Sam Cooke "One Night Stand / Sam Cooke Live At The Harlem Square Club" [RCA/BMG BVCM-37671]
無事に日本盤が発売され,もちろん「音飛び」は解消されていた。
米盤とのちがいは,以下の通り。
英文ライナーの日本語訳,歌詞および語り部分のディクテーション('85年版の日本盤に付属していたものの流用なので,一部欠落あり),さらに鈴木啓志氏の解説が掲載されたブックレットが付いている。
デジパック仕様ではなく,一般的なプラスチックのケースになっている。
そのほか,ライナーなどに表示されている各トラックの時間も一部変更されていたが,それでもまだ Real Player で表示される数値と異なっているトラックがあるのはなぜ・・・?
これで,オリジナルの '85年版,ボックスセット収録の '00年版,今回の '05年版と,3つのバージョンがそろったわけだが,聴き比べてみると,音質の差以外にも,いくつかの相違点がある。
30秒ほどだが King Curtis の "Soul Twist" が収録されているのは,'05年版だけ。
その直後の M.C. の冒頭部 'Thank you very kindly.' が,'00年版ではカット。
"Cupid" のイントロ中で,Sam Cooke がメロディーをハミングしている部分が,'85年版ではカット。
"Having A Party" の後半,語り部分の一部が,'85年版ではカット。
同じく "Having A Party" で,フェイドアウトせずに最後まで完全に収録されているのは,'00年版だけ。
その他,各トラックの区切りの位置が微妙にずれているところもあったりするので,聴き比べてみるとけっこうおもしろい。
また,'00年版は,今回とは別のチームがリミックスの作業をしているため,左右の振り分けに微妙な違いがあるし,オーディエンスの反応が控えめに収録されているので,ライブそのものの印象がかなり異なって聴こえる。
今回のリマスター盤を改めてじっくりと聴いてみると,音質の改善はあっても,やはり Sam Cooke の声の調子はもうひとつのように思う。少なくとも万全の状態ではなかったのではないか。煙草の吸い過ぎか,酒を飲み過ぎたのか・・・(^_^;)
少しかすれ気味でハスキーであることも Sam の声の特長ではあっても,ちょっと荒れ過ぎている。
曲の途中でオーディエンスを煽って,コーラスに参加させようとしているのも,声が伸びないことをごまかすための苦肉の策・・・と聴こえなくもない。もっとも,それが「怪我の巧妙」となって雰囲気を盛り上げていることは間違いないのだが,・・・。
もちろん,そんな感想を持つのは,冷静な耳で落ち着いた状態で聴いた上での話であって,このアルバムを聴くときには,Sam が言っているように,
Don't fight the feeling.
聴いたまま,感じたままの the feeling に抗うな,身も心も任せてしまえ。
Don't fight it. Just feel it.
という,無心の境地で聴くべきだし,そうやって聴けば素晴らしいライブであることは,十二分にわかっているつもり。
ただ,Sam Cooke というシンガーは,道半ばにして倒れてしまったため,この程度のアルバムしか残されていないが,もし生き延びることができていれば,スタジオでもライブでも,もっと偉大な作品を生み出していたにちがいない・・・,そう思わせるような「何か」は,この "One Night Stand" からも感じとれるはず。
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2006年1月28日 08時11分
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CDs of Sam Cooke |
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LIST of CDs [〜2005.12] を更新しました。
更新の作業をぼつぼつとやっている間に,Lou Rawls と Wilson Pickett の訃報が届いた。
Lou Rawls のほうは,未入手だが,Capitol 時代に "Bring It On Home" というタイトルのカバー・アルバム(Muscle Shoals 録音)を出している。
その LP は,「ルー・ロウルズ,サム・クックを歌う」という邦題で日本盤も出ていたらしい。
その収録曲のうちの何曲かは,アンソロジーなどで CD 化されている。
それ以外では,Ray Charles とのデュエットで "That's Where It's At" を歌ったりもしている。
訃報をきっかけに,彼がゴスペルを歌っているアルバムを注文したので,それが届いたら,また改めて紹介したい。
○ Lou Rawls "I'm Blessed"
● Lou Rawls / The Pilgrim Travelers "The Soul-Stirring Gospel Sounds of the Pilgrim Travelers"
Wilson Pickett のほうは,"Bring It On Home To Me" しかカバーしておらず,Sam Cooke よりも Julius Cheeks 師からの影響が大きかったわけだが,Lou Rawls よりはるかに身近な存在のシンガーだっただけに,ちょっと落ち込んでしまった。
涙なくしては聴けない "Back In Your Arms" の収録されたアルバム "Hey Jude" は,Duane Allman が大活躍する曲も含まれていて,今でも愛聴盤。
Bobby Womack と Reggie Young のギターの絡みが絶妙な "I'm In Love" や,その Bobby Womack 作の "People Make The World" なども大好きだった。
Atlantic 時代のアルバムの中で,なぜか1枚だけ CD 化が遅れていた "Midnight Mover" がやっと発売されたというのに・・・(T_T)
お二人の冥福をお祈りしたい。 R. I. P.
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2006年1月21日 11時22分
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CHEAP TALK |
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2006年1月3日 08時29分
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BEST 10 CDs in 2005 |
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Bruce Springsteen & The E Street Band "Hammersmith Odeon, London '75" [MHCP 931]
1. Thunder Road 2. Tenth Avenue Freeze Out 3. Spirit In The Night 4. Lost In The Food 5. She's The One 6. Born to Run
7. The E Street Shuffle (〜 Having a Party ?)
8. It's Hard To Be A Saint In The City 9. Backstreets 10. Kitty's Back 11. Jungleland 12. Rosalita (Come Out Tonight) 13. 4th Of July, Asbury Park (Sandy) 14. Detroit Medley 15. For You 16. Quarter To Three
"Born To Run (30th Anniversary Edition)" [Sony Music MHCP 930-2] のボックス・セットに含まれている DVD。
ほとんど後悔していないのだが,だまされて(?)買ってしまった・・・(^_^;)
もちろん,見てみたい聴いてみたいとは思っていたものの,値段が値段だけに,そのうち中古ショップで・・・と考えていたところ,レコ・コレ誌(2006 Vol.25, No.1) の pp.106-7 の記事に「続くサム・クックの陽気な『ハヴィング・ア・パーティ』さえもがスローなアレンジに改められている」とあったので,俄然買う気になり,しかもタイミングよく新古品扱いの日本盤が \5K 以下で入手できた。
ところが,箱やライナーには "Having a Party" の表記がどこにもない・・・?
首を傾げつつ DVD をセットして,7. The E Street Shuffle を再生してみたら,10分近くしてやっとそれらしい箇所があった。
クレジットがなくても,本格的にカバーしているのなら abkco からクレームが付くのでは・・・と思っていたけれども,この程度ではさすがの abkco も文句の言いようがないかも・・・(^_^;)
同じ New Jersey 出身の兄弟バンドともいえる Southside Johnny & The Asbury Jukes が,その "Having a Party" も含めて,メドレーとしてではあるが Sam Cooke の曲をかなりカバーしているので,期待していたのだが・・・。
◎ Southside Johnny & The Asbury Jukes "Live - Reach Up And Touch The Sky" [Mercury 826 285-2]
購入の動機が以上のような不純なものだったため,その点ではがっかりしたが,内容そのものは素晴らしいので,誤解のないように。
特に,当時いちばんのお気に入りだった "Backstreets" のギター・ソロを,ちゃんとボス自身が弾いていたのには感激した。
サビ部分の "Blame it on the lies that kill us. Blame it the truth that ran us down. 〜 But I hated him. And I hated you when you went away." に続くあのギターを聴きながら,何度涙にくれたことか・・・(^_^;)
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2005年12月28日 07時05分
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Fugi "Mary, Don't Take Me On No Bad Trip" [Tuff City DEL CD 009]
1. Revelations
2. Mary, Don't Take Me On No Bad Trip
3. I'd Rather Be A Blind Man
4. Can't You Hear Me Call You, Woman
5. Save A Little
6. Jo-Jo
7. Red Moon
8. Sweet Sweet Lady
9. Revelation (Unreleased Take)
Ellington "Fugi" Jordan という人物の CD。1967年の作品をリイシューしたもの。
アルバム・タイトルの "Mary, Don't Take Me On No Bad Trip" は,Curtis Mayfield 風のファンクを泥臭くルーズにした感じの曲で,a cult collecter's item らしい。
ただし,この CD を買ったのは,その曲が目的ではなく,Etta James "I'd Rather Go Blind" のオリジナルといわれている "I'd Rather Be A Blind Man" が収録されているから。
この曲は,昔,日本盤のコンピ LP にシングルから盤起こしされたものが入っていて,それは入手済みなのだが,CD として持っておきたかったし,ほかの曲も聴いてみたかった。
Ellington Jordan という名前 (Duke 〜 と Louis 〜 にちなんで名づけられた) からして胡散臭そうだが,この人物が "I'd Rather Go Blind" の元歌を書いたということは,Etta James の自伝「Rage To Survive」にも記述があるらしく,どうやら本当みたい。
◎ Etta James "Tell Mama: The Complete Muscle Shoals Sessions" [Chess/MCA 088 112 518-2]
当時,Etta の愛人だった Billy Foster と刑務所で知り合った Fugi が,その中で書いた曲を Chess Records に持っていったのだそうだ。
その B. Foster は,Etta のバージョンなどで共作者としてクレジットされている人物。
Fugi のバージョンは,Etta の Fame 録音とほぼ同時期にシカゴで行われ,ピアノを弾いているのは Donny Hathaway ということになっている。
Muddy Waters も録音に参加しているという噂があったらしいが,どうやらそれはガセネタのようだ。
"I'd Rather Go Blind" のカバーとして手元にあるのは,Clarence Carter や Koko Taylor,Marcia Ball など。
◎ Clarence Carter "The Dynamic" [MMG AMCY-69]
◎ Koko Taylor "From The Heat Of A Woman Plus" [Alligator KICP 2402]
◎ Marcia Ball "Soulful Dress" [ROUNDER CD 3078]
特に Clarence Carter のアルバムは,Duane Allman のギターが大活躍する "The Road Of Love" なども収録されていて,今でも愛聴盤。
その1曲目の "I'd Rather Go 〜" を聴きながら,何度涙にくれたことか・・・(^_^;)
しかし,この曲のカバーでいちばん思い出深いのは,Rod Stewart / The Faces の,二日連続して武道館で聴いたライブ・バージョン。
ロッドのボーカルはもちろん,ロン・ウッドのギター・ソロが非常に素晴らしかった。
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2005年12月20日 22時55分
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Dr. John And The Lower 911 "Sippiana Hericane" [Blue Note/EMI 0946 3 45687 2 2]
1. Clean Water
2. Wade: Hurricane Suite- I. Storm Warning
3. Wade: Hurricane Suite- II. Storm Surge
4. Wade: Hurricane Suite- II. Calm In The Storm
5. Wade: Hurricane Suite- IV. Aftermath
6. Sweet Home New Orleans
7. Clean Water (Reprise)
これで,4度目の donation。
まさか,こういう趣旨の商品まで CCCD にするとは・・・(^_^;)
たまたま CDDA のを置いてあるショップが見つかったから良かったものの,そうでなければ買わなかった。
Herman Ernest III (Drums/BV),David Barard (Bass/BV),John Fohl (Guitar/BV) というメンバーからなるグループ The Lower 911 をバックに,チャリティーのために急遽録音された25分ほどのミニ・アルバム。
このグループ名にも強烈なメッセージがこめられているわけですね。
1. 7. Clean Water は Bobby Charles の作品で,1987年の同名のアルバムに収録されていた曲。
手元にあるのは,昨年発売された CD↓の,Bonus Disc。
◎ Bobby Charles "Last Train To Memphis" [PROPER PRPCD016]
6. Sweet Home New Orleans は,Dr.John のオリジナルで,1998年のアルバム↓に収録されていた。
○ Dr. John "Dr. John Plays Mac Rebennack"
2.〜4. Wade: Hurricane Suite は,ゴスペルのトラディショナル曲である "Wade In The Water" のテーマをアレンジした組曲。
この "Wade In 〜" は,Ramsey Lewis がインストルメンタルで,ヒットさせたこともある。
◎ Ramsey Lewis: Various Artists "Chess Soul - A Decade Of Chicago's Finest [2 CDs]" [CHESS MVCE-30023〜4]
そのインスト・バージョンは,MG's や Willie Mitchell によってカバーされていた。
◎ Booker T. & The MG's "Play The Hip Hits" [ace/STAX CDSXD 065]
2000年に発売された未発表曲集。2003年の "Soul Men" というタイトルのアルバムも,内容は同じ。
◎ Willie Mitchell "Robbin's Nest / Rarities" [Hi HILO 184]
1970年の "Robbin's Nest" に収録。この後 Al Green などのバックアップが忙しくなったためか,Willie Mitchell 名義のソロ・アルバムとしては,コレが最後。
SAR 時代の Soul Stirrers が,Sam Cooke / J.W. Alexander の共作として録音したバージョンもあるが,これはほとんど別の曲。
◎ Various Artists "Sam Cooke's SAR Records Story (2 CDs)" [SAR/abkco 2231-2]
1999年に,Crume Bros. が中心の Soul Stirrers もそのバージョンを録音している↓が,
◎ Soul Stirrers, The "Traveling On…" [Gospel Jubilee GJCD-1200-2]
Staple Singers が録音している "Wade In 〜" ↓は,トラディショナル・バージョンのはずなのに,Sam Cooke / J.W. Alexander のクレジットになっているのは,なぜ・・・???
◎ Staple Singers, The "Freedom Highway" [Columbia/legacy CK 47334]
ストーンズの今回のツアーでは,会場内に寄付が直接できるブースが設けられていて,そこで寄付をすると,キースの弾き語りをロニーがスライドでサポートした "Hurricane" というタイトルの CD がもらえるらしい。
1分30秒ほどの短い曲らしいが,ほしい・・・(^_^;)
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2005年12月17日 08時31分
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Sam Cooke "Ain't That Good News (Hybrid) [SACD]" [ABKCO 98992]
1. (Ain't That) Good News
2. Meet Me At Mary's Place
3. Good Times
4. Rome (Wasn't Built In A Day)
5. Another Saturday Night
6. Tennessee Waltz
7. A Change Is Gonna Come
8. Falling In Love
9. Home (When Shadows Fall)
10. Sittin' In The Sun
11. There'll Be No Second Time
12. The Riddle Song
1964年の LP をそのまま CD 化したアルバム。
Sam Cooke が生前に発売した最後のスタジオ録音集。
当初は,Sam が娘の名前にちなんで名づけた Tracey というレーベルが製作し,RCA が配給していたが,いつのまにか ABKCO のものになってしまった・・・(^_^;)
CD でも,LP 時代と同じ曲順になっていて,A面(1. 〜6. )はビートの効いた R&B サイド,B面(7. 〜12. )はストリングスが大活躍する Pop / Standard サイドという風にはっきりと色分けされている。
LP には,Hugo & Luigi のサインのあるライナーが付いていて,その冒頭は,
In this LP, two sides of Sam Cooke. The first side, strong and rockin'; the second side, ballads ... deep and soulful.
という文句で始まっていた。
Sam Cooke にハマるきっかけとなった Specialty の名編集盤 "The Two Sides of Sam Cooke" は,このアルバムのコンセプトを借用したにちがいない。
アナログ盤を聴いていた当時は,B面は1曲目だけ聴いて,あとはA面を繰り返し聴くことが多かったけれど,CD 化され,全体を通して聴いたりシャッフルモードで聴いたりしていると,フルオーケストラをバックにスローなバラードを歌う Sam Cooke の素晴らしさに,改めて気付かされる。
ラストの "The Riddle Song" は,「泣かない赤ん坊」というなぞなぞを解いていく子守唄で,例の伝記本(「Mr.Soul サム・クック」ダニエル・ウルフ著)には,息子を事故でなくした直後に録音された曲として紹介されていた。
ただ,その録音中に Sam が泣いたと書かれている割には,このスタジオ録音はあっさりした出来にしか聴こえなかったが,DVD "LEGEND" に収録されたライブ映像を見て初めて,この曲の奥深さが理解できるようになった。
DVD に収録されたバージョンは,1番の歌詞の部分はカットされていて2番からなのだけれども,Sam Cooke の表現力の豊かさたるや,鳥肌が立つほどすさまじい。
今日は,Sam Cooke の命日。
Bobby Harris "We Can't Believe You're Gone" や,Donald Height "A Tribute To Sam",Johnny Copeland "Tribute To Sam Cooke" を聴きながら,Sam Cooke の冥福を祈ることにしたい。
R. I. P.
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2005年12月11日 11時14分
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Otis Redding "Live in Europe" [ATLANTIC 20P2-2363]
1. Respect [3:48]
2. Can't Turn You Loose [3:24]
3. I've Been Loving You Too Long (To Stop Now) [4:07]
4. My Girl [2:42]
5. Shake [2:55]
6. Satisfaction [3:19]
7. Fa-Fa-Fa-Fa-Fa (Sad Song) [4:30]
8. These Arms Of Mine [2:58]
9. Day Tripper [2:55]
10. Try A Little Tenderness [5:15]
今日は,Otis Redding の命日。
ハーレム・スクエアのライブがきっかけで Sam Cooke のファンになった人が多いように,このヨーロッパでのライブを聴いて,Otis のファンになった人もたくさんいるはず。
5. Shake が,Sam Cooke のカバー。
この曲の聴き所は,もちろん Al Jackson Jr. のドラム。
いつもはバックアップに徹してシンプルなパターンを刻むことが多い Al だが,この曲ではド派手に叩きまくっている。
血沸き肉躍るとは正にこのこと。飛び散る汗が目に浮かぶよう。
よほど汗っかきだったのか,Stax-Volt tour のビデオでは肩にタオルをかけて演奏しているけれども,あれはちょっとダサイ・・・(^_^;)
Sam のオリジナルでドラムを叩いていた Earl Palmer ももちろん素晴らしく,彼のライブでのプレイは,Lou Rawls "LIVE!" で聴くことができる。
"Satisfaction" に関しては,実は Otis Redding がオリジナルでストーンズはそれをカバーしたのだ・・という噂が流されたことがあったが,ライブでのホーン・セクションも含めたアレンジについては,こちらのほうが本家本元であると認めざるを得ない・・・(^_^;)
"THE !!! BEAT Vol. 3" で歌っている Jimmy Church のバージョンも,明らかに Otis のほうを意識していた。
"Day Tripper" は,ビートルズのカバー。Otis が "Try A Little Tenderness" の収録された "Sam Cooke at the Copa" のレコードを擦り切れるほど聴いたというのは有名な話だけれども,当時 "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" もよく聴いていたらしい。
今日は,Otis の冥福を祈りながら,Arthur Conley の "Otis Sleep On" や,William Bell の "Tribute To A King"(Johnny Jenkins もカバーしていた) などを聴きながら,一日を過ごすことにしよう。
<追記>
2008年には,当時のショーをほぼ完全に再現した ↓ のようなアルバムもリリースされている。
● "Live In London & Paris" [Stax UCCO-4051] -2008
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2005年12月10日 08時50分
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John Lennon "Rock 'n' Roll" [EMI 7243 874329 2 5]
1. Be-Bop-A-Lula 2. Stand By Me 3. Medley: Rip It Up/Ready Teddy 4. You Can't Catch Me 5. Ain't That A Shame 6. Do You Wanna Dance 7. Sweet Little Sixteen 8. Slippin' And Slidin' 9. Peggy Sue
10. Medley: Bring It On Home To Me / Send Me Some Lovin'
11. Bony Moronie 12. Ya Ya 13. Just Because
14. Angel Baby 15. To Know Her Is To Love Her 16. Since My Baby Left Me 17. Just Because (Reprise)
今日が命日の John Lennon も,Sam Cooke をカバーしていた。
10. Medley: Bring It On Home To Me / Send Me Some Lovin'
後半の "Send Me 〜" も,オリジナルは Little Richard だが,Sam Cooke も歌って中ヒット(Black Singles:3,Pop Singles:13)させていた曲。
未確認だけれども,カラオケに収録されている "Send Me 〜" は,Sam Cooke のバージョンらしい。Little Richard のオリジナルは前奏なしでボーカルに入るので,確かにカラオケでは歌いにくそう・・・(^_^;)
Sam Cooke のマネージャーという肩書きをえさに,Allen Klein がイギリスのミュージシャンたちに売り込みに行ったとき,初めて会った John Lennon は,"If you can understand Sam Cooke's music, you can understand mine." と言ったらしい。(「Mr.Soul サム・クック」ダニエル・ウルフ著 より)
当時 Allen Klein は,Herman's Hermits や Dave Clark Five,Donovan,そして Rolling Stones との契約に成功している。
おかげで,ストーンズの連中がひどい目に合わされているのは,周知の通り。
Beatles に関しては,「スウィート・ソウル・ミュージック」での Dan Penn の発言↓(日本語版 p. 431) に,ほぼ全面的に同意なのにもかかわらず,John Lennon のこのアルバムは,けっこうお気に入り。
"I never did like their(Beatles') music, still don't. I thought they opened up a can of worms, turned all the guitar players loose. I don't think they was nothing compared to the great black r&b singers (which I thought I was for a long time)."
Dan Penn のストーンズに関する発言は,目にしたことがないが,日本でも歌い,↓のアルバムにも収録されている "Goodbye London" という曲は,あの "Satisfaction" のリフをモチーフにしているのでは・・・?
◎ Dan Penn "Blue Night Lounge" [Tom's Cabin TCR-001]
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2005年12月8日 21時13分
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Otis Redding "Remembering Otis" {DVD} [Pioneer PA-11670]
1. Introduction
<The Stax-Volt tour with special guests>
2. Shake
3. My Girl
4. Green Onions (Booker T. and The MG's)
5. Something Is Wrong (Sam & Dave)
6. Hold On I'm Coming (Sam & Dave)
7. Satisfaction
8. Try A Little Tenderness
9. Sitting On The Dock Of The Bay [Slide Show]
<Monterey Pop>
10. Intro by Tommy Smothers
11. Shake
12. Respect
13. I've Been Loving You
14. Satisfaction
15. Try A Little Tenderness
"Shake" が Sam Cooke のカバー。
"Try A Little Tenderness" も,Sam Cooke がレパートリーにして Copa で歌った曲。
前半の Stax-Volt tour はモノクロだが,Sam & Dave が登場。
後半の Monterey Pop はカラーだけれども,ドキュメンタリーとしてステージ以外の映像も挿入されている。
そもそも Monterey Pop は,Herb Alpert とともに "Wonderful World" の共作者としてクレジットされている Lou Adler が開催したフェスティバルで,その収益の一部はサム・クック記念奨学基金の設立に充てられ,ゲットーの子供達が音楽教育を受ける手助けとなったそうだ。(「Mr.Soul サム・クック」ダニエル・ウルフ著 より)
この DVD の 8. Try A Little Tenderness は4分20秒ほどの長さで,9. Sitting On The Dock Of The Bay のスライド・ショーに画面が移ってしまうのだが,それより2分近く長い完全版のビデオが・・・!!!
たしかに「ひつこい」 (^_^;)
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2005年12月7日 21時23分
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Otis Redding "Sings Soul Ballads" [MMG 20P2-2369]
1. That's How Strong My Love Is (Jamison)
2. Chained And Bound (Redding)
3. A Woman, A Lover, A Friend (Wyche)
4. Your One And Only Man (Redding)
5. Nothing Can Change This Love (Cooke)
6. It's Too Late (Willis)
7. For Your Precious Love (Brooks/Butler)
8. I Want To Thank You (Redding)
9. Come To Me (Walden/Redding)
10. Home In Your Heart (Scott/Blackwell)
11. Keep Your Arms Around Me (McClinton)
12. Mr.Pitiful (Cropper/Redding)
1965年発表の Otis Redding の2作目。
アルバム単位では,いちばんのお気に入り。CD で聴くと,"It's Too Late" の余韻が覚めやらぬうち "For Your Precious Love" がすぐに始まってしまうことに,いまだに違和感を感じてしまうほど,LP で聴きこんだ。
5. Nothing Can Change This Love が,Sam Cooke のカバー。1962年のヒットで,"Bring It On Home To Me" の次のシングル。
その "Bring It 〜" と同じくらいヒットしているが,"Bring It 〜" のほうは猫も杓子も・・・という形容が大げさではないほど数多くのカバーがあるのに,この "Nothing Can 〜" は,極端にカバーが少ないのは,なぜ・・・?
歯の浮くようなおめでたいラブ・ソングよりも,失いかけている恋愛の歌のほうが歌いやすい・・・?
ストーンズは,前回のワールド・ツアーでは 1. That's How Strong My Love Is を取り上げ,今回は 12. Mr.Pitiful を演奏してくれている。
"That's How Strong 〜" のほうは,昔 "Out Of Our Heads" のアルバムに収録されていたので,ライブで演奏してもそれほど不思議に思わなかったが,今回の "Mr.Pitiful" には,ビックリ仰天・・・。
このブログのアクセス数は,だいたい1日平均30ちょっとあって,今年初めに開始してからの延べアクセス数が1万を超えているのは,そのおかげもあるかも・・・?
"Mr.Pitiful" で検索すると,ココがトップに表示されるのは,うれしいような恥ずかしいような・・・(^_^;)
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2005年12月6日 22時35分
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Otis Redding "Pain In My Heart" [MMG 20P2-2361]
1. Pain In My Heart
2. The Dog
3. Stand By Me
4. Hey Hey Baby
5. You Send Me
6. I Need Your Lovin'
7. These Arms Of Mine
8. Louie Louie
9. Something Is Worrying Me
10. Security
11. That's What My Heart Needs
12. Lucille
もうすぐ Otis Redding,そして Sam Cooke の命日ということで,Otis が歌った Sam の曲の特集。
まずは,記念すべき1st LP から,5. You Send Me。
この曲を,このテンポこのアレンジでやるのなら,ストリングスやコーラスを加えたほうが完成度が増したような気がする。
Otis 自身は嫌がるかもしれないし,アルバム全体の流れからすれば,これしかないという歌・演奏なのだが・・・。
ただ,この曲のカバーについては,Manhattanns のバージョンのほうに軍配を上げたい。
Otis の Best 10 とかを選ぶとなると,どうしようもなく迷ってしまうのだけれども,1曲だけ選べと言われれば,躊躇なく 11. That's What My Heart Needs を選択する。
基本的には "These Arms Of Mine" と同じパターンの曲なのだが,こちらのほうが完成度が高いように思う。
この曲は,Sam Cooke の "Let's Go Steady Again" の歌い出しの一節 ( You left me for another. )をそのまま借用していて,Otis は後に,その "Let's Go Steady (Again)" をディープなソウル・バラードにアレンジして Arthur Conley に歌わせ,その A.C. のバージョンは,Keith Richards によってカバーされていた。
3. Stand By Me も,The Ovations の "Don't Cry" から,Johnnie Taylor が歌った "God Is Standing By",そして今回の "The Best Of 〜" ではカットされてしまった "Summertime [Alternate Take]" までさかのぼれば,Sam Cooke につながってしまう。
Johnnie Taylor が DVD "THE !!! BEAT Vol. 3" で歌う "Rome Wasn't Built In A Day" のイントロは,"Stand By Me" そのものだった。
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2005年12月5日 21時57分
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Aaron Neville "Christmas Prayer" [EMI EGD 73631]
1. Christmas Prayer 2. Go Tell It on the Mountain 3. Mary's Boy Child 4. White Christmas 5. Joy to the World 6. Merry Christmas Baby 7. Hark the Herald Angels Sing 8. First Noel 9. Christmas Everyday 10. O Come All Ye Faithful 11. Ave Maria 12. It Came Upon a Midnight Clear 13. Amen 14. Amazing Grace
↓というシールが貼ってあった。ほんのわずかずつではあるが,寄付はこれで3度目・・・(^_^;)
AARON NEVILLE and EMI GOSPEL will donate .60c for every CD sold through December 31, 2006 to the American Red Cross.
14. Amazing Grace はボーナス・トラックで,そのシール以外,CD のライナーなどには何も記載されていないが,以前 "Believe" などに収録されていたものと同じ。B3 Organ は,Art Neville。
11. Ave Maria も,"Aaron Neville's Soulful Christmas"(1993) 収録バージョンの再録だった。
ただし,4. White Christmas は,Neville Family のコーラスがフィーチュアされた 新録の Doo-Wop バージョン。
Christmas アルバムとしては2作目で,前作よりはゴスペル風味が強調されているため,ぼくのような不信心者にははっきり言って付いていけないところもあるが,今回も Charles Brown の "Merry Christmas Baby" が採り上げられているあたり,多少は R&B ファンも意識している・・・?
ゲストとしては,"Joy to the World" にThe Blind Boys Of Alabama が参加しているほか,8. 12. では,Reggie Young がギターを弾いている。
最近はずっと立ち読みですませていた「ミュージックマガジン」を,「がんばれ!ニューオーリンズ!!」という緊急特集が組まれていたので,久しぶりに購入。
http://helpno.exblog.jp/1942095/
これから続々と N.O. 関連の CD・DVD が発売され,その利益の一部が募金されるようになっているので,ぼくも協力したい。
Randy Newman 自身がオーケストラをバックに歌う "Louisiana 1927" が収録された↓は,確実に購入する予定。
○ Various Artists "Our New Orleans: A Benefit Album for the Gulf Coast"
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BNTM0U/
ハリケーン前だが,キースが飛び入り参加したというコンサート↓の DVD も日本盤が出れば,購入するつもり。
□ Various Artists "Make It Funky (Ws Sub Ac3 Dol)"
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000AA4JMA/
そのほか,↓のようなアルバムも聴いてみたい。
○ Various Artists "Hurricane Relief: Come Together Now"
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BVD46A/
○ Various Artists "Higher Ground Hurricane Benefit Relief Concert"
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BM7YI8/
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2005年11月23日 13時02分
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Jackson Browne "Solo Acoustic: Vol.1 (Bonu Track)" [SONY MHCP 895]
1. The Barricades Of Heaven
2. Intro 3. These Days
4. Intro 5. The Birds Of St. Marks
6. Intro 7. Fountain Of Sorrow
8. Your Bright Baby Blues
9. For A Dancer
10. Too Many Angels
11. Intro 12. For Everyman
13. Intro 14. Lives In The Balance
15. Intro 16. Looking East
17. Intro 18. The Pretender
19. Intro 20. Take It Easy
21. The Rebel Jesus
ボーナス・トラック(21)が付いて,歌詞はもちろん,語り部分(Intro)の対訳も含まれた日本語ブックレット付きの日本盤を購入。
昨年発売された2枚組のベスト盤 CD は,全然まったく買うつもりがなかったけれども,たまたま入った CD ショップで流れている曲を聴いているうちに非常に懐かしくなって,矢も盾もたまらなくなり,手にとってレジに向かってしまった。
◎ Jackson Browne "The Very Best of Jackson Browne (2 CDs)" [Elektra/Rhino 8122 78091 2]
何しろ学生のころは,Mr.Pitiful or The Pretender だったので・・・(^_^;)
1曲目 "Doctor My Eyes" のギターが Jesse Ed Davis だということすら忘れていたが・・・。
このアルバムでも演奏されている "Your Bright Baby Blues" などは,コードをかき鳴らすだけなら今でもできる・・・と思う。
その曲のスタジオ録音で聴ける Lowell George のギターは,コーラスも含めて,彼のベスト・プレイのひとつだったはず。
ここでは,その曲を Jackson Browne 自身のスライド・ギターで歌っている。
ボーカルはともかく,ギターはとてもじゃないが上手いとは言えず,日本盤ライナーによると「僕や友人たちにとっての師だった」と回想されている Lowell George の演奏に,はるかに及んでいない・・・と感じたのは,最初,あのスタジオ録音のイメージを思い浮かべながら聴いたときの印象で,2度目から BGM 的に流して自然に耳に入ってくる音を聴いていると,だんだんと違和感が薄れてきた。
曲によって,スタジオ録音のイメージにすんなり重なるものと,そうではないものがあるようだ。
と言っても,アナログ盤で追いかけていたのは,1980年の "Hold Out" くらいまでで,その後は遠ざかっていたため,初めて聴く曲も多いのだが,・・・。
そういう曲を聴いて,そのスタジオ録音を改めて聴いてみたいとは思わないけれども,このシリーズの Vol.2 が出たら,やはり聴いてみたいと思う。
それほど,懐かしくてたまらない声だった。
デジパック仕様で,内側には最近のポートレートが使われているのだが,それを見ていると,表紙で顔を隠したくなる気持ちがよくわかる。
お互い,歳はとりたくないもんです・・・(^_^;)
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2005年11月21日 20時36分
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Eddie Hinton "Beautiful Dream: Sessions Vol. 3" [ZANE ZNCD 1023]
1. Nice Girl
2. You Left The Water Running
3. You Made Me Sing
4. Everybody Meets Mr. Blue (Alt. Version)
5. Just Another Wild Love Affair
6. Got To Be Good
7. Beautiful Dream
8. Alleyway
9. I Won't Let You Down
10. Let It Roll (Alt. Version)
11. Same Old Thang
12. Lay It On Me
13. Blue Blue Feeling
14. Neighbour Neighbour
15. Walking With Mr. Lee
16. Turn On Your Love Light
Vol. 3 ということだが,前作までは "The Songwriting Sessions" だったのに,今回はただの "Sessions" というタイトルになっている。
1. 3. 5. と 13.〜16. は,CDbaby から発売されていた 5 Menits の CD に収録されていた曲と同じみたい。その CD はまだ注文していないので,ありがたかった。
このアルバムでは,1.3.5. が The Tuscaloosa All Stars,13.〜16. が 5 Menits ということになっている。
"The Night Before, Vocal: Eddie Hinton" は入っていないが,サンプルを聴くといかにもビートルズ風で,この CD に収録するには違和感がありそうな曲だしね・・・(^_^;)
その他の収録曲で気になるのは,やっぱり "You Left The Water Running"。
この Eddie Hinton のバージョンは,1975年の Muscle Shoals で,おなじみの David Hood と Roger Hawkins をバックに,自身のギターのみで録音されている。
ライナーによると,この曲のいくつかあるカバーのうち,Eddie Hinton は,Maurice & Mac のレコーディングには参加していたらしいが,ここで聴けるバージョンは,どちらかというと Otis のものに近い,比較的軽めの音になっている。
というわけで,"You Left The Water Running" 特集。
◎ Otis Redding: Various Artists "The Muscle Shoals Sound" [Rhino R2 71517]
いかにもデモ録音らしい,軽くあっさりとした音。Otis 自身がギターを弾いて,Phil Walden がタンバリン。
◎ Wilson Pickett "The Wicked Pickett" [ATLANTIC 7567-80280-2]
1966年の Fame 録音。この時期の Pickett は,まだまだ成長途上。
◎ James & Bobby Purify "The Best of James & Bobby Purify" [sundazed/BELL SC 11096]
これも1966年で,"I'm Your Puppet" などとほぼ同時期に録音されているらしい。
◎ Don Varner "Finally Got Over!" [RPM/Shout RPMSH 299]
1967年の録音で,プロデュースは Quin Ivy。怒涛の最速バージョン。
● Maurice & Mac: The Radiants "The Single Collection 1962-1970" [Rack O' Ribs RORR 4544]
ねちねちと暑苦しいアレンジ。1968年の Muscle Shoals 録音。このギターが Eddie Hinton?
◎ Sam & Dave "Sweat 'n' Soul: Anthology (1965-1971) [2 CDs]" [ATLANTIC/Rhino R2 71253〜4]
未発表作で,Tom Dowd & Jerry Wexler のプロデュース。やはり '60年代末の Muscle Shoals 録音か?
◎ Booker T. & The MG's "Play The Hip Hits" [ace/STAX CDSXD 065]
Booker T. のオルガンがでしゃばりすぎるのは,さすがにちょっと・・・(^_^;)
● Barbara Lynn "The Crazy Cajun Recordings" [Edsel EDCD 586]
手持ちの CD 中では,唯一の女性カバー。他のバージョンとは,一味ちがうアレンジになっている。
● James Govan "I'm In Need" [Over-Easy/Overture 30020-2]
1982年に Quinvy 改め Broadway Sound スタジオで録音されている。
● Dan Penn "Do Right Man" [SIRE/WARNER 9 45519-2]
◎ Dan Penn and Spooner Oldham "Moments From This Theatre: LIVE" [PROPER PRPCD 9]
日本でも演奏してくれた。歌い始める前に Otis との思い出をチラッと話していたのが印象的。
◎ Eddie Hinton "Beautiful Dream: Sessions Vol. 3" [ZANE ZNCD 1023]
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2005年11月20日 08時26分
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Langston Hughes のエッセイ中の「ブルース」の定義「おかしがるには悲しすぎ,悲しがるにはおかしすぎる」を読んで連想したのが,このマンガ→。
この本の内容も「ブルース」そのものと言えるのでは・・・?
一般の人が読んではいけない本だと思うが,どういうわけかベストセラーになって,一般の書店でも平積みされているのを見ると,不思議で仕方がない。いったいどんな人がこのマンガを読んでいるのだろう???
この本を知ったのは,堀晃さんの「マッドサイエンティストの手帳」で,そのころはまだ一部の書店にしか置いておらず,ぼくが購入したのは,日本橋の裏通りのコミック専門ショップ。
屋根裏のダンボール箱の中には,奇想天外社発行の「不条理日記」が眠っているが,当時それがベストセラーになっていれば,この本に書かれているような体験をせずにすんだかもしれない (^_^;)
もちろん,一部のマニアの間では絶賛されていて,ぼくも大好きだったのだが・・・。
堀さんも書いている通り「天才」にはちがいないのだけれど,それはあくまでも隠れた存在として価値があるのであって,こんな風に表沙汰になってしまうのは,本人も心外に思っているはず。
有名になりすぎると,もう「失踪」できなくなってしまうし・・・。
"Dream Boogie" を読むほうは,まったく進んでいない・・・(^_^;)
それはもちろん,語学力の無さが理由のほとんどだが,実物を手にとってもらえばわかってもらえると思うが,ハードカバーのしっかりとした造りの重厚な本なので,持ち歩いて読んだり寝床に入ってから読めるような重さではないというのも理由のひとつ。
最近は日本語の本ですら,文庫本でないと読めなくなってしまっているので・・・。
大好きな山田正紀でさえ,「神狩り2」はさすがに単行本で読んでしまったが,「ミステリ・オペラ」や「イノセンス」,「渋谷一夜物語」も文庫本になってやっときちんと読み終えることができた。
最近は,「僧正の積木唄」をカバンの中に入れて持ち歩いているという,今日この頃であります。
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2005年11月18日 21時21分
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CHEAP TALK |
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Peter Guralnick による新しい伝記本の "Dream Boogie" という書名は,Langston Hughes の詩のタイトルから採られていた。
Gritz さんに紹介してもらったネットラジオ↓でも
http://www.onpointradio.org/shows/2005/11/20051111_b_main.asp
話題になっていたと思うが・・・?
何しろ,10年ほど前に受けた TOEIC のリスニング・スコアは360しかなく,自信のあったリーディングはそれ以下で,余裕で超えるはずだった700にも届かず,それ以降,衰えることはあっても・・・というレベルなので・・・(^_^;)
その原詩は↓のサイトに引用されているものが,空白行やインデントも含めてオリジナルな形に最も近いようだ。
http://www.loc.gov/rr/program/journey/hughes-transcript.html
日本語訳は,思潮社から出ている「ラングストン・ヒューズ詩集」の pp.103-104 に掲載されていた。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4783724318/
絶版になっているが,図書館で確認。
読み比べればわかっていただけると思うが,正直,あまり良い訳とは思えない・・・と言っても,どのように訳すのが適当なのかもわからないが・・・(^_^;)
少なくとも,最後のほうの Take it away! は,「(放送で)では始めなさい」= You're on the air. という意味があるようなので,そちらのほうがふさわしいのではないか?
ほかには,rumble に street fight の意味もあるのが気になるし,a dream deferred のイメージがよくわからない・・・。
思潮社版の詩集には「ブルースと呼ばれる歌」というエッセイも収録されていて,それがたいへんおもしろい内容だったので,一読をお勧めしたい。
「ブルース! 心が痛むとき,ひとびとがつくる歌,それがブルースっていうものだ。悲しくておかしい歌,−−おかしがるには悲しすぎ,悲しがるにはおかしすぎる」
"sad funny songs — too sad to be funny and too funny to be sad"
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2005年11月16日 23時17分
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Dream Boogie |
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Johnny Adams "The Great Johnny Adams Blues Album" [ROUNDER 11661-2182-2]
1. Not Trustworthy (A Lyin' Woman) 2. My Heart Is Hangin' Heavy
3. Laughin' And Clownin'
4. Danger Zone 5. Imitation Of Love 6. Garbage Man 7. Roadblock 8. Scarred Knees 9. Fortune Teller 10. Room With A View 11. My Baby Quit Me
最近発売された ROUNDER 時代の,ブルースっぽい曲を集めた編集盤 CD。
未発表曲があるかも・・・と期待したが,すべて既発のアルバムに収録されていた曲ばかりだったのは残念。
曲数も少ないが,通常の ROUNDER の CD より多少安くなっているようだ。
Sam Cooke のカバーである "Laughin' And Clownin'" は,レーベルを移籍して初めてのアルバム↓に収録されていた曲。
◎ Johnny Adams "From the Heart" [ROUNDER CD 2044]
"Night Beat" に収録されていた曲で,Bobby Womack や Otis Rush,Phillip Walker もカバーしている曲だが,彼らがオリジナルよりもっとストレートなブルースにアレンジして歌っているのに対して,Johnny Adams は,ちょっぴりセカンド・ライン・ファンクっぽいビートに乗って,熱く歌っている。
キャリアの長いシンガーなのに,なぜか1枚もライブ盤がない・・・?
手持ちの CD には1曲だけ "Johnny A's Blues" というライブ録音が収録されたアルバム↓がある。
◎ Various Artists "More Gumbo Stew: Original AFO New Orleans R&B" [ace CDCHD 462]
聴いてもらえばわかるが,録音状態は最悪なのだけれども,その分,臨場感はたっぷり。
"I Won't Cry" という,当時まだ10代だった Dr.John によってプロデュースされた最初のヒット曲の直後(1960年ごろ)の録音で,ピアノを弾いているのは Ellis Marsalis。今回の MusiCares Hurrincane Relief で中心的な役割を果たしている Braford Marsalis や,ジャズにはあまり興味のないぼくでも名前を聞いたことがある Wynton Marsalis の父親。
サックス(Alvin Batiste,Nat Perrilliat)のクレジットはあるがフルートやピッコロはないので,途中から聴こえるのは,ひょっとすると Johnny Adams 自身の口笛か?
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2005年11月13日 21時11分
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COVERs of Sam Cooke |
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Various Artists "A Celebration Of New Orleans Music To Benefit MusiCares Hurrincane Relief 2005" [ROUNDER 11661-2185-2]
1. Dirty Dozen Brass Band Mardi Gras In New Orleans
2. Davell Crawford Something You Got
3. Harry Conick,Jr. with Branford Marsalis Good To Be Home
4. Irma Thomas Second Line Medley: I Done Got Over/Iko Iko/Hey Pocky Way
5. Al Johnson Carnival Time
6. Bo Dollis and the Wild Magnolias Meet De Boys On De Battlefront
7. Eddie Bo Check Mr.Popeye
8. Rebirth Brass Band Do Whatcha Wanna
9. Jerry Roll Morton I'm Alabama Bound
10. James Booker Lawdy Miss Clawdy
11. Theryl De'Clouet with Galactic I Get Lifted
12. New Orleans Nightcrawlers Keep On Gwine
13. Braford Marsalis Quartet B's Paris Blues
14. Professor Longhair Cuttin' Out
15. Walter Wolfman Washington and the Roadmasters Funkyard
16. Johnny Adams and Aaron Neville Never Alone
"100% of proceeds to benefit musicians affected by Hurricane Katrina." というシールが貼ってあった。
直接ではないがストーンズを通じていくらかは寄付してあるので,これで2度目のはず・・・(^_^;)
The band's "A Bigger Bang Tour" has made a $1 million donation to the American Red Cross Disaster Relief Fund for Hurricane Katrina.
http://www.rollingstones.com/news/news.php?uid=409
ストーンズが New Orleans で生まれた音楽から受けた恩恵は100万ドルくらいでは足りない・・・と言う人もいるだろうが,ストーンズを通じて N.O. の音楽に興味を持った,ぼくのような人間もかなりいるだろうし,コンサート会場には直接寄付ができるブースも設けられているようだから,ツアー終了後にはさらに多額の寄付が行われるはず。
このアルバム中で,手持ちの CD と重複していたのは,Irma Thomas と Johnny Adams。
〜 Brass Band の演奏は好きだけれども,腰痛持ちにはちょっとつらい・・・(^_^;)
やっぱり Johnny Adams with Aaron Neville という「N.O. が生んだ最高のシンガー」(by Dr.John) の揃い踏みによるアカペラ "Never Alone" が心にしみる。
この曲は,Johnny Adams の最期となったアルバム↓や,ベスト盤↓にも収録されていた。
◎ Johnny Adams "Man of My Word" [ROUNDER 2155]
◎ Johnny Adams "There Is Always One More Time" [ROUNDER 1166-11581-2]
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2005年11月13日 18時19分
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George Jackson "WHAT would YOUR mama SAY?" [Grapevine GVCD 3026]
1. Without You 2. (Ain't Nothing Like A) Sweet Woman's Love 3. Fallin' Back In Love 4. Make You Feel Love Again 5. What Would Your Mama Say? 6. I Know She Misses Me 7. Lovin' You 8. Till I Find Some Way 9. As Long As I Can Count On Your Love 10. Feed The Hunger For The Night 11. I Wish I Could Be Your Lover 12. You're In Love 13. Song And Dance Man 14. A Little Taste Of Outside Love 15. Love Vibrations 16. Another Woman Involved 17. Just Can't Make It Without You 18. New York Woman 19. All That Time We Could Have Been In Love 20. The Only Way Is Up (Radio Edit) 21. No Mess Off Nobody 22. In Between Drinks
Grapevine から Phillip Mitchell の2枚目が発売されたときに,ひょっとすると George Jackson ももう1枚あるのでは・・・と考えた人もいるはずだが,その期待通り2枚目が発売された。
最初聴いたときは,Z.Z. Hill などで耳に馴染んだ名曲が詰め込まれた1枚目↓に比べると,
◎ George Jackson "in Muscle Shoals" [Grapevine GVCD 3003]
http://www.grapevine-soul.com/GVCD3003.htm
曲自体の魅力がもうひとつのように感じたが,それは単純に耳に慣れていないというだけで,聴き込んでいくうちにまた違った印象に変化するかもしれない。
Muscle Shoals Sound とはいっても,初期の泥臭さは消えてかなり洗練された音になっているが,もちろんこの時代もお気に入り。
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2005年11月12日 08時48分
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