンジが全く異なっているので気が付かなかったが,Otis Rush のバージョンがあり,それは愛聴していて,ギターで泣きたいときに聴く定番曲。
● Otis Rush "Right Place, Wrong Time" [edsel ED CD 220] -1976
10. Take a Look Behind

13. Never Alone アルバムのラストを飾るこの曲について,コーラスに参加し Johnny Adams とデュエットしている Aaron Neville は,次のように語っている。
 「私が最も好きだった仕事の中には,あまりよく売れないものもあったよ。具体的には,ジョニー・アダムスの最後の CD で歌ったゴスペル・ソングなんかだね。彼が亡くなる少し前に吹き込まれた CD だよ。ここでぼくらは,サム・クックのいたソウル・スターラーズのスタイルで歌ってる。子供の頃学んだように,それが主を讃えるにはいちばんいい方法なんだよ。」
  (p. 459 『魂の宿る街ニューオーリンズから −ネヴィル・ブラザーズ自伝−』)


不思議なことにライナーには何も書かれていないのだけれども,3. と 6. は,Bobby Bland の,それも同じアルバムからの選曲。
● Bobby "Blue" Bland "His California Album" [MCA MCAD-10349] -1973

1. This Time I'm Gone For Good
2. Up And Down World
3. It's Not The Spotlight 4. (If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right 5. Goin' Down Slow 6. The Right Place At The Right Time 7. Help Me Through The Day 8. Where My Baby Went 9. Friday The 13th Child 10. I've Got To Use My Imagination

個人的な印象としては,軟派の Bobby Bland に対して Johnny Adams は硬派・・・というイメージがあるのだが,Johnny Adams は Bobby Bland にあこがれたこともあったのだろうか?


その他の 1. 2. 4. 10. は,このアルバムのために書かれた曲らしい。2. のライターには Dan Penn の名前が見えるけれども,このアルバムのトップを飾る 1. Even Now が,名曲中の名曲。
若いころに比べれば,声の艶や伸びに多少の衰えがあるかもしれないが,その味わい深さは格別。枯淡の境地と呼ぶにふさわしい,素晴らしい歌声を聴くことができる。
... A man can change his ways. Can a woman change her mind ?
Even now, I still love you. ...

'60 年代半ばにあちこちのレーベルを渡り歩いていた時期などの,未 CD 化のシングルには未聴のものがかなりあるが,この "Even Now" は Johnny Adams の曲の中では最高傑作の一つと言えるだろうし,アルバム単位では,この CD がベストだと思っている。
2007年8月21日 21時09分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/541/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
2007年08月10日(金)
The Biggest Bang
Rolling Stones "The Biggest Bang" [UIBO-9112/5]

何しろ全部で約420分という DVD 4枚組なので,一通り見るだけでも気力・体力を消耗してしまう・・・(^_^;)
見終わった後,最初の感想は 「 Chuck Leavell が,かわいそう」 というものだった。

トータルでは,キースよりはるかに多くのパートで歌っているというのに,エンド・ロールでクレジットされているのは Keyboards だけという扱いは,あまりにもかわいそう。
曲の頭のカウントを取っているだけでなく,ほとんどの曲でエンディングの指示も出している。ミックにしても,終わらせたいときは,いったん Chuck に合図して彼から全体に伝えるというシステムになっているようだ。
ステージ上では,完全にバンド・マスターとしての役割を果たしているのではないか・・・?
キースがいくら酔っ払ってベロベロになっても,Chuck Leavell がいてくれればコンサートが滞ることはなさそうだ。
まあ,キースやロニーが一分の隙もない演奏を繰り広げたりすると,その途端にローリング・ストーンズではなくなってしまうわけだが・・・(^_^;)

その Chuck Leavell の名前がクレジットされているアルバムの中で,ソウル・ファンに最もよく知られているのは,おそらく ↓ 。
◎ Z.Z. Hill "The Brand New Z.Z. Hill" [S.D.E.G./P-Vine PCD-903]

2年前に CD 化された ↓ に収録されていた "A Legend In Her Own Time" にも参加していた。
● Doris Duke "I'm A Loser: The Swamp Dogg Sessions and More" [KENT CDKEND 242]


Beach Boys から The Band を経てストーンズ・・・という,ビッグ・ネームを渡り歩いてきた Blondie Chaplin も,アコースティック・ギターだけでなくレスポールまで弾いているのに,Vocals しかクレジットされていないのはなぜ・・・?
ただ,拙宅の貧弱なシステムではその音が聴き取れないのだが,5.1 ch であれば,彼のギターの音も楽しめるのだろうか・・・?


Chuck Leavell や Blondie Chaplin とは逆に,ステージ上ではホーン・セクションの一員にしか見えないのに,Saxophone / Keyboards とクレジットされているのが,Tim Ries 。
彼がキーボードを弾いている場面は,どこに収録されているのだろう・・・?
◎ Tim Ries "The Rolling Stones Project" [Village VRCL 12001]
↑ に収録されていた Norah Jones with Bill Frisell の "Wild Horses" は,なかなか良かった。
Norah の場合,こんな風にゲスト参加している曲の方が出来は良いように思うのだが・・・。そういう曲を集めた編集盤をリリースしてくれないだろうか?
2007年8月10日 21時07分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/539/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
次へ