The Beatle Classics
Various Artists "The Beatle Classics" [P-Vine PCD-2009]
1. Twist And Shout (Russell/Medley) - The Isley Brothers
2. Dizzy Miss Lizzy (Williams) - Larry Williams
3. Roll Over Beethoven (Berry) - Chuck Berry
4. Anna (Alexander) - Arthur Alexander
5. Ain't She Sweet? (Yellen/Ager) - Gene Vincent
6. Everybody's Trying To Be My Baby (Perkins) - Carl Perkins
7. Boys (Dixon/Farrell) - The Shirelles
8. Hippy Hippy Shake (Romero) - Chan Romero
9. Long Tall Sally (Johnson/Blackwell/Penniman) - Little Richard
10. Till There Was You (Wilson) - Peggy Lee
11. Devil In His Heart (Drapkin) - The Donays
12. Words Of Love (Holly) - Buddy Holly
13. March Box (Perkins) - Carl Perkins
14. Bad Boy (Williams) - Larry Williams
15. Mister Moonlight (R.L.Johnson) - Dr.Feelgood & The Interns
16. Nothin' Shakin' (Colacrai/Fountaine/Lampert/Cleveland) - Eddie Fountaine
17. Lonesome Tears In My Eyes (Burnette/Burnette/Burlison/Mortimer) - Johnny Burnette Trio
18. Rock And Roll Music (Berry) - Chuck Berry
19. Honey Don't (Perkins) - Carl Perkins
20. Chains (Goffin/King) - The Cookies
21. Baby It's You (David/Bacharach/Williams) - The Shirelles
22. You've Really Got A Hold On Me (Robinson) - Smokey Robinson & The Miracles
23. Act Naturally (Morrison/Russell) - Buck Owens
24. Besame Mucho (Part 2) (Velazquez/Scott) - The Coasters
25. A Taste Of Honey (Marlow/Scott) - Lenny Welch
26. Please Mr.Postman (Dobbins/Garrett/Holland/Bateman/Gorman) - the Marvelettes
27. Slow Down (Larry Williams) - Larry Williams
28. Money (Gordy/Bradford) - Barrett Strong
29. Kansas City/Hey-Hey-Hey-Hey! (Stoller/Leiber/Penniman)- Little Richard
30. Don't Ever Change (Goffin/King) - The Crickets
今から20年ほど前に P-Vine からリリースされていた "〜 Classics" というシリーズのうちの1枚(1989)。日本語解説(鷲巣功・立開生悟) と 「この CD で紹介したオリジナル作品とビートルズの収録アルバム」のリストが付いている。
● V.A. "Rolling Stone Classics" [P-Vine PCD-2005] -1987
● V.A. "Rolling Stone Classics 2" [P-Vine PCD-2537] -1992
"〜 Classics" はストーンズの元ネタ集(↑) から始まったシリーズで,ストーンズが2枚あるのに対してビートルズが1枚だけというのは,彼らの初期のレパートリ中でオリジナル曲の占める割合のちがいをそのまま表している。
ストーンズ版の収録曲からは,彼らが Blues や R&B と直接つながっていることが感じられるが,ビートルズの場合は,もっと幅広い・・・というよりもむしろ手当たり次第でポリシーが無いようにすら思える。
解説(鷲巣) 中にも「ざっと耳を通せば,音楽性の豊かさ,というか節操のなさに呆れる。いくつかの傾向に分けてその量で比較することは出来ても,全体からひとつの流れを見付け出すのはむつかしい。」とある。
「量で比較」した場合,ビートルズが女性のシンガーやグループの作品を数多く取り上げているのに対して,ストーンズは Irma Thomas,Barbara Lynn,Bettye Harris の3人だけと圧倒的に少ないことに,まず気が付く。
11. Devil In His Heart - The Donays の解説(立開) によると,「ビートルズは,ほとんど丸コピーといった感じでこの曲を取り上げているが,そのハーモニーの付け方,コール&レスポンス等,彼等がガール・グループから受けた影響は計り知れないものがある。『ビートルズ・サウンズに最も影響を与えたのは,ガール・グループだ』といっても,過言ではないだろう。」
1. Twist And Shout は,ヒットしてビートルズがコピーしたこのバージョンより前に,Phil Spector がプロデュースした The Top Notes というグループの録音もある。未聴だが,要するに Bert Berns が自分で再録音したくなるような出来だったということで,あまり積極的に聴いてみたいとも思わない・・・(^_^;)
2. 14. 27. と3曲も取り上げられている Larry Williams は,ストーンズもカバーしているシンガーの一人。Art Neville は,Fats Domino や Little Richard と「同じくらいの存在だ」と言っている。(『魂の宿る街ニューオーリンズから ネヴィル・ブラザーズ自伝』p.101)
ただし,彼は本物の "Bad Boy" で,同書(pp.167-68) には Larry Williams の窃盗団に Aaron Neville が加わっていたときのエピソードも紹介されている。
● Larry Williams "At His Finest: The Specialty Rock'n'Roll Years (2 CDs)" [Ace CDCH2 1021] -2004
4. Anna - Arthur Alexander も,ストーンズのレパートリと共通しているシンガーの一人。特に John Lennon がお気に入りで,ほかに "Soldier of Love","A Shot of Rhythm and Blues","Where Have You Been All My Life" なども歌っているそうだ。
◎ Arthur Alexander "The Greatest" [ace CDCHD 922] -2006
Arthur Alexander の pallbearers「棺の付添い人」 の一人 だった Dan Penn は,ビートルズについて,次のように語っているのだが・・・(『スウィート・ソウル・ミュージック』p.431)
I never did like their music, still don't. I thought they opened up a can of worms, turned all the guitar players loose. I didn't think they was nothing compared to the great black r&b singers (which I thought I was for a long time).
15. Mister Moonlight - Dr.Feelgood & The Interns の作者で歌とギターを担当している Roy Lee Johnson の曲を集めた CD が今年発売され,それには Fame で録音されたディープなソウルも収録されていた。
◎ Roy Lee Johnson "When a Guitar Plays the Blues" [Bear Family BCD 16321 AR] -2009
9. 29. の Little Richard は,ビートルズといっしょにツアーしたことがあり,Brian Epstein は続いて Sam Cooke ともブッキングしようとしたらしいが,実現していない。
22. You've Really Got A Hold On Me は,Smokey Robinson が Sam Cooke "Bring It On Home To Me" にインスパイアされて書いたと語っている曲。ライブでメドレーにして歌っているバージョンも残っている。
その "Bring It On Home To Me" は,ビートルズ解散後ジョンもポールもどちらもがカバーして歌っているという珍しい曲。
30. Don't Ever Change (Goffin/King) は,Buddy Holly のバンドだった The Crickets の作品。
今聴くと,メロディー,ハーモニー,曲全体の構成などどれをとってもビートルズ風にしか聞こえないが,ビートルズがデビューする前の1962年の録音。cricket は「コオロギ」。
解説(立開) によると,「ビートルズ初渡米の際,彼等が一番最初にやった事は,キング=ゴフィンにコンタクトをとりつけるという事だったと伝えられている。もちろん彼らは,クリケッツからヒントを得てビートルズを名乗るようになったのだ。」
結局のところ,ビートルズにしたところで,その出発点は単なる「コピー・バンド」でしかなかった・・・もちろんストーンズも・・・だが・・・(^_^;)
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2009年9月15日 22時48分
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