Sam Cooke "GOLD" など・・・
今のところ HMV だけの情報だが,Sam Cooke の紙ジャケ(SHM-CD) 盤が7月30日に発売されるようだ。 発売中止・・・?
○ "Tribute to the Lady" [UICY-99544]
○ "Sam Cooke at the Copa" [UICY-93545]
○ "Ain't That Good News" [UICY-93546]
なぜ,この3枚だけなのか? という素朴な疑問は残るが,"Tribute To The Lady" はオリジナルのジャケットが採用されるようなのはうれしい。
9月には,"Keep Movin' On" と同時に "GOLD" というタイトルの2枚組 CD も発売されるようだ。まだトラック・リストは公開されていないし,ベスト編集盤ということで未 CD 化曲の収録は期待できそうもないが・・・。(発売中止?) ただ,これらの CD が売れて話題になれば,その他のアルバムのリリースにもつながるはずなので,サム・クックのファンは,重複を気にせず購入しましょう・・・(^_^;)
最近,Sam Cooke について,プロの音楽評論家でもあまりよく知られていないのだな・・・と,がっかりした本がある。
□ 『魂(ソウル)のゆくえ』 ピーター・バラカン [アルテスパブリッシング]
20年近く前に新潮文庫で発行されていた本を「全面的に改訂増補した新版」。
ソウル・ミュージック入門のためのガイド・ブックとして定評のある本が大幅に加筆され,CD や DVD ・書籍ガイドも充実しているということで,お勧めしたいところなのだが・・・残念ながら,重大な事実誤認がある。
「とにかく彼を撃った支配人は白人ですし,」p.35
Sam Cooke を撃った Bertha Franklin は,黒人です。
この,Sam Cooke という「黒人」を代表するソウル・シンガーが「白人」に殺されたという間違った伝説によって,黒人と白人の関係が一面的なものとしてとらえられてしまい,その多面性を理解する上において,大きな障害になっているような気がする。
□ 『Mr.Soul サム・クック』 ダニエル ウルフ [ブルースインターアクションズ]
Sam Cooke の死については,↑ の本に,かなりくわしい事実関係が書かれている。謎は残っているが・・・。
『魂(ソウル)のゆくえ』 巻末の Book Guide には,この本も紹介されているのだが,バラカンさんはどんな読み方をしたのだろう ?
もちろん原本でも a stocky fifty-five-year old black woman named Bertha Franklin と書かれているし,その顔写真も掲載されているのに・・・。
DVD Guide には,"LEGEND" が紹介されていないけれども,あれを見れば勘違いのしようがないのだが・・・。
□ 『こだわりアメリカン・ルーツ・ミュージック事典―先駆者60人の足跡』(生活人新書) 鈴木 カツ [日本放送出版協会]
この本には,「モーテルに泊まっていたサムは,何者かに射殺されてしまった」(p.163) とある。
Bertha Franklin 以外に実際の射殺犯がいた可能性は,全くゼロでは無いと思うが・・・(^_^;)
同じページに記述のある "Soul Twist" は,Sam Cooke の「お馴染みのヒット曲」ではありません。
この本の「はじめに」で,「ポップスやロックのルーツについては,わが国では黒人音楽の影響下という視点で語られることが多い。これは一面的に過ぎるようだ。」(p.4) と書いておられるのは,全面的に賛成なのだが・・・。
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2008年6月14日 09時01分
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