Various Artists "Roots N' Blues: The Retrospective 1925-1950 (4 CDs)" [Sony SRCS 5963〜6]
1992年にリリースされたアルバムの日本盤。
帯には,↓ とある。
アメリカン・ミュージックのルーツと新たな発見や驚きが詰まったコレクション。
CD 4枚組,約5時間に及ぶ全107曲は,年代順に並べられており,
アメリカの歴史を歌の中に託してきたミュージシャンやシンガー達に
スポットライトをあてた記念碑的作品である。
米盤 のような縦長ではなく標準サイズのケースで,240ページ以上に及ぶブックレット(解説の日本語訳,日本語解説[三井徹],対訳[藤沢睦美]付の歌詞) が付いている。オリジナルの英文解説は Pete Welding と Lawrence Cohn で,Lawrence Cohn は曲目解説も執筆している。
当時,税込定価 \10,000 で,「生産限定盤」という表示があるが,とある中古ショップにて \5,250 で入手。
カセット・テープ版 が安価で流通しているようだし,一部の曲はダウンロードで購入可能のようだが,個人的には,ありがたい掘り出し物だった (^_^)v
黒(レイス・ミュージック) も白 (ヒルビリー) も,聖(宗教歌) も俗(世俗曲) も,声楽も器楽も,有名も無名も,男も女も・・・というように,種々雑多な楽曲が詰め込まれていて初めて聴く曲が多いのに,どこかで聴いたことのあるような懐かしい感じがするのは,日ごろ耳に馴染んでいるストーンズなどの洋楽が,これらの音楽に強く影響を受けているからだと思われる。
三井徹さんの日本語解説は「'52 年と '92 年 〜 2つの選集」というタイトル。'92 年の選集はもちろんこのボックス・セットで,'52 年の選集は ↓ 。
○ V.A. "Anthology Of American Folk Music (6 CDs)"
その解説によると,・・・1920年代に入って,アメリカ南部の民俗的な音楽を録音して販売することがビジネスとして成立することに気付いたレコード会社が,南部で出張録音するようになり,'52 年の選集は 1927 〜 35 年の8年間に発売されたレコード(78回転盤) を84曲集め,「南部の民俗音楽が職業化,産業化によって変化していく前の,あるいは過渡期の音をとどめた」ものであるのに対して,'92 年の選集では 1925 〜 50 年の間に録音された曲(一部は未発表)を集め,「民俗音楽がいっそう商業性を帯びていったこと,南部の工業化を反映していったことが,また黒人が北部の都市に移住することによる変化」がほぼ順を追ってたどられている。
ただし,収録内容の期間が短く曲数も少ないとはいえ,'52 年の選集 "Anthology Of American Folk Music" の価値はいささかも減じるものではなく,Columbia 系列 の音源を集めた "The Retrospective" とは異なり,Harry Smith という一個人のコレクションであるためレーベルの制約が無いという大きな特長もある。
そもそも,この "The Retrospective" 自体が "Anthology Of American Folk Music" の存在なくしては成立し得なかったものであることは,曲目解説の最後に,次のように書かれていることからも分かる。
制作者の献呈:民俗学者,映画製作者,人類学者,幻視家のハリー・スミスへ。
ぼくらはみんなあなたに教えてもらった。
その "Anthology Of American Folk Music" は以前から中古ショップでのチェック・リストには入っているものの,まだ入手していないのだが,HMV のキャンペーンやポイントを利用して購入しようかと考えていたところ,最近 ↓ のような本が発行されたので,どちらを先に買うべきか悩んでいる。
● 『アラン・ローマックス選集-アメリカン・ルーツ・ミュージックの探求 1934-1997』みすず書房
ロナルド・D・コーエン (編集), 柿沼 敏江 (翻訳)
帯には,かつて初期 Roxy Music で Bryan Ferry と二枚看板を張っていた Eno が,次のような賛辞を寄せている。
アラン・ローマックスがいなければ、ブルースの爆発も R&B の運動もなかっただろう。
そして、ビートルズもローリング・ストーンズもヴェルヴェット・アンダーグラウンドも存在しなかっただろう。
サンプル CD が付いているのはありがたいのだがそこそこ高価な本なので,どちらも購入するとなるとちょっとキツイ。
ただ,この本も "Anthology Of American Folk Music" も二つとも買って,その埋め合わせに昼飯抜きの期間を作ればダイエットになり,夏太りも解消できるかな・・・などと,相も変わらずツマラナイことを考えている今日この頃であります・・・(^_^;)
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2007年9月17日 13時02分
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