Arthur Alexander "Lonely Just Like Me: The Final Chapter" [Hacktone R2-271932]
1. If It's Really Got To Be This Way 2. Go Home Girl 3. Sally Sue Brown 4. All The Time 5. Lonely Just Like Me 6. Every Day I Have To Cry 7. In The Middle Of It All 8. Genie In The Jug 9. Mr. John 10. Johnny Heartbreak 11. There Is A Road 12. I Believe In Miracles
Live on Fresh Air, 1993
13. Introduction
14. Go Home Girl
15. "You kinda want to get paid"
16. Genie In The Jug
17. "I think that's how they heard me"
18. You Better Move On
19. "I started in the church"
20. Every Day I Have To Cry
The Hotel Demos
21. Solitary Man
22. Johnny Heartbreak
23. Genie In The Jug
24. Lonely Just Like Me
Live at the Bottom Line, 1991
25. Anna
The Hotel Demos(?)
26. Glory Road
http://www.myspace.com/arthuralexander
1993年に Elektra Nonesuch から American Explorer シリーズの1枚としてリリースされた "Lonely Just Like Me" (1.〜 12.) にボーナス・トラックを追加してリイシューされた Arthur Alexander のアルバム。
シールドを破って出てきたのが何ともチープな紙ケースで,それに裸の CD がはさみこまれていたので少しがっかりしたが,付録(?)が豪華だった・・・(^_^;)
オリジナルのものと新たに追加されたライナーノートに,詳細な録音データは当然としても,生写真風のポートレイト(内1枚には Dan Penn や Donnie Fritts の姿も・・・) のほか,興味深い資料も含まれていた。
当時の American Explorer シリーズ販促用のチラシ(縮刷版?) には Keith Richards のコメントが引用されていた。
Arthur Alexander の歌がイギリスの the beat-group generation にとってどのような意味を持っていたか? という問いに対してキースは,When the Beatles and the Stones got their first chances to record, one did "Anna," the other did "You Better Move On." That should tell you enough. と答えている。
葬儀の際に配布されたと思われるパンフレットの縮刷版も付いていて,そこに Pallbearers ( Dan Penn の最初のグループ名だが,もちろんここではその本来の意味「棺の付添い人」で使われている) として名前が挙げられているのは,Dan Penn や Donnie Fritts,Spooner Oldham など・・・。
収録曲のうち 1.〜 12. は,オリジナルの "Lonely Just Like Me" と同じ内容だが,曲順が一部変更されている。今回の順序が,プロデューサである Ben Vaughn の最初に意図したもの。
主なミュージシャンは,Spooner Oldham,Dan Penn,Donnie Fritts,Reggie Young,Mike Leech,Gene Chrisman。
13.〜 20. はアルバムの完成後,亡くなる約1ヶ月前に出演したラジオ番組を録音したもの。貴重なインタビューも含まれている。バックは Ben Vaughn を中心としたバンド。
葬儀のパンフには,His father played Gospel Songs on the guitar. と書かれていたが,インタビュー中で Arthur Alexander は,old blues guitarist だったと言っている。教会ではゴスペルを演奏していたかもしれないが,彼の父親は,週末になると近辺の安酒場で Blues を演奏するセミプロのボトルネック・ギタリストだった。ただ,お金にはならず,Arthur がギターや音楽に興味を持ち始めても,I never made a nickel playing music, and I don't want you taking that path. と言って,ギターに触らせなかったらしい。
インタビュー中には,著作権関連の話題もあり,細かなニュアンスまでは分からないが,Arthur が pay me と言っているのはよく聞きとれた。
当時,版権を持つ出版社との新しい契約についての話し合いが進んでいたようで,この約1ヵ月後に倒れたのは出版社とのミーティングの最中だった。新しく Ben Vaughn によって書かれたライナーによると,
Apparently, he wasn't feeling well during the meeting, but stayed put until the last piece of paper was signed, and then collapsed.
21.〜 24. は,アルバムの収録に入る前にホテルの一室で録音されたデモ。
21. は,Neil Diamond の曲で,Arthur 本人は彼の曲をアルバム中でも歌いたかったらしい。この CD のトラック 26 (パッケージやライナーには表記されていない) にも,やはり Neil Diamond の "Glory Road" という曲の鼻歌(?)が収録されている。その曲は,Sound Stage 7 から "Cry Like A Baby" とのカップリングでリリースされた(1969) ことがあり,↓ で CD 化されている。
◎ "The Monument Years" [ace CDCHD 805] -2001
Neil Diamond と言えば,あの "The Last Waltz" でのゲスト出演くらいしか接点はなかったのだが,中古ショップでのチェック・リストにまた追加が・・・(^_^;)
25. は,1991年9月に New York の The Bottom Line で録音されたもの。Donnie Fritts がエレピ,John Tiven がアコギでバックアップ。
Elektra の関係者がこの演奏に感銘を受けたことから,復活アルバムの企画が始まった。
取り立てて美声と言うわけではないし,さして声量があるわけでもなく,節回しが華麗なわけでもなければ,激しくシャウトしたりするわけでもない・・・それでも,この Arthur Alexander の歌が深く心にしみこんでくるのはなぜだろう・・・?
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2007年10月29日 21時20分
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