"MCA gems: All Roads Lead To Rock"
Various Artists "MCA gems: All Roads Lead To Rock" [MCA MVCM 617]
1. Bonnie Kate 〜 Jennie's Chicken - Michael Coleman(1934)
2. Sail Away, Ladies - Uncle Dave Macon & His Fruit Jar Drinkers(1927)
3. It's Tight Like That - Tampa Red's Hokum Jug Band(1928)
4. My Daddy Rocks Me (With One Steady Roll) - Trixie Smith(1938)
5. Detroit Rocks - Montana Taylor(1929)
6. Shake That Jelly Roll - J.C. Cobb & His Grains Of Corn(1929)
7. Rock And Roll - Harry Reser & His Orchestra(1934)
8. Favorite Polka - Whoopie John Wilfahrt and band(1941)
9. Swing Out Rhythm - Lonnie Johnson(1937)
10. Fascinating Rhythm - Sol Hoopii And His Novelty Five(1938)
11. Rockin' Rollin' Mama - Buddy Jones(1939)
12. Beat Me Daddy, Eight To The Bar - The Andrews Sisters(1940)
13. Rock Daniel - Sister Rosstta Tharpe with Lucky Millinder and his orchestra(1941)
14. Hamp's Boogie Woogie - Lionel Hampton & His Orchestra(1944)
15. Guitar Boogie - Les Paul & His Trio(1947)
16. Blue Light Boogie - Louis Jordan & His Tympany Five(1950)
17. My Kind Of Rockin' - Rene Hall Trio(1951)
18. Rock And Roll - Doles Dickens and his quintet(1949)
19. We're Gonna Rock - Cecil Gant(1950)
20. There Ain't Room Here To Boogie - Joey Thomas orchestra(1951)
21. Rocking Daddy - Howlin' Wolf(1954)
22. Howlin' Tomcat - Harmonica Frank(1951)
23. Rock Island Line - The Weavers(1953)
24. Hound Dog - Willie Mae "Big Mama" Thornton(1952)
25. Little Richard's Boogie - Little Richard With The Johnny Otis Orchestra(1953)
26. Shake It - Johnny Otis & His Orchestra(1954)
27. Rock Around The Clock - Wally Mercer(1952)
28. (We're Gonna) Rock Around The Clock - Bill Haley & The Comets(1954)
1996年に "MCA gems" というシリーズの1枚としてリリースされたコンピレーション盤。邦題は『ロックへの道』。
選曲・監修をし,解説も書いておられる中村とうようさんは,その著書の中で「ロックというものをアメリカン・ミュージックの歩みの中で捉え直し,これまで誰も出さなかった新しい見方を提示してみようという,ぼくとしても意欲的なコンピレーション」(『アメリカン・ミュージック再発見』p.233 北沢図書出版) と紹介しておられた。
その本は,1996年に発行されているが,版元にはまだ在庫が少し残っているらしい。書き下ろされた「『ロックへの道』を歩いてみる」という章には,MCA gems のシリーズで,CD を企画してから発売されるまで,音源を所有している海外のレーベルとの交渉の裏話など,興味深い内容も含まれている。
◎ V.A. "MCA gems: Jazz, Jive And Jump" [MCA MVCM-600] -1996
◎ V.A. "MCA gems: Blues, Boogie And Beat" [MCA MVCM-601] -1996
『ブラック・ミュージックの伝統』と題された ↑ CD も素晴らしい編集盤で,大変お世話になった。
こういう優れた CD が廃盤状態なのは非常に残念だけれども,今後は,こういったアルバムもデジタルなデータとしてダウンロード販売されるようになるのだろうか? その場合,CD のブックレットに掲載されている詳細な録音データや曲目解説は,どのようにして提供されるのだろう?
表題の CD で,Sam Cooke のファンに注目していただきたいのは,
17. My Kind Of Rockin' - Rene Hall Trio(1951)
Rene(最後の e は ' アクサンテギュ付き) は,「ルネ」と発音するらしい。この曲について,中村とうようさんが書いておられる部分をそのまま引用させていただくと・・・
「ルネ・ホールは,ジャズと初期リズム&ブルースの境界線のあたりで 30−50 年代に活躍したギタリストで,30 年代前半はジョゼフ・ロビショウのバンドでバンジョウを弾き,後半にはアーニー・フィールズのバンドでギターとトロンボーンを担当するなどニューヨークのさまざまなバンドで働き,50 年にはバティ・テイトたちを含む自己のバンドでジュビリーに録音。続く 51 年のデッカ録音4曲のうち1曲をここに収録した。その後も自分のトリオでヴィクターなどに録音を残したほか,50 年代後半をカリフォルニアで過ごし,サム・クック,リッチー・ヴァレンスなどのバンドでギターを弾きラリー・ウィリアムズなどスペシャルティの歌手たちの伴奏バンドを率いた。この曲でも,リフにおける2ギターの効果やアドリブ・ソロなどに当時としては新しい感覚を見せる。チャック・ベリーやミッキー・ベイカーにも影響を及ぼしたと言われ,ロック・ギターの先駆者として今後の再評価が必要な人物だ。」
Rene Hall は,Sam Cooke の Keen 時代のアレンジャー。RCA 初期 の New York 録音には関わっていないけれども,Los Angeles に戻って最初に録音されたアルバム "Twistin' The Night Away" には,Arranged and conducted by Rene Hall とクレジットされている。
当時 Rene Hall は,セッション・ミュージシャンとして,↓ のようなアルバムのアレンジも担当していた。
○ The Routers "Let's Go With the Routers" [Collector's Choice ]
Let's Go -The Routers レッツ.ゴー @ Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=OhYmpIF5W-M
↑ 'Twistin' The Night Away' と同じ1962年にリリースされ,ヒット(Hot 100: 19) している曲。The Routers というグループになじみがなくても,この曲は 'Twistin' The Night Away' より知名度が高いかもしれない。
ただし,印象的なイントロの手拍子は Rene Hall ではなく,プロデューサだった Joe Saraceno という人物のアイデアだったそうだ。
The Routers は,その Joe Saraceno がセッション・ミュージシャンを集めて作った架空のグループで,Leon Russell もそのメンバーに含まれていた。
Larry Williams のセッションで,「過激なギター」を弾いているのは,紹介済み。
● Larry Williams "At His Finest: The Specialty Rock'n'Roll Years (2 CDs)" [Ace CDCH2 1021] -2004
Don & Dewey のセッション(1957) でも leader, guitar としてクレジットされているのが確認できる。
◎ Don & Dewey "Jungle Hop" [Specialty/ace CDCHD 358] -1991
Specialty 以外のセッションでは,Johnny 'Guitar' Watson の RPM 録音(1954) にも guitar としてクレジットされていた。
● Johnny 'Guitar' Watson "The Original Gangster Of Love 1953-1959" [Jasmine JASCD 171] -2011
Sam Cooke が New York から戻ってきた後は,ほとんどの曲を Rene Hall がアレンジしていて,'A Change Is Gonna Come' も,もちろん Arranged and conducted by Rene Hall 。
Sam が亡くなってからは,Bobby Womack の '70 年代のアルバム("Communication" - "Lookin' for a Love Again") でストリングスのアレンジを担当しているほか,ちょっと意外なところでは,↓ にも Conductor, Arranger としてクレジットされていた。
◎ Marvin Gaye "Let's Get It On [Deluxe Edition] (2 CDs)" [MOTOWN 440 014 758-2] -2001
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2011年8月6日 09時09分
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Past MUSIC in 2011 |
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