ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2009年04月02日(木)
東京大学のアルバート・アイラー
『東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編』
『東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編』
菊地 成孔・大谷 能生 著,文藝春秋 刊(文春文庫)


上巻にあたる『歴史編』を読み終えて,下巻の『キーワード編』を読み始めたところ・・・。

書名には「アルバート・アイラー」の名前があるけれども,彼の音楽について触れられているページはほんのわずか。ミュージシャンとして最も多くのページが割かれているのは,Miles Davis。
サブ・タイトルは「ジャズ講義録」となっているが,内容は近・現代の商業音楽全般にわたっていて,ブルースやソウル・ファンクなど黒人音楽のファンにも十分楽しめる・・・というより必読の書・・・と言っていいかもしれない。
これを読んで,昔,モダン・ジャズを聞いて「わかりにくい」と感じた理由がわかったような気がした・・・(^_^;)

講義が始まって最初にサンプルとして流される音源は,同じ1927年に録音された Blind Willie Johnson "Dark Was The Night, Cold Was The Ground" と Hoagy Carmichael "Washboard Blues" の聴き比べ。
『キーワード編』で最初に取り上げられるのも,「ブルース」。ゲスト講師として ↓ の編著者である飯野友幸さんが招かれている。
◎ 『ブルースに囚われて―アメリカのルーツ音楽を探る』 飯野 友幸 編著,信山社 刊
↑ には,Ollie Nightingale "Sweet Surrender" などの解説も書いておられる高橋誠さんの「ブルースの歌詞−−その主題と特徴」という文も収録されていて,黒人音楽全般のファンにオススメの本。

講義中に「教科書」として指定されている ↓ は,図書館で予約済み。
● 『憂鬱と官能を教えた学校』 菊地 成孔・ 大谷 能生 著,河出書房新社 刊




『歴史編』 目次
    前書
第1章 12音平均律→バークリー・メソッド→ MIDI を経由する近・現代商業音楽史
第2章 ジャズにおいてモダンとは何か?
第3章 モダンとプレ・モダン
第4章 1950年代のアメリカと,ジャズ・モダニズムの結晶化
第5章 1959〜1962年におけるジャズの変化 (1)
第6章 1959〜1962年におけるジャズの変化 (2)
第7章 フリー・ジャズとは何からのフリーだったのか?
第8章 1965〜1975年のマイルス・デイヴィス (1)
第9章 1965〜1975年のマイルス・デイヴィス (2)
第10章 MIDI とモダニズムの終焉
第11章 前期テスト
第12章 アフターワーズ 文庫版・後書対談

『キーワード編』 目次
 前書
第1章 「ブルース」
   ゲスト:飯野友幸
第2章 「ダンス」
   ゲスト:野田努
第3章 「即興」
   ゲスト:大友良英
第4章 「カウンター/ポスト・バークリー」
   ゲスト:濱瀬元彦
 「聴覚研究の歴史と展望−−音高知覚の仕組みを探る」 本條晴一郎
 後書
 ボーナス・トラック 文庫版・後書対談
2009年4月2日 19時53分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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