ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年03月12日(月)
Dylanesque
Bryan Ferry "Dylanesque" [Virgin/EMI TOCP-66669]

1. Just Like Tom Thumb's Blues
2. Simple Twist Of Fate
3. Make You Feel My Love
4. The Times They Are A-Changin'
5. All I Really Want To Do
6. Knockin' On Heaven's Door
7. Positively 4th Street
8. If Not For You
9. Baby, Let Me Follow You Down
10. Gates Of Eden
11. All Along The Watchtower

前作 "Frantic"(2002) でも Dylan の曲を2曲採り上げていたし,ソロ第1作 "These Foolish Things"(1973) や第2作 "Another Time, Another Place"(1974) でも1曲ずつ歌っていたので,Bryan Ferry は Bob Dylan が好きなのだろうとは思っていたが,今回の新作は,全曲 Dylan のカバー。

Bryan Ferry は Bob Dylan に一度も会ったことがなく,もし会ったら "I hope you don't mind." と言うつもりらしいが,このアルバムを聴いた Dylan が,"I don't mind." と言ってくれるかどうか・・・?

このアルバムにおいて,Dylan の曲は単なる素材としてしか扱われておらず,完全に Bryan Ferry のスタイルで歌われ,演奏されている。
そこには Bob Dylan に対するリスペクトや憧れなどは感じられず,むしろ,アメリカン・ルーツ・ミュージックを具現化する巨人に対する対抗心のような感情さえうかがえる。
それは,たかだか数百年の歴史しか持たないアメリカに対する,かつての宗主国であるイギリスの誇りみたいなものかもしれない。
ただ,Bryan Ferry 自身は,それが単なる空威張りに過ぎないことを十分自覚していて,その虚しさを胸に抱きながら歌う歌には,Bob Dylan のオリジナルからは決して味わうことのできないセンチメンタリズムが漂っている。

最近の YouTube の充実度(?)は凄まじく,このアルバムからのビデオ・クリップも早速アップされてい・・・たのだが,This video has been removed due to terms of use violation. ということで,アッという間に削除されてしまった (^_^;)
今のところ残っているのは,↓ だけのようだ。
"Positively 4th Street"
http://youtu.be/6RJKWIeHz0c



↓ では,Marlene Dietrich の大ヒット曲だったという "Falling in Love Again" のあと,"A Hard Rain's A-Gonna Fall" を歌っているが,客席には Bob Dylan の姿があり,ほとんど苦虫を噛み潰したようなしかめっ面をしているけれども,最後のほうで少しだけ苦笑いをしているように見える。"I don't mind." と思っていただろうか・・・?
Bryan Ferry - Stockholm, Sweden 2000
http://www.youtube.com/watch?v=azCOL5IQM0M

1973年当時の "A Hard Rain's A-Gonna Fall" のビデオもアップされているが,これは今見ると,かなり不気味で,さすがにちょっと気持ちが悪い・・・(^_^;)
A HARD RAIN'S A-GONNA FALL - BRYAN FERRY (1973)
http://www.youtube.com/watch?v=JYP3NKOr98U
2007年3月12日 22時27分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Past MUSIC in 2007 / BEST 10 CDs in 2007 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/shinozrsb/trackback/351/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません