ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年09月30日(日)
Nashville R&B
以前から多少の関心はあったものの,それほど積極的には聴いていなかったのだが,"Night Train to Nashville" のシリーズで Nashville = Country Music という偏見を捨て去ることができ,ドイツの SPV/BLUE というレーベルから "Ref-O-Ree Records Story" など,Ted Jarrett 関連のレーベルを中心としたリイシューが始まったこともあって,Nashville R&B のコンピ CD を集めて聴くようになった。

◎ V.A. "Across The Tracks: Nashville R&B and Rock'n' Roll" [ace CDCHD 493] -1996
◎ V.A. "Across The Tracks Vol.2: Nashville R&B and Doo Wop" [ace CDCHD 672] -1997
◎ V.A. "Music City Soul" [KENT CDKEND 157] -1998

◎ V.A. "The Champion Records Story Vol.1 : Blues & Rhythm" [SPV 95832 CD] -2007
◎ V.A. "The Champion Records Story Vol.2 : Rockin' R&B" [SPV 49292 CD] -2007
● V.A. "The Ref-O-Ree Records Story: Southern Soul" [SPV 95882 CD] -2007
◎ V.A. "The Poncello Records Story: Tennessee R&B" [SPV 95822 CD] -2007
◎ V.A. "The Bullet And Sur-speed Records Story: The R & B And Soul Sessions" [SPV 95892 CD] -2007
◎ V.A. "The Rich Records Story: Music City, Motor City & The Big Easy" [SPV 49742 CD] -2007

◎ Freddie Waters "Singing A New Song: Nashville R&B vol.1" [Black Magic BM 9201] -2001
◎ Herbert & Rufus Hunter "The Sound Of A Crying Man: Nashville R&B Vol.2" [Black Magic BM 9202] -2001
◎ Larry Birdsong "Every Night In The Week: Nashville R&B vol.3" [Black Magic BM 9203] -2003
◎ Gene Allison & Roscoe Shelton "You Can Make It If You Try: Nashville R&B vol.4" [Black Magic BM 9204] -2002
◎ Shy Guy Douglas "Stone Doin' Allright: Nashville R&B Vol.5" [Black Magic BM 9205] -2004

ただ,編集盤の CD を集めていると,どうしてもダブリが出てしまい自分でも気になってきたので,整理するために収録曲のリストを作ってみた。→ Nashville_R&B.xls

ほかに,↓ のような編集盤 CD もある。
◎ V.A. "Music City Blues & Soul 1960s: The Best Of Bullet/Sur-Speed Records" [R.O.A.D. RDBL 43] -2005
◎ V.A. "Raid On Cedar Street: The Nashville Blues Treasures (2 CDs)" [P-Vine PCD-5678/9] -2002

SPV からは,Hoss Allen の Rogana からの作品を集めた CD (↓) も最近リリースされた。
◎ V.A. "Rogana Story: Hossman's Blues" [SPV 49792 CD]
↑ は,"Nashville's Got The Beat!" との重複もほとんどなかった。


リスト作成中に CD ジャケットをスキャンするまで気が付かなかったのだけれども,"Across The Tracks Vol.2" の左端でギターを弾いているのは,Jimi Hendrix ?
Imperials というグループ名で,中央には Johnny Jones がいて,奥でドラムを叩いているのが Freeman Brown だということははっきりと分かる。1960年代前半に Nashville のクラブで撮影された写真らしい。
The !!! Beat の映像とはヘア・スタイルがかなり異なっているのだが,ベースはどうも Billy Cox らしい・・・ということは,この左利きのギタリストは,Jimi Hendrix としか考えられないのだが・・・。

Jimi Hendrix が Billy Cox と組んで Band of Gypsys というグループを結成したのは1969年だが,その時に Freeman Brown には声をかけなかったのだろうか・・・?
Buddy Miles もティーンエージャーの頃にはもう,Sam Cooke も影響を受けたという Bill Kenny のいた The Ink Spots のバックで叩いていたというドラマーなのだけれども,テクニックに関しては Freeman Brown も決してひけをとっているとは思えないし,ライブでの経験も多かったようなのだが・・・。
2007年9月30日 22時05分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2007年09月28日(金)
Yellow Moon
The Neville Brothers "Yellow Moon" [A&M 395 240-2]

1. My Blood 2. Yellow Moon 3. Fire and Brimstone
4. A Change Is Gonna Come
5. Sister Rosa
6. With God on Our Side
7. Wake Up 8. Voo Doo
9. The Ballad of Hollis Brown
10. Will the Circle Be Unbroken 11. Healing Chant 12. Wild Injuns

Brian Eno を師と仰ぐ Daniel Lanois がプロデュースした Neville Brothers の代表作 (1989)。Eno も録音に参加し,Keyboards や Sound Effects,Vocals というクレジットがある。
Neville Bros. が本来持っている民俗的なメッセージ性の強い音楽が Daniel Lanois の手によってポピュラー・ミュージックとしての完成度を高められ,ソウルやロックなどというジャンルを超えた,大衆音楽の歴史に残る傑作になっている。
Carter Family がオリジナルで,Staple Singers のバージョンも有名という,Country Gospel と Black Gospel に共通するレパートリーである "Will the Circle Be Unbroken" など,全ての曲が素晴らしいのだが,このアルバムのハイライトは個人的には,やっぱり "A Change Is Gonna Come"。ここでの Aaron Neville の歌声は,掛け値なしに美しい。来たるべき A Change に対する熱烈な願望と敬虔な祈りが込められている。
ゴスペル・フィーリングにあふれた歌ではあるが,内容は必ずしもゴスペル(福音)的ではない。
It's been too hard living, but I'm afraid to die. Because I don't know what's up there beyond the sky.
空のかなたに何があるのか分からない・・・つまり「天国」など無いということを知っている Sam Cooke は,
Then I go to my brother, and I say "Brother, help me please." ・・・と,神や教会ではなく同胞に救いを求めているのだから・・・。

続く "Sister Rosa" は,現実となった Change の一つについて歌われている。
公民権運動の中でもエポック・メイキングな事件であり,Martin Luther King, Jr. 牧師が表舞台に立つきっかけともなったバス・ボイコット運動は決して偶発的なものではなく,起こるべくして起こった必然的な運動であったことは,『ロックを生んだアメリカ南部』 の著者である James M.Vardaman の近著(↓)にもくわしい。(第三章 「運動」の始まり)
◇ 『黒人差別とアメリカ公民権運動―名もなき人々の戦いの記録』ジェームス M.バーダマン


当時,U2 の Bono に紹介されて,New Orleans で録音中の Daniel Lanois に会いに来ていた Bob Dylan は,このアルバム中で自分の歌を歌う Aaron Neville を激賞している。
 「アーロン・ネヴィルがわたしの作品を二曲も――「ホリス・ブラウンのバラッド」と「神が味方」――歌っているのに驚いた。なんというめぐりあわせだろう。アーロンは世界でも有数のシンガーで,体つきは戦車のようにたくましいが,天使のような声,迷える魂を救うことができる声を持っている。体が声に似合っていない。外見についてはこれくらいにしよう。アーロン・ネヴィルの歌は,狂った世界に正気を呼びもどせそうなくらい,深く精神に語りかける。こんなふうに高いレベルのアーティストがわたしの作品を歌っているのを聞くといつも驚かされる。長いあいだ遠いところへ行ってしまっていても,こんなふうに歌われて歌がふたたび近いところへもどってくることがある。」
   (『ボブ・ディラン自伝』菅野ヘッケル 訳,pp. 217-8)
↑ の本を読むきっかけも,『ロックを生んだアメリカ南部』で,そのエピローグ「都市という荒野で歌うディラン」中に,Bob Dylan が Robert Johnson に大きく影響を受けたという記述があったから。

John Hammond, Sr. から手渡された,発売前の "King of the Delta Blues Singers" のアセテート盤を Dylan が聴く場面は,感動的ですらある。(pp.348-357)
Bob Dylan と Robert Johnson の共通のファンはもちろん,どちらか一方のファンにも,ぜひ一読をお勧めしたい。

 「あのときロバート・ジョンソンを聞かなかったとしたら,大量の詩のことばがわたしのなかに閉じこめられたままだった。わたしはきっと,それを文字に置きかえる自由と勇気を持てなかっただろう。」(p.357)
↑ 『ロックを生んだアメリカ南部』にも引用されている(p.283) 部分だが,Robert Johnson に影響を受けた Bob Dylan の歌う "Blowin' In The Wind" を聴いて,Sam Cooke は "A Change Is Gonna Come" を書いている。

favorite singers として Muddy Waters と John Lee Hooker の名前を挙げ,Howlin' Wolf の "Little Red Rooster" をカバーしている Sam Cooke だが,Robert Johnson は聴いていなかった・・・?
2007年9月28日 21時40分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / COVERs of Sam Cooke |
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2007年09月17日(月)
The Retrospective 1925-1950
Various Artists "Roots N' Blues: The Retrospective 1925-1950 (4 CDs)" [Sony SRCS 5963〜6]

1992年にリリースされたアルバムの日本盤。
帯には,↓ とある。
 アメリカン・ミュージックのルーツと新たな発見や驚きが詰まったコレクション。
 CD 4枚組,約5時間に及ぶ全107曲は,年代順に並べられており,
 アメリカの歴史を歌の中に託してきたミュージシャンやシンガー達に
 スポットライトをあてた記念碑的作品である。

米盤 のような縦長ではなく標準サイズのケースで,240ページ以上に及ぶブックレット(解説の日本語訳,日本語解説[三井徹],対訳[藤沢睦美]付の歌詞) が付いている。オリジナルの英文解説は Pete Welding と Lawrence Cohn で,Lawrence Cohn は曲目解説も執筆している。
当時,税込定価 \10,000 で,「生産限定盤」という表示があるが,とある中古ショップにて \5,250 で入手。
カセット・テープ版 が安価で流通しているようだし,一部の曲はダウンロードで購入可能のようだが,個人的には,ありがたい掘り出し物だった (^_^)v

黒(レイス・ミュージック) も白 (ヒルビリー) も,聖(宗教歌) も俗(世俗曲) も,声楽も器楽も,有名も無名も,男も女も・・・というように,種々雑多な楽曲が詰め込まれていて初めて聴く曲が多いのに,どこかで聴いたことのあるような懐かしい感じがするのは,日ごろ耳に馴染んでいるストーンズなどの洋楽が,これらの音楽に強く影響を受けているからだと思われる。

三井徹さんの日本語解説は「'52 年と '92 年 〜 2つの選集」というタイトル。'92 年の選集はもちろんこのボックス・セットで,'52 年の選集は ↓ 。
○ V.A. "Anthology Of American Folk Music (6 CDs)"

その解説によると,・・・1920年代に入って,アメリカ南部の民俗的な音楽を録音して販売することがビジネスとして成立することに気付いたレコード会社が,南部で出張録音するようになり,'52 年の選集は 1927 〜 35 年の8年間に発売されたレコード(78回転盤) を84曲集め,「南部の民俗音楽が職業化,産業化によって変化していく前の,あるいは過渡期の音をとどめた」ものであるのに対して,'92 年の選集では 1925 〜 50 年の間に録音された曲(一部は未発表)を集め,「民俗音楽がいっそう商業性を帯びていったこと,南部の工業化を反映していったことが,また黒人が北部の都市に移住することによる変化」がほぼ順を追ってたどられている。
ただし,収録内容の期間が短く曲数も少ないとはいえ,'52 年の選集 "Anthology Of American Folk Music" の価値はいささかも減じるものではなく,Columbia 系列 の音源を集めた "The Retrospective" とは異なり,Harry Smith という一個人のコレクションであるためレーベルの制約が無いという大きな特長もある。
そもそも,この "The Retrospective" 自体が "Anthology Of American Folk Music" の存在なくしては成立し得なかったものであることは,曲目解説の最後に,次のように書かれていることからも分かる。
 制作者の献呈:民俗学者,映画製作者,人類学者,幻視家のハリー・スミスへ。
 ぼくらはみんなあなたに教えてもらった。

その "Anthology Of American Folk Music" は以前から中古ショップでのチェック・リストには入っているものの,まだ入手していないのだが,HMV のキャンペーンやポイントを利用して購入しようかと考えていたところ,最近 ↓ のような本が発行されたので,どちらを先に買うべきか悩んでいる。
● 『アラン・ローマックス選集-アメリカン・ルーツ・ミュージックの探求 1934-1997』みすず書房
  ロナルド・D・コーエン (編集), 柿沼 敏江 (翻訳)

帯には,かつて初期 Roxy Music で Bryan Ferry と二枚看板を張っていた Eno が,次のような賛辞を寄せている。
 アラン・ローマックスがいなければ、ブルースの爆発も R&B の運動もなかっただろう。
 そして、ビートルズもローリング・ストーンズもヴェルヴェット・アンダーグラウンドも存在しなかっただろう。

サンプル CD が付いているのはありがたいのだがそこそこ高価な本なので,どちらも購入するとなるとちょっとキツイ。
ただ,この本も "Anthology Of American Folk Music" も二つとも買って,その埋め合わせに昼飯抜きの期間を作ればダイエットになり,夏太りも解消できるかな・・・などと,相も変わらずツマラナイことを考えている今日この頃であります・・・(^_^;)
2007年9月17日 13時02分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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