Various Artists "A Treasure Chest Of Northern Soul: 30 legendary tracks" [Goldmine GSCD 75]
1. What Is This? (Vocal) - Bobby Womack
2. Don't It Make You Feel Funky - Joe Hicks
3. I Must Love You - Timothy Wilson
4. Remember Me - The Whispers
5. I Found True Love - Billy Hambric
6. Hole in the Wall - J.J. Barnes
7. What Good Am I Without You - Darrow Fletcher
8. You Don't Mean It - Towanda Barnes
9. My Kind of Woman - Edwin Starr
10. Feel Good All Over - Claudie Huey
11. Love Bandit - The Chi-Lites
12. The Very Next Time - Marylynns
13. Gee Baby (You're Driving Me Crazy) - Micky Wilson
14. My Baby Ain't No Play Thing - Willy Harvey
15. I'll Never Let You Go - O'Jays
16. Lovingly Yours - Timothy Wilson
17. Daddy-O - Therese Lindsay
18. Come Back in a Hurry - Rose Batiste
19. What Is This? (Inst) - Fred & Bobbie's Rhythm Section
20. I'll Be There - The Gems
21. You Will Never Get Away - Cholli Maye
22. This Won't Change - Lester Tipton
23. Just a Little Mixed Up - The Furys
24. Watch Yourself - Tony Hestor
25. Now You've Got the Upper Hand - Candi Staton
26. The Day My Heart Stood Still - Ollie Jackson
27. Shing-A-Ling - The Cooperettes
28. This Is It - Ron Baxter
29. I Got the Power - The Masqueraders
30. Don't Wait Up for Me Mama - Barbara & Brenda
Goldmine という「定評」のあるブートレッグのレーベルからリリースされていた CD。
ブートとはいえ,amazon に出品されているくらいだから,それなりに市民権を得ていて,『楽ソウル』 には 「正式に権利を取っていないのでブートレグには違いないが,誰が作って誰が売っているのか身元は明らかにされている」(p.215) として,他のブートとは一線を画す形で紹介されているレーベル。
いくら内容が素晴らしくても,あからさまに違法なブートに手を出すつもりは無いけれども,ワゴン・セールなどで格安のブツを発見すると,ついつい・・・(^_^;)
冒頭の Bobby Womack 'What Is This' は,"Sweet Soul Music" (Peter Guralnick) 巻末の Selected Discography 中(邦訳本 p.033) で ’The Four Tops, Rolling Stones, and Wilson Pickett merge in three minutes of raw soul heaven.’ として紹介されているバージョン。
NS KTF 1629 Bobby Womack What Is This @Youtube
http://youtu.be/x9xaWjIyG3E
後に Minit で録音した LP バージョンとは全くの別物。
Bobby Womack - What is This @Youtube
http://youtu.be/tZa1Vo6D5nQ
表題の CD には,ボーカル抜きのインスト・バージョン(19.) も収録されている。そのバージョンは,シングルとしてリリースされたことは無い・・・?
『Mr.Soul サム・クック』 (ダニエル ウルフ) 中に書かれていた,Sam の葬儀前後の Bobby Womack の品性下劣な振る舞い(pp.384-8) を読んだ後,彼の声を聞くと気分が悪くなっていた時期があり,未だにそのトラウマから抜け出せていないため,彼の声を聞かずにすむインスト・バージョンのほうがはるかにお気に入り。バンド名に Fred & Bobbie's Rhythm Section とある Fred は,Fred Smith のことらしい。
↓ のライブ盤でも,1曲目のインスト・バージョンは単純にカッコイイ・・・と思うのだが,彼の声が聞こえてくると・・・(^_^;)
◎ "The Womack Live" [J!MCO JICK-89159]
● "Soul Seduction Supreme (2 CDs)" [CASTLE/Victor VICP-40027]
ソングライターやギタリストとしての Bobby Womack は嫌いではないが,シンガーとしては,どうしても好きになれない。
従って,彼が亡くなったと聞いても感慨が湧くことはない。
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2014年6月28日 22時56分
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The Sweet Inspirations "The Complete Atlantic Singles Plus (2 CDs)" [Real Gone Music RGM-0263]
DISC I:
1. Why (Am I Treated So Bad)? [Atlantic 2410] -1967
2. I Don't Want To Go On Without You [〃]
3. Let It Be Me [Atlantic 2418] -1967
4. When Something Is Wrong With My Baby [〃]
5. That's How Strong My Love Is [Atlantic 2436] -1967
6. I've Been Loving You Too Long [〃]
7. Oh! What A Fool I've Been [Atlantic 2449] -1967
8. Don't Fight It [〃]
9. Do Right Woman - Do Right Man [Atlantic 2465] -1967
10. Reach Out For Me [〃]
11. Sweet Inspiration [Atlantic 2476] -1967
12. I'm Blue [〃]
13. To Love Somebody [Atlantic 2529] -1968
14. Where Did It Go [〃]
15. Unchained Meloday [Atlantic 2551] -1968
16. Am I Ever Gonna See My Baby Again [〃]
17. What The World Needs Now Is Love [Atlantic 2571] -1968
18. You Really Didn't Mean It [〃]
DISC II:
1. Crying In The Rain [Atlantic 2620] -1969
2. Every Day Will Be Like A Holiday [〃]
3. Sweets For My Sweet [Atlantic 2638] -1969
4. Get A Little Order [〃]
5. Don't Go [Atlantic 2653] -1969
6. Chained [〃]
7. Gotta Find Me A Brand New Lover (Parts 1&2) [Atlantic 2686] -1969
8. At Last I've Found A Love [Atlantic 2720] -1970
9. That's The Way My Baby Is [〃]
10. Them Boys [Atlantic 2732] -1970
11. Flash In The Pan [〃]
12. This World [Atlantic 2750] -1970
13. A Light Sings [〃]
14. Evidence [Atlantic 2779] -1971
15. Change Me Not [〃]
16. Ain't Nothing Gonna Change Me [Rhino CD 77626]
17. I've Been Inspired To Love You [Unreleased]
18. Little Green Apples / Think / Something [〃]
19. Make It Easy On Yourself [〃]
The Sweet Inspirations の Atlantic 時代の「シングル+未発表曲」集。
冒頭の6曲(I-1.〜 6.) は,Jerry Wexler のプロデュース。
「スウィート・インスピレーションズもまた,60年代のアトランティック教会を支える柱の1本だった。」(ジェリー・ウェクスラー 『私はリズム&ブルースを創った』 p.228)
その他のプロデューサは,Tom Dowd and Tommy Cogbill(I-7.〜 12.), Tom Dowd(I-13.〜 18. II-1.〜 6.), Ugene Dozier(II-7.〜 11.), Dave Crawford & Brad Shapiro(II-12.〜 19.)。
スタジオもいろいろで,New York から始まって Memphis, Muscle Shoals, Philadelphia など。Muscle Shoals では Fame(II-1.〜 6.) でも Muslce Shoals Sound(II-12.〜 18.) でも録音している。
Not on LP だった曲はそれほど多くない(I-4. 6. II-12.〜 15.) が,このセットには当時の未発表曲(II-16.〜 19.) も収録されている。収録曲のくわしいリスト → SweetInspirations.xls
この時代のアルバム5枚は全て CD 化済み。手元にあるのは,SPY というレーベルの2on1など。
◎ "Sweet Inspirations" [Atlantic/Collectors' Choice CCM-700] -2006
◎ "Songs Of Faith And Inspiration / What The World Needs Now Is Love" [Atlantic/SPY 46001-2] -2002
◎ "Sweets For My Sweets / Sweet Sweet Soul" [Atlantic/SPY 46004-2] -2002
ATLANTIC R&B BEST COLLECTION 1000 のシリーズでも1枚ずつリイシューされていて,残っていたゴスペル集の ↓ も8月には発売される予定。
○ Cissy Drinkard&The Sweet Inspirations "Songs Of Faith&Inspiration" [Atlantic WPCR-27798]
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2014年6月22日 20時33分
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2014年6月19日 20時05分
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Guitar Slim "The Things That I Used to Do" [Specialty/P-Vine PCD-1909]
Specialty 時代の Guitar Slim と言えば,やっぱりこのジャケ写でなければ・・・。
最近の CD でも,わざわざブックレット中の1ページを割いて,このジャケットを掲載している。
Eddie "Guitar Slim" Jones (1926-59) の大ヒット曲 'The Things That I Used To Do' が録音されたセッションで,ピアノとアレンジを担当していたのは,Ray Charles だった。
Ray Chales の Atlantic 時代のコンプリート集 "Pure Genius" 付属のブックレット中の解説(David Ritz) によると,当時 New Orleans のクラブに出演していた Ray Charles に,Guitar Slim のほうから声をかけたのだそうだ。
"One night he[Guitar Slim] heard me play and asked if I'd help on a session. Why not? When I got there things were a little unorganized, so I took over. I wrote the arrangements, right on the spot. I set the tempo. I led the band. Slim was happy."
Guitar Slim "The Things That I Used to Do" @Youtube
http://youtu.be/fj33EGMbazY
1953年10月に録音された 'The Things That I Used To Do' は,翌年1月には R&B チャートで1位を獲得し,1954年のベストセラーとなった。
「灼熱の説教的絶叫で,レイ・チャールズに明白なる影響を与えた男。スリムはチャールズの指揮でスペシャルティにヒット曲を,悔恨,改心,悔悟の不朽の賛歌『ザ・シングス・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ドゥ』を吹き込んでいた。」(ジェリー・ウェクスラー 『私はリズム&ブルースを創った』 p.108)
Guitar Slim は「えげつない」ギターの元祖のような人で,同様に過激なギターを弾くジミヘンの場合でもどこかに知性・理性が感じられるのに対して,Guitar Slim の場合は,むき出しの野性・本能しか感じられない・・・(^_^;)
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2014年6月13日 07時23分
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Ray Charles "Pure Genius - The Complete Atlantic Recordings 1952-1959 (7 CDs)" [Rhino R2 74731]
Jerry Wexler の自伝本 『私はリズム&ブルースを創った』 を読んでいて,これまでは一部しか聞いていなかった Ray Charles の Atlantic 時代を一通り聴いてみたくなり,いろいろと探していて見つけたボックス・セット。2005年にリリースされていたセットから DVD を省いてパッケージを簡素化し,廉価盤としてリイシューされたもの。
Real Gone Jazz の CD 4枚組セットや,Warner Music の CD 5枚組セットなどもあるが,表題のセットは Atlantic からリリースされた全ての楽曲にリハーサル・セッションまで収録されたコンプリート集で,80ページものブックレットが付属している。コスト・パフォーマンスは悪くないし,音質も申し分ない。
「私がこれまでに仕事をした全アーティストのなかで,『天才』の称号がふさわしい者はわずか3人しかいない。その最初がレイ・チャールズだった。」(ジェリー・ウェクスラー 『私はリズム&ブルースを創った』 p.116)
十代の半ばからプロとしての活動を始めた Ray Charles は 「白人ヒルビリー・バンド」 と演奏したこともあったそうだが,その最初期のパフォーマンスは,Charles Brown や Nat King Cole のほぼ完全なコピー。
「偉大なる元祖ともてはやされる男だが,レイ・チャールズはじつのところ,吸収者で翻案者だった。まごうことなき芸術家であると同時に,商売っけのあるしぶとい生き残り組でもあった。初期はチャールズ・ブラウンやナット・コールの流行歌を小さなクラブで演り,食いつないでいた。」(同書 p.118)
そんな Ray Charles の転機となったのは,Guitar Slim 'The Things That I Used To Do' でピアノとアレンジを担当し,その曲が大ヒットしたことだった。
● Guitar Slim "Sufferin' Mind" [Specialty SPCD-7007-2]
◎ Guitar Slim "ATCO Sessions" [ATLANTIC 81760-2]
後に Guitar Slim が Atlantic と契約したときのレコーディング・セッション(1956)↑ の様子も同書には詳述されている(pp. 108-10) が,それは破天荒そのもの。当然,Specialty でのセッションもかなり目茶苦茶だったらしい。Ray Charles はそれに参加することで「吹っ切れた」ところがあったのではないだろうか?
そして,その結果生まれた楽曲がヒットし評価されたことが自信につながり,自分も,やりたいように好きなように歌い演奏していいのだと思うようになったにちがいない。
Ray Charles は,最初に Jerry Wexler がプロデュースした New Orleans で行われたセッション(1953) で Guitar Slim の曲をカバーしている。
◎ Guitar Slim "The Chronological Guitar Slim 1951-1954" [Classics 5139]
Eddie "Guitar Slim" Jones Feelin' Sad (1952) @Youtube
http://youtu.be/1H09tcX1WTY
Ray Charles - Feelin' Sad @Youtube
http://youtu.be/9V-3RDE5Pxw
↑ でギターを弾いているのは,Edgar Blanchard 。
Gospel を歌っていた Sam Cooke が Pop の世界に足を踏み入れるようになったセッションは,やはり New Orleans で行われ(1956),そこでギターを弾いていたのも Edgar Blanchard だった。
EDGAR BLANCHARD - Let's Get It [Ric 954] 1958 @Youtube
http://youtu.be/z0q173CvXGw
Ray Charles と Sam Cooke には共通点がかなり存在するけれども,その「転機」となったのが New Orleans だったという事実も,その共通点の一つと言えるかもしれない。
「ニューオーリンズには,生ける,いまは亡き,超自然的伝説がそこらじゅうに存在する。さまざまな文化と原始の力がぶつかりあう地。カリブ,フランス,キューバ,クレオール,ケイジャン,南部ふうに揚げたアフロアメリカン・ブルースが衝突する場だ。」(ジェリー・ウェクスラー 『私はリズム&ブルースを創った』 p.108)
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2014年6月11日 01時01分
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『私はリズム&ブルースを創った ―― 〈ソウルのゴッドファーザー〉自伝』 ジェリー・ウェクスラー / デヴィッド・リッツ 著,新井崇嗣 訳,みすず書房 刊
みすず書房内の紹介ページ ↓
http://www.msz.co.jp/book/detail/07831.html
原題の "RHYTHM AND THE BLUES - A Life in American Music" を,どう意訳すると邦題になるのか・・・(?_?)
おそらく昨年,邦訳されて出版された ↓ を意識したものなのだろうが・・・
□ 『アトランティック・レコードを創った男 アーメット・アーティガン伝』 ロバート・グリーンフィールド 著,野田恵子 訳,折田育造 監修,スペースシャワーブックス 刊
↑ の原題は "THE LAST SULTAN - The Life And Times Of Ahmet Ertegun" で,これも完全な「超訳」だけれども,Ahmet Ertegun が Atlantic Records の創立メンバーだったというのは「事実」。しかし,Jerry Wexler が Rhythm and Blues を「創った」という事実は無い。
Jerry Wexler は,Billboard の記者だった頃(1949) に,当時「レイス・レコード」と呼ばれていた黒人レコード・チャートの名称を「リズム&ブルース」に変えたらどうかと提案(本書 pp. 71-72) し,それが定着したに過ぎない。つまり,その時点で既に 'Rhythm and Blues' という名称がふさわしい音楽は巷にあふれていた。
もう一つ解せないのが,帯の背の部分にある「すべてのブラック・ミュージックファンへ」という文句。原題のサブ・タイトルにあるように,本書で扱われているのは American Music であって,「ブラック・ミュージック」ではない。
「ありがたいことに,私[Jerry Wexler] がアトランティックに入ったのはちょうど,黒人と白人をきっぱりと分けていた境界線が消えはじめるという,米音楽界におけるあの幸福な転換期だった。さまざまなものが次々にぼやけていき,アトランティックはその崩壊の恩恵を受けると同時に,その動きに寄与した。」(本書 p.102)
一部のスポーツ紙や週刊誌ならセンセーショナルなタイトルを付ければ売り上げが伸びるかもしれないが,本書の場合は,読者層を限定するような売り方は逆効果のような気がするが・・・(^_^;)
この本の原書は1993年に出版されていて,その内容は部分的にはいろいろな記事やアルバム解説等に引用されていたが,こうやって全文が翻訳されたおかげで,その部分の前後も読むことができるようになったのはありがたい。
例えば,Eddie Hinton を形容する言葉として 'White Otis Redding' という有名な表現があるけれども,それは,Jerry Wexler が Bob Dylan を Muscle Shoals でプロデュースしたエピソードについて書かれた章の1ページに書かれていたものだった。
その最後の一節は,
「ボブ・ディランとエディ・ヒントン。かれらが真の友(ソウル・ブラザーズ) だったことを思い出すたび,なんとも不思議で,なんとも素敵な気持ちになる。詩人がふたり,一方は世界的に知られ,もう一方はわずかな友人,隣人,ファンに知られているのみ。ふたりとも心を震わせるアーティストだった,ふたりとも輝いていた。」(本書 p. 323)
Bob Dylan と Eddie Hinton が出会ったのは ↓ のセッション(1972) 。そして,それが Bob Dylan の初めての Muscle Shoals 体験だった。
● Barry Goldberg "Barry Goldberg" [Atco WPCR-14839]
Jerry Wexler は自分がプロデュースしたわけでもないのに,同じページで ↓ を「歌手エディの深遠なる魂が刻まれた,熱き記録」として紹介している。
● Eddie Hinton "Very Extremely Dangerous" [Capricorn 314 536 111-2]
1978年にリリースされた ↑ をプロデュースしたのは,Barry Beckett。
Jerry Wexler は,Barry Beckett を Muscle Shoals Rhythm Section(The Swampers) の「事実上のリーダー」だったと語っている。(本書 p.210)
当時,Barry Beckett が Muscle Shoals で行っていたアレンジの手法では,コードをシンプルな番号で表していた。そのやり方は,Rod Stewart も ↓ のアルバムのセッション(1975) で体験したそうだ。
● Rod Stewart "Atlantic Crossing [Collector's Edition] (2 CDs)" [Warner Bros. 8122 79868-4]
「どの地やどの人間よりも,マッスル・ショールズは私の人生を変えた。音楽的に,そしてありとあらゆる面で。」 (本書 p.196)
Jerry Wexler にとっての「マッスル・ショールズ」は,Barry Beckett を「リーダー」とする Muscle Shoals Rhythm Section であって,Fame Gang について本書では一言も触れられていない。
Jerry Wexler が,Muscle Shoals Rhythm Section の連中をそそのかして独立させたり,Sound Of Memphis のスタジオから The Dixie Flyers を引き抜いた(本書 p.257) ことは知っていたが,Chips Moman が Stax から出て行くきっかけにもなっていたらしい。
「商売を始めるというチップスに,私は口約束で5000ドルを貸していた。」(本書 p.256)
結局のところ,Jerry Wexler がアメリカ南部に来てやったことは,スタジオの内部を引っかきまわしただけ・・・(^_^;)
他にも面白いエピソードが満載の本だけれども,個人的に興味深かったのは,Bert Berns について書かれた章 "The Big Bang!"。
「バートは1967年12月に心不全で死んだ。38歳だった。葬儀に,私は出なかった。」(本書 p.175)
Jerry Wexler にとって,Bert Berns はかなり嫌な奴だったらしい。
その同じページに,バート・バーンズが「英国でギタリストのジミー・ペイジを見つけ,R&B セッションで使おうとアメリカに連れてきていた。」とあるのだが,Bang レーベルからリリースされたシングルの中には Jimmy Page の参加した曲があるのだろうか・・・?
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2014年6月4日 23時52分
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