ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2009年04月27日(月)
Billy Eckstine "Savoy Recordings"
Billy Eckstine "Complete Savoy Recordings (2 CDs)" [Jazz Factory JFCD22821]

Billy Eckstine が,自身のビッグ・バンドをバックに歌った楽曲を収録した CD。"Complete Savoy Recordings" とあるが,National Records というレーベルに,1945年5月から1947年4月までの間に録音された作品集。

Disc I: 2. A Cottage For Sale は Little Willie John に,Disc I: 6. は James Brown にカバーされている。
Disc II: 1.〜 8. のセッションには若き日の Miles Davis が参加していて,彼がビバップに目覚めたのは,この Billy Eckstine のバンドに参加したのが,きっかけだったそうだ。(『東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編』 p.91)

このバンドのメンバーには,ぼくが名前を聞いたことがあるミュージシャンだけでも,Dizzy Gillespie, Dexter Gordon, Art Blakey, Charlie Parker, Fats Navarro, Gene Ammons など,そうそうたるミュージシャンがいたが,この録音には Dizzy Gillespie と Charlie Parker は参加していない。ライナーには,The Billy Eckstine Orchestra was the first bop big band, and its leader reflected bop innovations by stretching his vocal harmonics into his normal ballads. とあるが,即興演奏が中心のはずのビバップと Billy Eckstine のボーカル・スタイルがいったいどういう関係にあるのか,『東大アイラー』を読んだあとでも未だによく分からない・・・(^_^;)

もっとも,ぼくがこの Billy Eckstine に興味を持ったのはそういう方面からではなく,AMG などで彼が The first romantic black male in popular music として紹介されていたから。
Sam Cooke 以前に白人に受け入れられたシンガーには Fats Domino や Louis Armstrong,Nat King Cole など何人かいるが,その多くがコミカルで道化的な風貌の持ち主だったのに対して,この Billy Eckstine は,ロマンティックでセクシーなアイドルとして認められた最初の African American のシンガーだった。ただし,祖父はドイツ系の移民。
Sam Cooke が歌い方などで直接影響を受けているとは思えないが,Lou Rawls には,同じバリトンとしてかなり大きな影響を与えていたようだ。

このビッグ・バンドが財政的に維持できなくなり解散した後,ソロ・シンガーとして,独特のビブラートを持つ豊かなバリトンを駆使し,バラード歌手として活躍した MGM 時代の作品集の方が,個人的には,お気に入り。
◎ "Everything I Have Is Yours: The Best of the M-G-M Years (2 CDs)" [Verve 819 442-2] -1994



昔の『レコード・コレクターズ』を整理していたら,1987年に来日したときのインタビュー記事(8月号,Vol.6, No.8) があり,その内容が非常におもしろかった。
インタビュアー(大滝譲司) の 「この二十数年でアメリカのポピュラー音楽界はガラリと変わってしまったが,その点をどう考えていますか。」 という質問に対して,「ロック,ソウルが席捲したのはズバリ言ってジャズは難しいからだ。ジャズは何をしているかわかっていないと出来ない。ロック,ソウルなど新しいものはわからなくても出来るし,事実わかっていない連中が多い。それを聴いている方もわかってないのにわかった顔をしている。」と,答えている。
少々耳が痛いけれども,ちょうど『東大アイラー』を読んでいる途中だったので,なるほどな・・・と,妙に納得してしまった・・・(^_^;)

そのインタビュー中で,Billy Eckstine 自身が「好きなアルバム」としてあげているのは,以下の4枚。
○ Billy Eckstine & Quincy Jones "At Basin Street East" [Mercury ]
○ Count Basie / Billy Eckstine "Basie and Eckstine, Inc." [Roulette ]
◎ "No Cover No Minimum" [Roulette CDP 0777 7 98583 2 3]
◎ "Senior Soul / If She Walked Into My Life" [Enterprise/Stax SCD-88023-2]
↑ 2on1の CD で,前半の "Senior Soul" が好きだったらしい。Stax 傘下の Enterprise で1970年から74年までの間にリリースした4枚のアルバムの内の3枚目(1972) 。Billy Eckstine 自身がプロデュースしているが,このアルバムで演奏しているのは,Al Jackson,Jr.(drums), Leroy Hodges(bass), Raymond Jackson, Bobby Manuel(guitar) というバンド。

Stax に移籍する以前,Motown でも3枚のアルバムを残していて,それもまとめて CD 化されている。
◎ "The Motown Anthology (2 CDs)" [Motown/Universal 016 351-2] -2003
2009年4月27日 07時00分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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