ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年04月06日(金)
ロックを生んだアメリカ南部
「ロックを生んだアメリカ南部 ― ルーツ・ミュージックの文化的背景」ジェームス・M. バーダマン / 村田 薫 [日本放送出版協会]

プロローグ すべてはふたりのキングから生まれた
第1章 黒人音楽はエルヴィスの中に焦点を結んだ
第2章 ブルースマンの悲痛な叫び ― ミシシッピー・デルタの混淆から
第3章 都市をゆりかごに生まれたジャズ ― ニューオリンズの坩堝から
第4章 ゴスペル 魂の高揚 ― 信仰と教会、そしてアフリカの匂い
第5章 カントリーの故郷はどこか ― オールドアメリカへの郷愁
エピローグ 都市という荒野で歌うディラン

プロローグ中の「ふたりのキング」は,King of Rock'n'Roll としての Elvis Presley と King of the Blues と言われた B.B. King 。
図書館で見つけて読み始めたら非常に面白く,すぐに購入してしまった本です。
著者は二人ともアメリカ南部の文学や文化が専門で,いわゆる「音楽評論家」ではありません。

表紙カバーの折り返しの文は,以下の通り↓
>  [サザン魂は永遠に眠らない]
> 20世紀の音楽地図を塗りかえたロックには,
> アメリカ南部の民衆音楽と過酷な歴史が深く刻まれている。
> 綿花農園で搾取に耐え働いた黒人の唄ブルース,
> 人種差別と闘った有色クレオールや黒人が生んだジャズ,
> アパラチアの貧困な山人が歌ったバラッド,
> 苦しい日々を慰め,生きる源泉となった宗教音楽・・・
> それら全てがエルヴィスの中で衝撃的に焦点を結んだ。
> 絶望的な環境を,愛に満ちた音楽創造のエネルギーに変え,
> 今なお強烈な磁場をもつ南部音楽の原点に迫る異色の文化論。

こんな風に,ブルース,ジャズ,カントリー,ゴスペルという「異なった」ジャンルの音楽をまとめて扱った本というのは,これまでに無かったのでは・・・?
そして,当たり前のことながら,それぞれのジャンルが決して独立していたわけではなく,互いに関連し影響を及ぼし合いながら,人種の違いも超えて,発達していったということもよくわかる本です。

書名が「ロックを生んだ〜」となっているので,ソウルやブルースのファンには抵抗があるかもしれませんが,どちらのファンにもお勧めできる内容でした。


2007年4月6日 22時01分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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