3. と 11. は,Quin Ivy & Marlin Greene のプロデュースで,3. が Norala Sound Studios,11. が Quinvy Studio での録音。
Muscle Shoals Sound の代名詞的な曲として知られ,Atlantic や Chess のシンガーたちによる Fame 詣でが始まるきっかけとなった 3. When A Man Loves A Woman が Fame スタジオでの録音ではなく,Rick Hall はプロデュースに一切関わっていないというのは,興味深い。
ストーンズがカバーした 1. You Better Move On は,1961年夏にタバコの倉庫を改造したスタジオで録音され,以下のようなメンバーが演奏したことになっている。
Piano: David Briggs,Bass: Norbert Putnam,Drums: Jerry Carrigan など。
これらの Fame 最初のスタジオ・ミュージシャンたちは,ソウル・ファンよりもロックやカントリーのファンのほうで知名度が高いはず。
彼らが Rick Hall のケチ臭さに愛想をつかして Nashville に移っていったあと登場するのが,いわゆる Muscle Shoals Rhythm Section と呼ばれる連中だが,Jimmy Johnson,Roger Hawkins,David Hood,Barry Beckett の4人がそろうのは,この収録曲の中では,9. が最初。
ベースは Albert "Junior" Lowe(3. 4. 12.),Tommy Cogbill(6. 7.),Jerry Jemmott(13.) も弾いているし,キーボードには Spooner Oldham(3. 4. 6. 7. 9. 〜12. ) や Clayton Ivey(13. 15. 17. 18.) が加わっている曲も多い。
この編集盤で不思議なのは,Jimmy Johnson や Roger Hawkins たちが初代の連中同様,Rick Hall のケチ臭さに愛想をつかし Jerry Wexler にそそのかされて出て行ったあと,Fame のスタジオ・ミュージシャンとなった Freeman Brown や Jesse Boyce などの Fame Gang による演奏が1曲も含まれていないこと。
やっぱりケチな Rick Hall が音源の提供を渋ったのだろうか・・・(^_^;)
結局 Jerry Wexler に裏切られ,製作した曲がたいして売れずに苦しんでいた Muscle Shoals Sound Studios を救った最初のヒット 14. Take A Letter To Maria を歌っている R.B. Greaves は,Sam Cooke の甥。
アルバムでは "Cupid" と "Ain't That Good News" をカバーしている。
Eddie Hinton の名前がクレジットされているのは,11. 14. 16. の3曲。
昨年発売された "Beautiful Dream" のライナーには,Eddie と Arthur Conley や Otis Redding がいっしょに写っている写真が掲載されており,それにはもう一人黒人が写っていて,それが Moses Dillard に似ているような・・・? ということは,ひょっとすると "Sweet Soul Music" のセッションの現場に Eddie Hinton もいた・・・?