Say It Loud - I'm Black and I'm Proud
James Brown "Say It Loud - I'm Black and I'm Proud" [POLYDOR POCP-1855]
1. Say It Loud (I'm Black and I'm Proud), Pts. 1 & 2
2. I Guess I'll Have to Cry, Cry, Cry
3. Goodbye My Love, Pts. 1 & 2
4. Shades of Brown
5. Licking Stick-Licking Stick
6. I Love You
7. Then You Can Tell Me Goodbye
8. Let Them Talk
9. Maybe I'll Understand
10. I'll Lose My Mind
Little Willie John のレーベルメイトだった James Brown が,名曲 "Let Them Talk" をカバーしているアルバム(1969)。J.B. は,Little Willie John が亡くなった時,追悼アルバム ↓ をリリース(1968) しているが,残念ながら CD 化されていない ?
○ James Brown "A Thinking About Little Willie / A Few Nice Things" [King 1038]
↑ 途中で Little Willie John のようには歌えないことに気がついたのか,B 面はインスト・・・(^_^;)
J.B. を単なる「歌手」としてのみ評価するのは愚の骨頂だが,この "Let Them Talk" を Little Willie John の歌唱に比べると,いかにも単調で,ただわめいているだけの平板な歌唱としか聴こえない。
James Brown はあるインタビューで,Sam Cooke について,次のように語っている。
"He could stand flat-footed and kill you with one song," noted James Brown, a man not always first in the queue forgiving out praise. "If I could sing half as well as Sam Cooke, I'd stop dancing."
このインタビュアーは,J.B. の発言を praise と考えているようだが,J.B. の真意は "Sam Cooke can't dance as well as I can." ・・・ということだったのではないか?
たしかに,DVD "Legend" などで見ることのできる Sam Cooke のダンス・シーンは,どう贔屓目に見ても,ダサイ。
Sam & Dave の Sam Moore が,Sam Cooke のステージは dull だったと言っているらしいが,反論できない・・・(^_^;)
もっとも,Sam Cooke の場合 "The Riddle Song" のようにスツールにじっと座っていても,その歌だけで聴衆を感動させることができたのだから,J.B. のように派手に動き回る必要がなかったわけだし,また逆に,J.B. に抜群の歌唱力があれば,このアルバムの1曲目 "Say It Loud (I'm Black and I'm Proud)" のように,ダンサブルなファンク・ビートが生まれることはなかったかも・・・?
おもしろいことに,Little Richard のバック・バンドとして結成され,Little Willie John や Sam Cooke などのロード・バンドとして活動していた The Upsetters は,James Brown のバックで演奏したこともある。
1955年に Little Richard とツアーをしていた The Upsetters は,途中で Little Richard が Specialty との契約が成立しロスへ行ってしまったため,James Brown を L.R. の代役に立てて残りのツアーを回ったのだそうだ。
● The Upsetters "The Upsetters" [LACIENEGA LACGA702]
数年前,某掲示板で Sam Cooke のスレッドを立てて細々と続けていたとき,この The Upsetters でネタフリをしたら思いがけず反響があり,しばし盛り上がった・・・という懐かしい思い出がある。
あのころ相手をしてくれていた連中で,このブログを見てくれている人はいるだろうか・・・?
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2009年4月7日 07時05分
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おっしゃる通り、J.B.が流暢にシンギングしてたなら作風が変わってたかも?ってのは同意です。
ギャーギャーわめいてこそ、稲妻ファンクが冴えますからね〜! Say It Loudは歴史的作品として有名ですが、曲が単調なので本作は聴いたことないです。
それよりLittle Willie Johnのkent盤を聴いてみたいですわ〜
今,『キーワード編』を読んでいるところですが,その「第2章 ダンス」 p.167 に,「・・・踊って唄える JB のダンスと音楽に対して,踊れないし唄えないマイルス・デイヴィスが『オン・ザ・コーナー』や「レイティド・ X 」っていうとんでもない作品をぶつけたやり方とか (笑) ・・・」 という記述がありました。
コンプレックスこそが全ての進化のエネルギー・・・かも・・・(^_^;)