ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年12月28日(金)
O.V. Wright Live
O.V. Wright "O.V. Wright Live" [Sony/Cream SRCS 6558]

1. I'd Rather Be Blind Crippled And Crazy (5:32)
2. Ace Of Spades (3:51)
3. Eight Men And Four Women (4:15)
4. Precious Precious (6:35)
5. Love And Happiness (6:56)
6. God Blessed Our Love (6:41)
7. When A Man Loves A Woman (2:34)
8. That's How Strong My Love Is (4:41)
9. You're Gonna Make Me Cry (2:09)
10. Into Something (Can't Shake Loose) (7:25)

1979年9月に東京で行われたコンサートを録音したアルバム。1992年に CD 化された日本盤で,解説(森島繁美) と歌詞・対訳(竹田幸可) が付いている。歌詞にはモノローグや MC の部分も掲載されているのがありがたい。
"God Blessed Our Love" の冒頭部の語りには,スタジオ録音には無い以下のような部分が追加されていた。
... While she's looking toward heaven, I'm trying to ease my hand in her pocket book. That's the only way I can get some money from her. Because oh little sister is sure stingy.
O.V. Wright は決して聖人君子などではなくドラッグの常習者だったというのは有名な話だし,その売買や窃盗の罪などでも警察のお世話になったことがあるらしいが・・・(^_^;)
Charles Neville は,O.V. や Clarence Carter,Johnnie Taylor のツアーにサイドマンとして加わっていたとき,O.V. に曲を盗まれたと言っている。(『魂の宿る街ニューオーリンズから―ネヴィル・ブラザーズ自伝』p.355)

この CD は,既に廃盤になってしまっているが,現時点でも ↓ の輸入盤で聴くことができる。
◎ "The Complete O.V. Wright On Hi Records, Volume 2: On Stage (Live In Japan)" [Hi/Cream HILO 169]

日本盤 CD とは違って,6. 〜 9. までのメドレーが1つのトラックにまとめられていたり,各トラックの長さが微妙に異なっていたりするが,内容は同じのようだ。
ただ,ジャケットは日本盤の写真(Kinichi Nishimura) の素晴らしさには遠く及ばない。裏ジャケに使われていた,スポットライトの逆光に浮かぶ O.V. の後ろ姿をとらえた写真も印象深いものだった。

英文ライナー(Dennis Lyons) には,日本の聴衆について,an appreciative audience that may not always have understood the words, but who obviously felt the feeling と書かれている。たしかに,"God Blessed Our Love" のモノローグに付け加えられた・・・同棲中の女性に毎晩お祈りをさせ,そのスキに彼女の財布からお金を抜き取る・・・というような部分をその場で聞き取って理解できたオーディエンスはほとんどいなかっただろうし,ぼくも気がつかなかった。ただ,それでも,そのメドレーの最後に追加された "You're Gonna Make Me Cry" を聴きながら,あぁ,それはコッチのセリフだよ,O.V.。アンタがオレを泣かすんじゃないか・・・などと思いながら流した涙を後悔することは無い。あの Archie Brownlee 師でさえ,酒に溺れて体を壊してしまうような人間 だったわけだし・・・。
もちろん,だからと言って,酒やドラッグに逃避することが決して良いことだとは思わないが・・・(^_^;)

このライブで,今でも記憶に残っているのは,ドラムの近くにいたホーンセクションの一人がドラマーの方を向いて「走るなよ!」という風にタクトを振るような仕草をしていたこと。当時は,大好きな Howard Grimes に対して何をえらそうに指図しているのだと,そのホーン・プレイヤーに腹が立ったことをよく覚えている。しかし,残された録音を冷静な耳で聴いていると,ナマ特有の荒々しさとは別に,わずかではあるがもたつきがあったり,間を持たせるためか,妙に手数が多いように感じてしまうことも確か。
ただし,リズム面での多少のもたつきがあっても,サウンド全体としては,当時の Hi がストリングスやコーラスなどの過剰な装飾が加えられて甘ったるくなりすぎていたのに比べるとはるかにシンプルで,好感が持てる。

Hi の看板スターだった Al Green を初め,O.V. や Otis Clay も,この時代のライブ録音が日本だけで行われたのはなぜだろう?
Willie Mitchell は,アラの目立つライブを録音してリリースするのを嫌うほど,完璧主義者だったのだろうか?

2007年12月28日 23時40分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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