ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年08月21日(火)
Man of My Word
Johnny Adams "Man of My Word" [ROUNDER 2155]

1. Even Now
2. It Ain't the Same Thing
3. This Time I'm Gone for Good
4. Going Out of Mind Sale
5. Now You Know
6. Up and Down World
7. I Don't Want to Know
8. Man of My Word
9. You Don't Miss Your Water
10. Bulldog Break His Chain
11. It Tears Me Up
12. Looking Back
13. Never Alone

1998年にリリースされた Johnny Adams の遺作。
Rounder 時代のオリジナル・アルバムとしては9作目。"Good Morning Heartache"(1993) や "The Verdict"(1995) の Jazz 路線が Soul ファンには不評だったためか,あるいは Johnny Adams 本人が望んだのか,前作の "One Foot In The Blues"(1996) は,ちょっぴり Jazzy ではあるが比較的オーソドックスな Blues アルバムで,その後 Memphis で録音するという企画もあったらしい。
体調面を考慮したため,このアルバムも New Orleans で録音されてはいるが,Rounder 時代のアルバムの中では,ピュアな R&B/SOUL ファンに最も気に入ってもらえる内容になっていると思う。
バンドは Walter "Wolfman" Washington や George Porter, Jr. などの N.O. 勢が中心ではあるが,Memphis から Michael Toles ( 7. 8. 10. でギター・ソロ) やホーン・セクションを呼び寄せている。ドラムの Donnell Spencer, Jr. はライナーによると,Prince や Chaka Khan とツアーしたこともあるベテランらしい。


収録曲の中では,まず Memphis Soul のクラシックである 9. You Don't Miss Your Water や 11. It Tears Me Up が目に付く。どちらも,期待通りの出来。

5. Now You Know は,ライナーによると Little Willie John のカバーということで,調べてみると CD 化されていたが,手持ちの CD とのダブリが多く,さすがにこの1曲だけのために購入するのはちょっと・・・(^_^;)
○ Little Willie John "All 15 of His Chart Hits 1953-1962" [KING ]

● "The Later KING Sessions: Heaven All Around Me" [ace/KING CDCHD 1221] -2009
Little Willie John の歌に比べるといささか分が悪いように感じてしまうが・・・(^_^;)

7. I Don't Want to Know は,Sonny Landreth のスライド・ギターが印象的だった Bobby Charles のカバー。
◎ Bobby Charles "Secrets Of The Heart" [STONY PLAIN SPCD1240] -1998

8. Man of My Word は,アルバム・タイトルにもなっているが,ライナーでは Robert Cray が歌っているように書かれているものの,AMG で調べる限りでは見当たらなかった。
He's a man of his word. 「彼は約束を守る,誠実な男だ」という表現は辞書にもよく掲載されている。しかし,I'm a man of my word. という言い回しはあまり使われないのではないかと思っていたけれども,AMG で調べると,"Man of My Word" というタイトルのアルバムが結構あった。謙虚を美徳とする我々日本人には理解しにくい表現の一つか・・・(^_^;)

12. Looking Back には Brook Benton / Belford Hendricks / Clyde Otis というクレジットがあり,Dinah Washington のバージョンが有名らしいが,それは未聴。ただ最初はアレンジが全く異なっているので気が付かなかったが,Otis Rush のバージョンがあり,それは愛聴していて,ギターで泣きたいときに聴く定番曲。
● Otis Rush "Right Place, Wrong Time" [edsel ED CD 220] -1976
10. Take a Look Behind

13. Never Alone アルバムのラストを飾るこの曲について,コーラスに参加し Johnny Adams とデュエットしている Aaron Neville は,次のように語っている。
 「私が最も好きだった仕事の中には,あまりよく売れないものもあったよ。具体的には,ジョニー・アダムスの最後の CD で歌ったゴスペル・ソングなんかだね。彼が亡くなる少し前に吹き込まれた CD だよ。ここでぼくらは,サム・クックのいたソウル・スターラーズのスタイルで歌ってる。子供の頃学んだように,それが主を讃えるにはいちばんいい方法なんだよ。」
  (p. 459 『魂の宿る街ニューオーリンズから −ネヴィル・ブラザーズ自伝−』)


不思議なことにライナーには何も書かれていないのだけれども,3. と 6. は,Bobby Bland の,それも同じアルバムからの選曲。
● Bobby "Blue" Bland "His California Album" [MCA MCAD-10349] -1973

1. This Time I'm Gone For Good
2. Up And Down World
3. It's Not The Spotlight 4. (If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right 5. Goin' Down Slow 6. The Right Place At The Right Time 7. Help Me Through The Day 8. Where My Baby Went 9. Friday The 13th Child 10. I've Got To Use My Imagination

個人的な印象としては,軟派の Bobby Bland に対して Johnny Adams は硬派・・・というイメージがあるのだが,Johnny Adams は Bobby Bland にあこがれたこともあったのだろうか?


その他の 1. 2. 4. 10. は,このアルバムのために書かれた曲らしい。2. のライターには Dan Penn の名前が見えるけれども,このアルバムのトップを飾る 1. Even Now が,名曲中の名曲。
若いころに比べれば,声の艶や伸びに多少の衰えがあるかもしれないが,その味わい深さは格別。枯淡の境地と呼ぶにふさわしい,素晴らしい歌声を聴くことができる。
... A man can change his ways. Can a woman change her mind ?
Even now, I still love you. ...

'60 年代半ばにあちこちのレーベルを渡り歩いていた時期などの,未 CD 化のシングルには未聴のものがかなりあるが,この "Even Now" は Johnny Adams の曲の中では最高傑作の一つと言えるだろうし,アルバム単位では,この CD がベストだと思っている。
2007年8月21日 21時09分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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