ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2009年10月25日(日)
"Steal Away: The Early Fame Recordings"
Jimmy Hughes "Steal Away: The Early Fame Recordings" [KENT CDKEND 324]

1. Lovely Ladies 2. There Is Something On Your Mind 3. A Shot Of Rhythm And Blues 4. Neighbour, Neighbour (Version 1) 5. Everybody Let's Dance 6. Steal Away 7. Try Me 8. I'm Gonna Rise Again 9. I Tried To Tell You 10. I'm Getting Better 11. Stormy Monday Blues 12. I Want Justice
13. I'm Qualified [Guyden 2075 / Jamie 1280]
14. My Loving Time [Guyden 2075 / Jamie 1280]
15. Lollipops, Lace And Lipstick [Fame 6401]
16. You Might As Well Forget Him [Fame 1002]
17. Goodbye My Lover Goodbye [Fame 6407]
18. You Really Know How To Hurt A Guy [Fame 6410]
19. Have You Done Got Over Me? [unissued]
20. Girl You Belong Here With Me [unissued]
21. My Adorable One [unissued]
22. Steal Away Part Two [unissued]

● Jimmy Hughes "The Best Of Jimmy Hughes" [Fame 103] -2008
↑ がリリースされた後,全く音沙汰のなかった Fame 関連のリイシューだが,英 KENT が権利を取得して CD 化してくれるようだ。
まず手始めに発売されるのが,Jimmy Hughes の Fame 時代(1962-67) の音源を2枚の CD にまとめたもの。
表題の CD はその1枚目で,1.〜 12. は LP "Steal Away" の収録曲,13.〜 18. はシングルのみだった曲,19.〜 22. が未発表曲。→ J_Hughes.xls
引き続き,来春には2枚目の CD がリリースされる予定。
● "Why Not Tonight: The Later Fame Sides" [Kent CDKEND 331]

いかにも英 Kent らしい丁寧なライナー・ノート(Tony Rounce) が付いていて,二度録音され1枚目の LP では A.Valier,2枚目では Huey Meaux とクレジットされていた "Neighbor, Neighbor" は,Meaux simply bought the song from him ということだったらしい。英米では日本のように著作者人格権(moral right) が尊重されず,財産権としての著作権(copyright) のみが強調されるため,このように,クレジットされる名前と実際の作者が異なることがよくある。

"Steal Away" という曲にもいろいろなクレジットのものがあるけれども,こちらは同名異曲。
"Steal Away (to Jesus)" というゴスペル曲もあり,奴隷制時代に南の奴隷州から北の自由州へ逃亡する奴隷を手助けする組織の合言葉のように使われていたことがあったといわれている。
Sam Cooke も Keen 時代に "Steal Away" というタイトルの曲を歌っているが,それは,ゴスペル曲をポップに改作したもの。
ところが,Jimmy Hughes が作って歌った,この "Steal Away" は,サウンドにはゴスペルの残り香が漂っているものの,歌われている内容は,全くの罰当たり・・・(^_^;)
もちろん,これ以前にも不倫や三角関係を題材にした歌はあったが,それらは,恋人に逃げられた,あるいは友人に裏切られた・・・なとど,被害者の立場から歌われていたのに対して,この "Steal Away" では 「駆け落ちしよう」 と,言わば加害者の立場で歌っているわけだから,その差は大きい。
このヒット(R&B: 17, Hot 100: 17) のあと,James Carr "The Dark End Of The Street" (R&B: 10, Hot 100: 77) や,さらには Luther Ingram "(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right" (R&B: 1, Hot 100: 3) のような大ヒット曲が生まれている。このような,不倫を文化として容認するような曲がヒットする背後には,そういう曲を好むリスナーやシングルの購買者の間に経済的・精神的な自立が芽生え始めていたという社会的な変化があったはず。

サザン・ソウルの分野で「不倫ソング」の占める割合は大きく,そういう曲ばかりを集めたコンピ盤がある。
◎ V.A. "If Loving You Is Wrong: 20 cheatin' heartbreakers" [KENT CDKEND 208] -2002
◎ V.A. "Cheatin' Soul and the Southern Dream of Freedom" [Trikont US-0337] -2005

手持ちの CD との重複が多いため未入手だが,男女別に編集されたものまである。
○ V.A. "Cheatin': From a Man's Point of View" [Soul Classics ]
○ V.A. "Cheatin': From a Woman's Point of View" [Soul Classics ]


思い起こせば8年前,↓ の2枚の CD から始まった Goldwax 関連のリイシューが,
◎ James Carr "The Complete Goldwax Singles" [KENT CDKEND 202] -2001
◎ V.A. "The Goldwax Story vol. 1" [KENT CDKEND 203] -2001
今年には ↓ という夢のような CD までリリースされるようになった。
● "The Complete Goldwax Singles Volume 1 [1962-1966] (2 CDs)" [ace CDCH2 1226] -2009
◎ "The Complete Goldwax Singles Volume 2 [1966-1967] (2 CDs)" [ace CDCH2 1236] -2009
○ "The Complete Goldwax Singles Volume 3 (2 CDs)" [ace CDCH2 ] -2010

ということは,その Goldwax と同じように,この Fame についても,将来的には "The Complete Fame Singles" などというような CD がリリースされても不思議ではない・・・?
Goldwax がスタジオを持たないレーベルだけの存在だったのに対して,Fame はレーベルとしてよりも Recording Studios としての活動の方が重要だったという違いはあるが,それでも,Fame Records としてリリースされた作品や Fame を経由してメジャーから配給されたシングル盤の中には,評価が高くしかもレアなものが少なくないはず。

表題の CD のライナー中には,Dan Penn と Lindon "Spooner" Oldham の最初の共同作業だった "I Tried To Tell You" という曲に関連して,
Penn was also recording for Fame at this time, His single 'Close To Me' (Fame 6402) separated 'Steal Away' from 'Try Me' in the label's nascent catalogue.
などという思わせぶりな記述がある。
Dan Penn が Fame からリリースしたシングルは2枚(6402, 6409) だけだが未発表曲が20曲近くあるらしい。もし,それらを発掘することができれば,Dan Penn の作品だけで1枚の CD を作れるはずだが・・・m(_ _)m
2009年10月25日 09時48分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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