Various Artists "The Complete Goldwax Singles Volume 1 [1962-1966] (2 CDs)" [ace CDCH2 1226]
この CD を右手に持って左手でほっぺたをつねってみた・・・痛い・・・,念の為,今度は左手に持って右手でつねってみた・・・やっぱり痛い・・・。
そういう有り難いアルバムですからね。隅々まで味わいつくし,しゃぶりつくさなければなりません。カントリー・ミュージックが収録されているからといって,そこだけスキップしたりしないように・・・(^_^;)
もちろん,この CD には "Spoonful" など Wilie Dixon の書いた曲も含まれていて,カントリーだけでなく,ブルースも Goldwax サウンドの要素の一つではあったわけだが・・・。
この CD を聴いて,さらに興味がわいてきたのが,Oboe こと O.B. McClinton の存在。
Disc I
5. Tradin' Stamps
6. Mother-in-Law Trouble
9. The Day The World Cried Part 1
10. The Day The World Cried Part 2
15. Too Slow
16. She's Better Than You
この時代はシンガーとしてよりもソングライターとしてのほうが有名だが,1971年には第2の Charley Pride を目指して,Stax 傘下の Enterprise と契約する人物。
1曲だけ Youtube にアップされているのが,"Country Roots"(1977) という曲。
O.B. McClinton-Country roots @ Youtube
James Carr に提供した曲は,この CD に収録されている "She's Better Than You" のほか,"A Man Needs A Woman","Forgetting You","Lovable Girl","You Got My Mind Messed Up"。
ほかに "Back Road Into Town"(The Staple Singers),"Keep Your Arms Around Me"(Otis Redding),"That Can't Be My Baby"(Arthur Conley),"What It Takes To Get A Good World"(Denise LaSalle),"You Can't Miss What You Can't"(Clarence Carter),"Your Love Lifted Me"(Clarence Carter) などという曲も書いている。
Otis の "Keep Your Arms Around Me" は,By McClinton というクレジットがあるだけなので,AMG では Delbert McClinton と勘違いしているようだが,O.B. McClinton の作品。
ちなみに,Delbert McClinton もなかなかのシンガーで,"Mr.Pitiful" をレパートリーにしております・・・(^_^;)
◎ Delbert McClinton "Crazy Cajun Recordings" [Edsel EDCD 587] -1998
10. Mr.Pitiful
Goldwax 以後の O.B. McClinton の作品は,Enterprise からリリースされた4枚のアルバムなども含めて,ほとんどリイシューされていない・・?
CD 化されて手元にあるのは,↓ だけ・・・。
● V.A. "From Where I Stand: The Black Experience in Country Music" [Warner Bros. 9 46428-2]
Disc III: 11. Don't Let The Green Grass Fool You ← Wilson Pickett のカバー
● V.A. "more Dirty Laundry - The Soul Of Black Country" [TRIKONT US-0367]
2. If Loving You Is Wrong ← Luther Ingram のカバー
6. Talk To My Children's Mama
◎ V.A. "Soulsville sings Hitsville: Stax sings songs of Motown Records" [Stax 0888072303911]
14. I Wish It Would Rain ← The Temptations のカバー
Stax が,O.B. McClinton と契約するなどして,カントリー・ミュージック界へ進出しようとして失敗するまでの経過は,『スタックス・レコード物語』 pp. 284〜287 (ロブ・ボウマン 著 / 新井崇嗣 訳 シンコーミュージック 刊) に詳しい。
O.B. McClinton がセルフ・プロデュースした Enterprise のアルバムは,「数々の R&B 曲をカントリー風に」アレンジしたものだったが,そういう表現方法について O.B. McClinton 自身は「カントリーか R&B かを決めるのは曲じゃなくて,アーティストなんだ。わたしは前からそう思っていたから,それが正しいことをスタックスだけじゃなくて,その他大勢の人たちにも証明したかったんだ。曲の様式を決めるのはアーティストだよ。たとえばジョニー・キャッシュならブルースをカントリーにできるし,マディ・ウォーターズならカントリーをブルースにできるだろ」と,語っている。
カントリー界の内部でも,R&B の名曲をカントリー風に処理してヒットさせたシンガーは,いた。
● Mickey Gilley "Ten Years of Hits" [EPIC EGK 39867]
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2009年5月15日 17時42分
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