ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年08月08日(水)
Wade in the Water
Various Artists "Wade in the Water: African American Sacred Music Traditons (4 CDs)" [Smithonian Folkways SF 40076]

『ロックを生んだアメリカ南部』に,参考 CD として掲げられているアルバムの一つ。
廃盤にはなっていない が,CD 4枚組ということで余裕ができたらそのうちに・・・と考えていたところ,ラッキーなことにブックオフで \2,500 で売られていた (^_^)v
こういう掘り出し物が,たま〜にあるのでブックオフ巡りもやめられない・・・(^_^;) ちなみに,ごく最近の掘り出し物として,↓ の美品で \1,000 ポッキリというのがあった。
◎ Bruce Springsteen & the E Street Band "Live/1975-85 (3 CDs)" [Columbia C3K 65328]


タイトルの "Wade in the Water" は,ゴスペルのトラディショナル曲だが,Ramsey Lewis がインストルメンタルでヒットさせたことでも有名。
Sam Cooke も同じタイトルで曲を作り,SAR 時代の Soul Stirrers に歌わせたことがある。
最近では Dr.John が,ハリケーンのチャリティー・アルバムで同じモチーフから組曲を作って演奏していた。
● Dr. John And The Lower 911 "Sippiana Hericane" [Blue Note/EMI 0946 3 45687 2 2]

「リング・シャウトの持つ力」(pp. 178-179) の節で紹介されている曲は,このボックス・セット2枚目↓の1曲目。
◎ "Vol. 2: African American Congregational Singing: 19th-Century Roots"
1. Sign of the Judgement - McIntosh County Shouters

たしかに「教会組織の上層部の中にはこれを『異教的』な信仰形態として禁止する動き」があったというのもうなずけるほどの迫力だが,本来は野外でもっと多人数で行われていたものを教会内に持ち込んだためか,何となく小ぢんまりとまとまってしまっているような印象を受ける。
National Public Radio というラジオ局にスミソニアン協会が協力して作成されたアルバムのためか,まるで博物館のガラス・ケースに収められた展示物のように感じてしまう。そういう印象は,このボックス・セットに共通で,特に Vol.1 などは,
◎ "Vol. 1: African American Spirituals: The Concert Tradition"
咳払い一つ許されないような雰囲気のコンサート・ホールで収録されているため,あまりにもお上品過ぎてついていけない・・・(^_^;) 「美しい」ことは「美しい」のだが・・・。

◎ "Vol. 3: African American Gospel: The Pioneering Composers"
↑ は,Thomas Dorsey をはじめとする著名なゴスペル作曲家の作品を集めたもので,このボックス・セットだけでしか聴けないというものでもなさそうだし・・・。

◎ "Vol. 4: African American Community Gospel"
田舎(Alabama) と都会(Washington D.C.) における黒人教会の比較という視点は珍しいかもしれないが・・・。
Alabama の田舎では "Nearer To Thee" が未だに Soul Stirrers に近いアレンジで歌われているのに対して,Washington D.C. では "Peace in the Valley" が都会的に洗練されたアレンジで歌われている。

全体として,1990 年代前半に黒人教会で歌われていた音楽のドキュメンタリーとしての価値には素晴らしいものがあると思うが,ゴスペルそのものの魅力,あの圧倒的な迫力を味わうには,ちょっと物足りないかもしれない。
このボックス・セットの前の所有者がブック・オフに売り飛ばしてしまった気持ちも分からないではない・・・(^_^;)


というようなわけで,『ロックを生んだアメリカ南部』を読んで興味を持たれた方には,とりあえず Vol.2 だけをオススメしたい。ばら売り もある。

オペラとかウィーン少年合唱団のようなタイプのクラシック音楽も大好き・・・というような人には,Vol.1 の CD も楽しめるかもしれないが・・・(^_^;)

2007年8月8日 19時42分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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