Various Artists "Good For What Ails You: Music Of The Medicine Shows 1926-1937 (2 CDs)" [Old Hat CD-1005]
収録曲のリストは,リリース元の Old Hat Records のサイトにあり,サンプルを聴くこともできる。
http://www.oldhatrecords.com/cd1005.html
medicine 「薬」について,日本では「薬九層倍」という慣用句が残っているくらい原価率が低く,ぼろ儲けのできる商売だったらしいが,それは万国共通で,アメリカでもかなりの広告宣伝費をつぎ込んでも利益の出るビジネスだったようだ。表題のアルバムは,薬屋がスポンサーとなって各地を巡業していた The Medicine Show の,有名無名の出演者たちの音源を集めた CD 。
様々な演目で構成されたショーには,ミンストレル・ショーも含まれていたらしい。
minstrel 「ミンストレル」 は,そもそも中世ヨーロッパの吟遊詩人(音楽家・歌手なども含む) のことだが,1830 年代からアメリカで人気を博していた「ミンストレル」と言えば,「顔を黒く塗って黒人の歌を歌う白人」。ところが,本物の黒人が「黒人」を演じることもあったそうだ。(pp.18-9 『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ,ブルースからヒップホップまで』 大和田俊之 著)
当然,このアルバムに収録されている楽曲の演奏者や歌手も,黒人と白人が入り乱れていて,わけが分からない・・・(^_^;)
ルーツ・ミュージックの原典とも言える ↓ を聴いていると,同じように,ジャンルや肌の色などどうでもよくなってくるから不思議だ。
◎ V.A. "Anthology Of American Folk Music (6 CDs)" [Smithsonian Folkways/Sony SFW 40090]
● V.A. "The Retrospective 1925-1950 (4 CDs)" [Sony SRCS 5963〜6]
● V.A. "Sounds of the South (4 CDs)" [Atlantic 7 82496-2]
このアルバムのジャケ写やブックレットの表紙に使用されている写真のキャプションは,"Unidentified performers, human and canine, of the Kickapoo Indian Medicine Company, circa 1885."
オリジナルの写真は当然モノクロ →。
犬まで黒く塗られていたのだろうか・・・?
Kickapoo というのはアメリカインディアンの部族の一つ。
medicine には「まじない,魔よけ」という意味もある。
76ページもある付属のブックレットに掲載されている写真の中には,インディアンの衣装を着た出演者の姿もあった。
英文の解説を読むのは疲れるが,写真を眺めているだけでも十分面白い・・・(^_^;)
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2011年6月13日 21時59分
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