アメリカン・ルーツ・ミュージック
「アメリカン・ルーツ・ミュージック 楽器と音楽の旅」 奥 和宏 [音楽之友社]
「アメリカン・ルーツ・ミュージック」で検索したらヒットした本。
興味はあったが「在庫切れ」でマーケット・プレイスでは割高になっていたため躊躇していたところ,書店の店頭で見つけて,即買い・・・(^_^)v
『ロックを生んだアメリカ南部』とこの本のおかげで,以前の「疑問」のほとんどが解決したように思う。
「土曜の夜に『罪深い音楽』に浸りながら酔いつぶれるまで飲みつづけて,日曜の朝にはこじんまりとした素朴な雰囲気の教会で魂の救済を願い,『聖なる音楽』を歌う――ハンク・ウィリアムズはこうした矛盾を背負った歌手だった。」(『ロックを生んだアメリカ南部』pp.273-4 )
そういう「矛盾」を持ったシンガーが絶大な人気を得ていたという事実は,聴衆の側にも同じような「矛盾」を抱えた人間が多かったということに他ならない。一部の教会のお偉方は顔をしかめていたかもしれないが・・・(^_^;)
Sam Cooke の場合,聖か俗かという問題よりも,あるグループで非常に大きな存在であった人間が,別のグループに移るということ自体が,問題だったのではないかという気がしてきた。
白人にとっての「教会」と黒人にとっての「教会」の,支配力・影響力の大きさの違いも関係しているはずだが,僕のような不信心者の目からは,「教会」=「聖」であるとは決して思えない・・・(^_^;)
黒人の間でも,聖と俗のそれぞれのグループの底辺において,活発な交流が行われていた例は,枚挙にいとまがない。
そもそも The Five Blind Boys Of Mississippi にしてからが,その最初期には,所属していた私立学校の寄付金を集めるために白人の金持ち相手にポピュラー・ソングを歌っていた The Cotton Blossom Singers と,教会でゴスペルを歌う The Jackson Harmonners という2種類の名前を持って活動していた。
どちらの本も部分的なエピソードについては,僕でも読んだり聴いたりした内容がいくつかあったけれども,まとめて読むと一味も二味も違う。
非常に面白く,ためになる本ではありましたが,おかげで聴きたくなった CD が,また増えてしまった・・・(^_^;)
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2007年4月16日 20時47分
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CHEAP TALK |
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