Various Artists "PRISON SONGS: Historical Recordings from Parchman Farm 1947-48 Vol. 1: Murderous Home" [Rounder CD 1714]
「ロックを生んだアメリカ南部」 を検索してココにたどり着いた方がおられたので,その 「参考 CD ,DVD 選」 の中から入手できているものをいくつか,ボチボチと・・・。
この CD は,Rounder のカタログ で現在も生きているが,ぼくが中古ショップで入手したのは,アメリカーナレコードというところから直輸入盤として日本発売されたもの。
◎ 【アラン・ロマックス・コレクション】『「囚人の歌」第1集〜マーダラス・ホーム』(30F-1714)
帯には,
> (総監修:江波戸 昭)
> アラン・ロマックス編纂による名盤「ニグロ・プリズン・ソングス」の初復刻 CD 化。
> プリズン・ソングスの大辞典とされる歴史的重要録音が蘇る。
とある。
簡単な日本語解説(堀口羨子) も付いているが,36ページにも及ぶブックレットが素晴らしい。もちろん英語なので,まだ全部読みきれていないが,歌詞やインタビューを聞き取った内容も掲載されている。
刑務所の外では表向きは奴隷制から解放されていた黒人だが,塀の中では公然と奴隷として扱われており,リンカーンの解放宣言から80年ほど経ったこの時代でも,刑務所の中では奴隷制時代と同様のワーク・ソングが歌われていた。
そこに目をつけた Alan Lomax が録音を試みたわけだが,刑務所内では単純なワーク・ソングだけでなく,さまざまなバリエーションの歌が歌われていたことが,この CD を聴けば分かる。
ほとんどの曲が,屋外で実際に労働中に録音されていて,木を切るオノや土を耕すクワなどの音がパーカッション代わりになっているのが不気味。
非常にクリアな音で収録されているが,それも当然で Sound Restoration / Mastering Producer としてクレジットされているのは,Steve Rosenthal 。
歌うことが「楽しみ」どころか「息抜き」ですらなく,正気を保つための唯一の手段であったような環境で歌われていた歌は,非常に重い。ただ,その「重さ」は,力まかせに押しつぶすのではなく,広がりをもって体中の細胞の一つ一つにしみこんでくるようだ。
ヘッドホンで聴いていると「オマエもコッチへ来い,コッチへ来ていっしょに歌え」と誘われているようで,恐ろしくなってくる・・・(^_^;)
このパーチマン刑務所に服役した囚人の中には,Son House,Bukka White,Muddy Waters とブルースの巨人が顔をそろえている(pp. 102-) けれども,Parchman Farm そのものを歌っているのは,Bukka White だけ・・・?
◎ Bukka White "Parchman Farm" [Sony SRCS 7392]
7. Parchman Farm Blues
殺人罪ではなく傷害罪だったためか,本人の回想によると,刑務所内にはバンドがありギターを弾くこともできたらしい。
Bukka White は B.B. King のいとこで,B.B. は彼のまねをしてボトルネックでギターを弾こうとしたが,どうしても上手くいかず,代わりにチョーキング・ビブラート奏法をやり始めた・・・というのは,有名な話。
黒人だけではなく白人もこの刑務所に入っていて,Elvis Presley の父親も入所していたことがあり,Elvis は面会に何度も訪れたことがあったそうだ。(p.25)
第2集もリリースされている ↓ が,未入手。
○ V.A. "Prison Songs Vol. 2: Don'tcha Hear Poor Mother Calling?"
さすがに,こういう種類の音楽は,積極的に自分から進んで聴こうという気にはなかなかなれない・・・(^_^;)
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2007年8月1日 21時05分
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